その眼差しの先にあるものは?
ベルハーのライブを見ていると、いたたまれない気持ちになる瞬間が毎回あります。ライブに関して言うとハッピーな気持ちのままで終わったことはほとんどアリません。不安や怒り、焦燥や鬱屈とした感情が塊のまま放り投げられて、こっちが処理しきれないまま目の前ではライブが続いていく...みたいな瞬間が必ずやってきます。
なんでベルハーのライブはこんな気持ちになるんだろう?他のアイドルのライブでは受けることのないこの感傷の理由はどこにあるんだろう?
その理由の一つがメンバーたちのライブ中に浮かべる"表情"だと思っています。
分かりやすい例で言うと「low tide」での落ちサビのみずほちゃん。「ライスとチューニング」でゆるまりまくりのみずほちゃんが「low tide」ではなんであんなに切迫した訴えかけるように歌うのか。
「rainy dance」でほんの数秒前まで普通に歌っていたあーやんはなんでその直後あんなに辛そうな顔で、目に涙を浮かべながら歌っているのか。
2016年1月に開催されたワンマンライブ「Q」の最後に見た甘楽さんがひと目をはばからず大号泣していたあの涙は一体誰に向けたものなのか。
そういった表情は他のアイドルのライブでも目にするのですが、ベルハーの場合そこに何らかの"痛み"が予め刷り込まれているような気がするんです。その"痛み"にこちらの感情が反応しているのかな?と。
さらに付け加えるならそうしたメンバーたちのハッとするような表情は、目の前にいるヲタちゃんたちというよりは、そこにはない何処か、何か、誰かに向けられているように見えるのです。
その度にステージとこちら側にある交わることのない隔たりのようなものを感じたりして、
前述した「ベルハーのライブは観劇しているような気分になる」という感覚はこういう理由もあるのかな?と思ったりしています。