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西園寺のファジィ論理

ReLIeF(リリーフ)【西園寺のファジィ論理】「500円玉の旅」

未彩先生の小説連載
西園寺未彩・岸森ちはなによる2人組アイドルユニットReLIeF(リリーフ)のMu-magがスタートしました!
「書くものの方がいいかな」という西園寺さんの話を聞いてお願いしたのは小説の執筆。
これまでのMu-magの中で一番ハードルが高いのでは(?)というお題でしたが、最初にいただいた作品「500円玉の旅」は未彩先生の独自の視点と感性がほとばしる衝撃作となりました。最後にはおまけの4コマ漫画もついています。
新時代の文豪誕生を予感させる未彩先生の連載、どうぞお楽しみに!

こんにちは☆この連載企画でReLIeFや西園寺未彩(@misa_saionji)に、興味を持ってくれると嬉しい♪
みさを好きになってくれると、もっともっと嬉しい♪♪
みさが書いたお話、読んでくだ西園寺\(●>ω<●)/♢キラキラ


 

『500円玉の旅』

なんの変哲も無い、よくある500円玉。私は生きている。

今は緊張が伝わってくる少し湿った手のひらにギュッとにぎられている。6歳くらいの男の子がお花屋さんの前で立ちすくんでいた。店員のお姉さんが柔らかい口調で話しかけると、男の子は
「500円!」
と私を紹介した。お姉さんは私を引き取り、代わりに赤いカーネーションを渡した。男の子はその花を大事そうに抱え、振り向くことなく帰って行った。あの子がはじめて“自分のお金”(おこづかい)を使ったプレゼントだ。母親はさぞ驚くだろう。これが私のするべき旅だ。

しばらくしてお姉さんは、綺麗な女性に千円札の上に乗せた私を渡した。その女性は私を千円ごとポケットに入れた。千円布団の温もりに包まれた私は、いつのまにか眠ってしまった。
突然、地面に叩きつけられた。衝撃で飛び起きたが、上も下も右も左もわからないまま体は勝手に進み、暗がりの中で止まった。
「まぁいっか、500円くらい」
女性は冷たい言葉を残し、地面を蹴るヒールの音は遠ざかって行った。

置き去りにされた私はこのまま錆びてしまう恐怖を忘れるために、美しい想い出を呼び起こしていた。ピカピカの500円玉デビューの日、キラキラした未来を夢見ていた。翌日には赤ちゃんのよだれでベトベトになった。お年玉になってがっかりされたこともある。小銭の中では一番価値が大きい。そんな傲慢な気持ちでいたからかもしれない。所詮、私も小銭なのだ。暗闇のせいかすっかり弱気になってしまった。音もなくつもるホコリの中、旅の終わりを感じたその時。

私を求める手が、光のさす方から伸びてきた。必死に指をばたつかせ、人差し指と中指の間に私をおさめると、ゆっくりと慎重に引き出す。明るい光の中でコーラを横目に自分が居たのは自動販売機の下だったことを理解する。一瞬にして財布の中へ入れられてしまったため、恩人の顔はわからずじまいだった。

赤と黄の縞模様が私の前にそびえ立つ。親指で宙に弾き出されて、私は少し苛立ちを覚えた。
「幸運の500円玉だ!」
私を救ったヒーローはこの派手なネクタイをつけた男だ。男は昼食を賭け、私は金メダルにストーカーされそうな空中回転をした。表を選んだ彼の運命は無料の生姜焼き定食を実現させた。男は周囲の人間に“幸運をもたらす500円玉”(御守り)と私を自慢した。崇められるのは悪い気分ではないが、酔っ払って転んだ先で光っていた私の話は、もう何度も聞いたせいで退屈な昔話に感じる。男の運勢は私に出会ってから好調をキープしているそうだ。私は神ではない。

このままここに居るのもわるくないと考えはじめていたある日。男はあるものを見て足を止めた。そして、あっさり私を手放した。唐突な別れだった。行動を共にしてきた私は知っている。彼は上司にも友人にも好かれている。お調子者だが、私のように裏表のない気持ち良いやつだ。募金も本能のままにしたのだと、私にはわかった。純粋に誰かのためになろうとしたのだ。

こうして私は、また旅に出た。さまざまなものとの架け橋になり、たくさんの人の手を渡った。助けになり、優しさになり、支えになりながら、同じ価値を保ち続けた。しかし、世間の共通認識の価値は同じでも、人によって私を見る価値は違うようだ。

お釣りに私が出るように計算して支払いを済ませた彼女は、家に着くとすぐに私を取り出した。楽しそうに行きたい場所について語り、同じ景色を見たい人を想う。幸せそうな彼女の微笑みをさいごに、コロンと転がりこんだそこには、二人の夢が叶う日を楽しみにしているたくさんの仲間がいた。私もしばらくここで、夢のかけらになろう。

私に触れる手には必ず感情がある。希望や欲望、不安や喜び、感謝や思いやり、興奮や好奇心……私はその全ての感情と引き換えに旅に出る。
私の役目は、終わりのない旅だ。

 

🌟あとがき🌟
あなたにとって500円玉はどんな存在ですか?
今後、更に電子マネーが発達して、直接お金に触れる機会がなくなるかもしれない。そんな日が来ても500円玉の重みを忘れずに居てほしいと思う。

お金は生きている!お金が動くと、私達の世界も動く♪
いっぱい使っても、少しだけ使っても、すぐ使っても、じっくり使ってもいい☆
大切にして、自分を幸せにする使い方をしましょう\(●>ω<●)/♢キラキラ

 


未彩先生 描き下ろし4コママンガの「500円玉インタビュー」

ReLIeF in NY(単独解放)
2018年11月17日(土)OPEN 12:00/START 13:00
蒲田温泉
東京都大田区蒲田本町2丁目23−2
▼ チケット
レインボーチケット 10,000円(7種類の特典付き)
一般チケット 3,000円
アダルトチケット 2,500円(要年齢証明)
お子様チケット 2,000円(要保護者同伴)
URL relief23chihamisa.wixsite.com/relief/events/relief-in-ny-pu-tian-wen-quan

リンク
ReLIeF オフィシャルサイト relief23chihamisa.wixsite.com/relief
ReLIeF オフィシャル twitter twitter.com/ReLIeF23
西園寺未彩 twitter twitter.com/misa_saionji

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