ひめキュンフルーツ缶

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普通に、すんなりと、終わるはずはなかった。 彼女たちがステージですべてを投げ打てば、そのすべてを打ち返していく観客たち。もう二度と起こりえない、特別な感情がここには渦巻いていた。ライヴ中は1曲1曲が永遠に鳴り響いているような感覚に陥ったものの、終焉は刻一刻と近づいていく。1曲の中に"始まり"と"終わり"を内包する形で、彼女たちは全力で駆け抜けていった。(text:荒金良介/photo:西槇太一)[画像:15枚]

ひめキュンフルーツ缶(以下ひめキュン)現編成によるラスト・ライヴ「"2010-2017"卒業〜今までも、これからも〜」は、地元・松山サロンキティで開催された。会場に着くと、壁には「卒業式」と書かれた立て看板が真っ先に目に飛び込んできた。ライヴ前に彼女たちに挨拶すると、いつもと何ら変わらない表情で出迎えてくれ、少し安堵した。18時17分、楽屋から発声練習する岡本真依の歌声が漏れ伝わってくる。もうすぐ本番だ。

開演時刻18時半を回っても、観客はまだ入り切れない。既にキャパ300人という場内はギュウギュウ状態だ。そこに「まだまだ入ります!」というスタッフの声が響き渡り、結局会場の扉を開け放つ形で対処することに。そして、18時50分に暗転すると、白のタンクトップと赤の長ズボンに身を包んだ岡本真依、谷尾桜子、奥村真友里、菊原結里亜のメンバー4人が登場。緑と青のライトが煌めく中、「ひめキュンフルーツ缶、よろしくお願いします!」と岡本が挨拶し、「アンダンテ」で遂に本編開始。すると、彼女たちの歌声を時折掻き消さんばかりの歓声があちこちで轟く。「それ冗談!これ本気!!」、「ワタシダイイチキボウ」、「ガールズドントクライ」と畳み掛け、曲中に「楽しんでいますか? 声出していけよ!」と岡本が煽り、フロアのボルテージは上がる一方である。その景色を見て、「凄い熱気だ!」と谷尾も驚きの表情を浮かべ、ここで「ぐるぐる」が炸裂。メンバー4人が飛び跳ねると、明るさ倍増のアッパーな曲調と相まり、観客もジャンプで応えていく。もはや場内はサウナ並みの温度を記録し、額から汗が噴き出してくるほど。

「iの奇蹟」、「恋のプリズン」、「Seize the days!」と突き進むと、奥村はライヴ・ビューイングで観ている人たち、ここに集まった観客たちに呼びかけた後、記念すべき1stシングル「恋愛エネルギーの法則」を披露。ひときわ大きな歓声が起きる中、ポップ&キュートな曲調とダンスが格段に映えていた。作曲作詞に怒髪天が携わった勇壮な「伊予魂乙女節」を挟み、メンバー4人がアカペラ風に歌い上げると、バラード曲「絶望よ、こんにちは!」に移る。これまでと打って変わって、しっとりと聴かせてくれた。

その後のMCでは岡本と菊原が今年20歳を迎えたことを告白。また、ひめキュン結成7周年の日にメンバー全員で集まってワインを飲み、その席で頑固で弱音を吐かない岡本が悩みを打ち明けてくれたことが嬉しかったと零す菊原。さらに谷尾が一番精神面で強くなったと語る岡本。7年の歳月の重さをしみじみと振り返ると、メンバー全員が黒の衣装にチェンジし、「モノクロビタミン」、4本のマイク・スタンドの前で奇抜なダンスを見せつける「デッドギミック」で観客を狂乱させていた。

「モラトリアム」で激しくフロアを焚き付けると、後半戦に突入だ。メンバー4人はエンジン全開で歌に踊りに感情を迸らせていく。「恋が止まらない」、「キラーチューン」、「You stay dream」と息付く暇のない壮絶なエネルギーを振り撒いて本編を無事走り抜けた。怒号に近いひめキュン・コールが鳴り響く中、ひめぎんホールライブの際に披露した矢絣の衣装に再びチェンジし、メンバー4人が姿を見せた。「ネバーエバー」が始まると、岡本、谷尾、奥村、菊原は本編以上にキラキラと輝く笑顔で観客一人ひとりを照りつける。「例えばのモンスター」披露中に谷尾がフロアに飛び込む場面もあり、ステージと観客の距離はほぼ皆無と言える大熱狂ぶり。

3曲を終え、ここでひめキュンの生みの親である伊賀氏からメンバー4人に花束と卒業証書が渡された。頭から突き抜けるような高い声で、一人ひとりに対して感謝の言葉を読み上げていく。伊賀氏とひめキュンは二人三脚、親子同然の関係性だったに違いない。お互いにちょっと照れたような表情を浮かべ、両者にしか分かり得ない気持ちの交換があったことだろう。

