DOCUMENTARY OF TIF 2015 -少女たちはこの先のシーンにどう立ち向かう?-

BiSH(8月1日 SMILE GARDEN/ENJOY STUDIUM)

2015年のTIFのラインナップの中で開催前から大きな注目を集めていたグループの一つがBiSHだったことは間違いないだろう。
「もう一度BiSをやる」と言うセンセーショナルすぎるメッセージから始まったBiSHは、デビューアルバムの「Brand-new idol SHiT」が各所から絶賛の声が上がり、その後のライブでも清掃員(BiSHファンの総称)の過熱した盛り上がりと共に大きな話題を提供してきた。
そのBiSHがデビュー後、最大のイベント”東京アイドルフェスティバル”に出演する。多くのアイドルファンが集うTIFでどんなステージを見せるのか?どんな衝撃を残していくのか?ファンならずとも観覧ルートにBiSHの名前を入れていた人は少なくなかったはずだ。
8月1日15:30過ぎ。BiSHのTIFデビューを控えるSMILE GARDENにはルール遵守を促すアナウンスが繰り返し流されていた。今年のTIFではジャンプ、リフト、クラウドサーフ、モッシュ…昨今のアイドルイベントではしばしば目にする応援の数々が禁止項目として挙げられていた。その規制の厳しさは例年以上で、実際にルール違反とされた観客が実際にステージから退去させられる姿も何度か目にした。
そして熱気と緊張感にあふれたSMILE GARDENにBiSHが登場しライブを始めると客席では早々にリフトやクラウドサーフが相次ぎ、多数の運営スタッフや警備員が駆けつける物々しい事態となった。その一方でステージ上のBiSHはとオープニングナンバーで「BiSH – 星が輝く夜に」を披露し、続けて「BiSH – 星が輝く夜に」、最後も「BiSH – 星が輝く夜に」でライブを終了。3曲を歌い終わるとBiSHの4人は逃げ帰るようにステージを後にした。
2回目のステージはENJOY STADIUMのトリとして登場。SMILE GARDEN以上に緊迫したムードの中でステージに立ったBISHは、セントチヒロ・チッチが冒頭から「今日は記念すべきENJOY STADIUMのトリを務めさせていただけると言うことで、趣向を凝らしたライブをお見せしたいと思います。せっかく勝ちとったTIFのステージ。最後までキレイにやり切りたいです。クソアイドルなりの上品な上品な上品なBiSHをお届けします!」と言い放つ。
不意のマイクパフォーマンスに呆気に取られている観客をよそにしてBiSHは一曲目の「スパーク」をアカペラで歌い始めた。アカペラバージョンという訳ではなく通常の「スパーク」をオケなしで歌い続けるBiSH。この状況ではさすがにリフトやクラウドサーフも起きようもなく観客と運営スタッフからは拍子抜けしたような空気が漂っていた。そしてライブはオケなしのままで2曲目の「BiSH – 星が瞬く夜に」へ突入する。この頃になってようやく手拍子や口での伴奏、コールなども入り始め、ライブらしい体裁を取り戻し始める。
そして2曲目の終わりでハグ・ミィがステージ前方に進み出て「いいですか?みなさん、今日は上品な清掃員を見てもらうことで、清掃員だって上品なことができるんだって、ここで証明してあげましょう。それでは…いいですか?『BiSH – 星が瞬く夜に』!!」とシャウトし初めて爆音がENJOY STADIUMに鳴り響いた。
3曲を歌い終えたBiSHがステージを去るのと同時にTIF初日のENJOY STADIUMは全プログラムを終了したが、BiSHが残していった不可思議なライブが何を示唆していたかをその場で理解できた人はほとんどいなかっただろう。
その後、発表になった2日目のBiSHの出演キャンセルは今年の中でもTIFの大きなニュースになったが、2つのステージを振り返る限りBiSHのライブは至極真っ当なものだった。ステージ上で奇抜なことをする訳でも、観客を煽ったりした訳でもない。ENJOY STATIUMでは期せずして4人の生歌を聴くことになったが、それも含めて与えられたステージで自分たちのライブを精一杯やっていたのがTIFで見たBiSHの姿だった。
いずれにしてもBiSHにとっての初めてのTIFは初日だけで終わることになったが、後になってBiSHはTIFの2日目のチケットあるいは2日通し券を購入していた人は無料で入場可能(先着1500名まで)な主催ライブ「TBS」を8月26日にZepp Tokyoで開催することを発表した。
あまりに予想外な発表に2日目のキャンセル自体が「ヤラセだったのでは?」と言う声もtwitterで見かけたが、ヤラセにしてはこのライブ開催で運営サイドが背負う負担とリスクが大きすぎる。BiSHを見ようと思っていた観客にできる最大限の配慮とお詫びのしるしと捉えるのが正しいだろう。
デビューからまだ2ヶ月余り、しかもつい先日2名の新メンバー加入が発表されたばかりのグループが何者かをTIFのステージだけで見極めようとすること自体に無理があるのかもしれないが、BiSHを見るたび頭に浮かぶ「BiSHは本当にBiSの二番煎じなのか?」。TIFのステージでその思いがさらに強くなったのが正直な感想だ。
8月26日の「TBS」の開催との新メンバーの加入。TIFが終わっても話題が尽きないBiSHの一挙一動を追いかけていくことでその答えは少しずつ明らかになっていくのかもしれない。

リンク
BiSH オフィシャルサイト http://www.bish.tokyo/

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