夏の魔物

BiSH、ex.BiS、Especia、せのしすたぁ、おやホロ 「夏の魔物」でクロスしたそれぞれの歩み

2015年9月12日(土)に青森県夜越山スキー場で開催された「AOMORI ROCK FESTIVAL 夏の魔物」。今回が10回目を数える夏の魔物は、ロックアーティストやアイドルによるライブの他にプロレスの興行や映画上映なども催される音楽フェスの括りには収まらないイベントで、例年ここでしか起こりえない"事件"が勃発することでも有名だ。そんな夏の魔物の中から今回はテンテンコ、LUI FRONTEC 赤羽 JAPAN、Maison book girl、BILLIE IDLE®、せのしすたぁ、Especia、おやすみホログラム、BiSHのライブの様子をレポートする。[画像:97枚]

せのしすたぁ(バーリトゥードステージ)

「オレらがパーティーモンスターだ!!」の掛け声とともにせのしすたぁが姿を見せると、それを待ってましたとばかりに客席では一斉にオレンジのタオルが踊った。 その意図は、この日のライブをもって活動を休止するみかのために用意されたファンからのサプライズ演出だった。活動休止が学業専念による一時的なものとは言え、節目となるライブにまおはライブの始まりから飛ばした。 「もっともっと!」「聞こえねーぞ!」「青森県にケチャだ!」「後ろ地蔵してんじゃねーぞ!」と観客に向けて叫び続ける煽りは「◯田豪さんやれよ!なに彼氏面してんの!?」と客席側の袖で見ていた超有名プロインタビュアー氏にも飛び火。

ステージを降りて「ワタシアイドル」を歌うまおに応えるファンも足元のぬかるみに構うことなくこの曲でおなじみみの土下座芸を完遂。そしてライブを締める定番曲「ラストチューン」で大団円…となるはずが、ここでNATURE DANGER GANGがステージに乱入、せのしすたぁとのコラボ曲「"ATOMIC×デンジャー×しすたぁ”」を披露した。 予定外のコラボに湧く観客の渦へNDGメンバーが次々にダイブをする中で、みかもダイブを敢行。観客の頭の上を漂いながらケチャを受けるみかは最後まで笑顔で活動休止前のライブを楽しんでいるようだった。(photo:Jumpei Yamada twitter

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Especia(バーリトゥードステージ)

夏の魔物は開放的な環境が様々なパフォーマンスを生み出すことが多いフェスだが、Especiaはそれをライブのはじめから思う存分満喫していていた。 「Good Times」でライブを始めるとEspeciaのメンバーはステージに脇田もなり一人を残して散り散りに飛び出し、次々に観客とハイタッチを交わしていく。 三ノ宮ちかと三瀬ちひろは夜越山スキー場のゲレンデを駆け上がり、ビニールシートを敷いてゆっくりくつろいでいる人たち一人ひとりとハイタッチ。その一方で森絵莉加は観客と一対一のガチンコなダンスバトルを繰り広げるなど、”なんでもアリ”な光景があちこちで見られた。

そんな「Good Times」のお祭り騒ぎが終わってメンバーがステージに戻った後のEspeciaのライブはいつものクールさを取り戻し、ライブの定番曲「アバンチュールは銀色に」、最新シングルの「Aviator」などをいつものノンストップライブで披露していったが、その中の挟まれた「スカイタイム」が爽やかな夏の魔物の青空とマッチしていたのが印象的だった。(photo:Jumpei Yamada twitter

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おやすみホログラム(バーリトゥードステージ)

「東京アンダーグラウンドを青森に持ってきましたからね!みんな!青森まで来たんだから体を揺らそう!」 「おやすみホログラムこんなもんじゃねーぞー!!」 夕陽に染まり始めたバーリトゥードステージにおやすみホログラム八月ちゃんの声。かなみるの狂気とファンの荒ぶりがライブの度にカオスな光景を生み出し、最近では"アイドル界のギャングスタ"と呼ばれることもあるおやすみホログラム。その中でナチュラルボーンなキュートさを持つ八月ちゃんの存在は緩衝材的な役割も担っていたが、この日の八月ちゃんの耳慣れないぐらいに激しく観客を煽っていた。

ライブの方もオープニングの「note」でこそ静かな立ち上がりを見せていたが曲が進むごとに激しさを増し、サプライズゲストのHave a Nice dayの浅見北斗を迎えたコラボ曲「エメラルド」でライブの盛り上がりは頂点に。ステージからダイブしたかなみるは、狂気に満ちた表情をたたえながら観客の頭上を転がり回り、八月ちゃんも(かなみるに比べれば)控えめながらもアクロバティックなダイブを見せる。

「東京アンダーグラウンドを持ってきた!」その言葉通りのライブを見せたおやすみホログラムは初出演の夏の魔物に強烈なインパクトを残していった。(photo:Jumpei Yamada twitter

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BiSH(リングの魂ステージ)

「今日のイベントは何か因縁めいたものが裏テーマにあるみたいですね。」 「BiS…ですね。」 「はい。…BiSです。」 「解散した時のメンバー全員出てた見たいですね。」 「今日は!このもう終わってるBiSを封印するために!BiSHはここに来ました!」

ストロングステージに立ったBiSHメンバーがそう語った直後、夜を迎えた夏の魔物に鳴り響いたのはなんとBiSの「nerve」だった。この日一番と言っていいサプライズにステージのテンションは一気に最高潮に達し、続いてBiSHにとっての「nerve」の後継的な楽曲「ぴらぴろ」でライブはさらに加熱。リングサイドでは次々に押し寄せる観客とそれを捌くセキュリティスタッフが攻防(?)を繰り広げていたが、新メンバーを加えたばかりのBiSHもリングの四面をくまなく使って多くの観客にパフォーマンスを見せようとする姿が印象的だった。さらにステージの外側に目を移すと「BiSH 〜星が瞬く夜に〜」の終盤に上がった打ち上げ花火がライブに華を添え、さらに誕生日(9月11日)を迎えたばかりのハグ・ミィのために用意された巨大なチ◯コのオブジェがリングサイドに踊るなど、夏の魔物初登場のBiSHは最初から最後まで見どころが絶えないままでライブを終えた。

BiSHがライブの冒頭に言っていたように2015年の夏の魔物にBiSを軸にした"裏テーマ"があったのは疑いようがない。その中で元BiSのメンバーたちはそれぞれが歩み始めた現在の姿をファンや観客の前で披露し、BiSと同時代を歩んだグループやBiS解散後に登場してきたグループもそれぞれに自分たちならではのライブを見せ、それを締めくくる形でBiSHは「nerve」で答えを返した。 BiSHが歌う「nerve」を色々な人がそれぞれの立場で見届けたろうが、夏の魔物のリングで歌われる「nerve」が多くの人にとってある種のカタルシスを呼んだのは間違いないだろう。

そしてBiSHにとっても、サプライズの「nerve」、不慣れなリングのステージ、6人体制2度目のライブ…と様々なプレッシャーを跳ね返してやり切った初登場の夏の魔物は今後に向けた一つの節目となったのではないだろうか。(photo:外林健太 twitter

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