一旦、メンバー4人がステージ袖に引っ込むと、ひめキュン・コールは再浮上。暗転したステージに5人の人影がぼんやり見えると、会場は発狂に近い興奮が渦巻く。そう、今年6月に卒業した河野穂乃花を含むメンバー5人が最後に勢揃いしたのだ。そして、この5人で「卒業の日」を切々と歌い上げてくれた。メンバーそれぞれ目に涙を浮かべるシーンもあり、「私たちは5人で一つです!」と岡本が言った後に、河野が口を開いた。「半年ぶりです、穂乃花です。直接(卒業を)言えなくてすいません。上から観てて、このグループで良かった、このグループが誇りです。多くの人に愛してもらって幸せでした!」と心境を吐露。ここでまた伊賀氏が河野に対して卒業証書を読み上げと、ほかのメンバーに「泣いてるの?」とツッコミを入れられていた。

さあ、本当に終幕の時が訪れた。岡本が喋り出すと、すかさず「違う!」と奥村が発言。やり直して喋り終わり曲に入ろうとすると、菊原が「違う!」と発言。どうやら段取りを間違えたようだ。そこもひめキュンらしくて、会場の空気はグッと和んだ。ここからメンバー一人ずつコメントする流れに。「お婆ちゃんまでやると思ったけど・・・卒業は悔しい」(奥村)、「13歳からやって来て、感情、青春のすべてを捧げた。ひめキュンは不器用だったけど、愛媛でやってきて良かった」(菊原)、「世界中を見渡しても、こんなに愛されたグループはいない」(岡本)、「自分のことしか考えてないと伊賀社長に言われて、周りのことを考えるようになった。このメンバーが大好き」(谷尾)と思いの丈を述べると、最後は新生ひめキュン・メンバー7人をステージに招き、総勢11人で「ひめキュン参上!」を披露。

全30曲トータル3時間に及ぶライヴを終え、「7年間愛してくれて、ありがとうー!!」と岡本が最後に感謝の言葉を発すると、今日ライヴでやらなかった「バズワード」が終演後の場内に流れ、観客が大合唱という景色まで生み出す始末。最後の最後まで、ひめキュンが多くの人に愛されてきた事実を肌身に思い知らされた。

▼ ライヴ終了後の打ち上げ会場で、メンバー5人から最後のコメント
「ライヴはいつも通りにやれたのが良かったですね。今日は我慢できなくて、「絶望よ、こんにちは!」で泣いてしまって。何度か涙腺に来ましたね。お客さんも温かかったし、関係者の方もたくさん来てくれて、愛に溢れていたなと。7年間やって来て良かったなと、心から思いますね」(谷尾桜子)

「来週またライヴがありそうな気がしますね(笑)。アンコール辺りで卒業するんだ、このメンバーで歌うことも踊ることもない、もう終わるんだと思ったら、涙が出てきて。でもライヴ後の特典会のときにお客さんにまたね!と言っちゃって(笑)。8人の時代にも感謝しているけど、穂乃花を含む5人で突っ走ってきたので、ひめキュンはこの5人だなと思いました。「卒業の日」でボロボロ来ちゃいました。4人になったときも、片隅に穂乃花を置いて、5人でやってるつもりでしたからね。最高に楽しくて、最高に幸せでした!」(岡本真依)

「全然、終わった感じがしなくて。もうライヴをしないなんて考えられない。でもいい雰囲気で終われたから、良かったなと。終盤、体力的に死にそうだったけど、いつも通りひめキュンの楽しいライヴをやれたと思います。5人でステージに出たときは、さすがに泣きそうになったけど、泣かなかったです。こらえました。自分は強がりだから、泣いてるところを見られたくなくて。まいまい(岡本)は最後まで、らしかったなと(笑)」(奥村真友里)

「今日はすごく楽しかった。ただ、アンコールは・・・お客さんも泣いてるし、5人で出る前に円陣を組んで、そのときにまいまい(岡本)、さく(谷尾)、穂乃花が泣くから。あと、穂乃花の言葉でも泣きましたねえ。ただ、最後までしんみりしなかったから、それがひめキュンらしいかなって。今日「バズワード」をやらなかったんですけど、なぜなんでしょう? 多分、「You stay dream」の歌詞の意味的にここから頑張ろうという前向きな歌詞だったから、今の私たちに合ってるのはそっちだったのかなと。でもライヴが終わった後にお客さんが大合唱してる声が聞こえてきて、私も嬉しくて。今日は間違いじゃなかったなと。自分に素直に、まっすぐやって来たことを伝えられたから。それが良かったですね」(菊原結里亜)

「めっちゃ緊張しました、半年ぶりですからね。上で観てたんですけど、こんなに凄いグループだったんだなって。今になって、より一層思いますね。私もどういう気持ちでステージ立とうと思ったけど、来て良かったですね。ファンの方にも挨拶できたし、あの曲(「卒業の日」)でみんなとステージに立てたので、ありがとう!という気持ちでいっぱいですね」(河野穂乃花)

ひめキュンフルーツ缶"2010〜2017"卒業〜今までも、これからも〜 セットリスト

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