2020年4月5日(日)「ギュウ農フェス春のSP2020 無観客生配信フェス “IDOL is STILL ALIVE”」が開催された。musiciteでは、ギュウ農フェス主宰であるギュウゾウの了解を得て、ライブが行われた新木場スタジオコーストに訪問。当日の現地の様子をレポートする。(Photo by モリカワタイヘイ)
ギュウ農フェス春のSP2020無期限延期〜無観客フェス開催へ
「ギュウ農フェス春のSP」は、ギュウ農フェスが2016年から毎年春に新木場スタジオコーストを会場に開催しているスペシャルイベントだ。
初年度の開催以降、毎年その規模を拡大し、今年は初の2日間開催が予定されていたが、そんな矢先に新型コロナウイルスの世界的な大流行が起きてしまった。
これまでも前例のないチャレンジを数々こなしてきたギュウ農フェスなだけに、”強行開催もあるのでは?”という期待感もあったが、日を追うごとに深刻化していく事態を前にして、ギュウ農フェス春の SP2020は無期限の開催延期を余儀なくされた。
ところがその一週間後の3月末、ギュウ農フェスは「ギュウ農フェス春のSP2020〜無観客生配信フェス〜 “IDOL is STILL ALIVE”」を実施することを発表。総勢19組のアイドルが集ってライブが行われることとなった。
▼ 出演アイドル(出演順)
ナナランド/BLACKNAZARENE/ukka/ゑんら/とちおとめ25/めろん畑a go go/アップアップガールズ(仮)/ヤなことそっとミュート/神使轟く、激情の如く。/グーグールル/せのしすたぁ/NILKLY/sora tob sakana/まねきケチャ/カメトレ/クマリデパート/FES☆TIVE/MIGMA SHELTER/amiinA
ウイルス感染予防の徹底 -ギュウ農フェス無観客フェスの取り組み1-
たとえ無観客であってもイベントの自粛が相次いでいる中での開催となるため、当日は、出演者をはじめ、会場、運営、配信スタッフに対する感染を予防を徹底すべく、以下の対策が施された。
うがい・手洗いの徹底/一定時間ごとの会場換気/会場施設の定期的な除菌作業/楽屋利用の工夫(滞在時間の制限、共用利用の回避と退出後の除菌作業)など。
ライブ中もアイドルたちが率先してウイルスの感染予防を促す姿が見られ、神使轟く、激情の如く。は、「自己都合主義メタモルフォーゼ」のフリースタイルゾーンで、”手洗い!うがい!アルコール!除菌!”を連呼。アップアップガールズ(仮)は、ステージいっぱいにメンバーが広がった”ソーシャルディスタンス”なライブを行っていた。
無観客でも本番さながらのライブ環境を。-ギュウ農フェス無観客フェスの取り組み2-
無観客フェスの会場となったのは新木場スタジオコーストのメインステージ。本来なら観客で埋め尽くされていたはずのフロアには一面にビームライトを敷設、ステージ後方からはレーザー、さらに左右のトラスにはファンの支援によって集まったサイリウムが吊り下げられ、そして天井からはいまやギュウ農フェスを象徴する存在となったオクタゴンスピーカーが会場全体を見下ろしており、本番と遜色ないほどの環境が整えられた。
無観客でそこまでやる必要があるのか?とも思わなくもなかったが、そこには同じ演者としてステージに立つ側の気持ちが分かるギュウゾウならではのこだわりと、アイドルたちへのリスペクトが感じられた。そんな心意気に応えるべく尽力した運営関係者たちにもギュウゾウは、「予算以上のことをやっていただいてありがとうございます」と感謝の言葉を送る。
ギュウ農フェスが多くのアイドルやファンから愛される理由。その一端はこうしたところにあるのではないだろうか。
「ライブができなくてウズウズしてた」-イベント自粛中に募らせたアイドルたちの本音-
そうした様々な思いと複雑な環境の中で行われた無観客フェス。普段のライブとの勝手の違いに戸惑いを見せるアイドルもいたが、それでもカメラの向こうにいるファンに精一杯のライブを届けようとするアイドルたちの姿は一様に胸を打った。
BLACKNAZARENE、神使轟く、激情の如く。、グーグールルは、この日が初パフォーマンスの新曲を披露。ギュウゾウへの熱烈なラブコールで出演が決まったせのしすたぁは、ザ・ドリフターズのヒゲダンスを大胆に織り込んだライブでコロナ禍に倒れた志村けんに哀悼のパフォーマンスを捧げ、めろん畑a go goの中村ソゼは「またギュウ農フェスが開催できますように!!!」と叫んだ。
また、amiinAやカメトレのように活動休止や卒業などの理由で、今回が最後のギュウ農フェスとなるグループやアイドルも出演しており、そういったアイドルたちにとってもこの無観客フェスは貴重なライブだったことは間違いないだろう。
さらには、MC中に「ライブをする機会を設けていただきありがとうございます」(寺口夏花/sora tob sakana)、「ライブができなくてウズウズしてた」(楓フウカ/クマリデパート)と、ライブができる喜びを口にするアイドルも多く、これまで当たり前にあったライブがファンだけでなく、アイドルにとってもどれだけ重要なものであるかを知ることができる機会となった。
もちろん、この日の無観客ライブに出演しなかった中にも、春のSP2020のために準備を重ね、並々ならぬ気持ちを寄せていたアイドルもたくさんいたはずだ。先述した中村ソゼの叫びは、そんなギュウ農フェスを待っている多くのアイドル、そしてファンの胸の内を代弁しているようにも思えた。
「春はまた来ます!」ギュウ農フェスが戻ってくるその日まで…
全てのライブが終了した後のカーテンコールでギュウゾウは視聴者たちに「春はまた来ます!」とメッセージを残してイベントを締めくくった。
奇しくもこの日の無観客フェスが終わった2日後に日本政府から発出された緊急事態宣言に伴い、エンタメ業界やアイドルを取り巻く環境は今まで以上に厳しくなってしまったが、それだけに今回の「ギュウ農フェス春のSP2020 無観客生配信フェス “IDOL is STILL ALIVE”」は、2020年春のアイドルたちの姿を映す貴重なアーカイブとなった。
この日の無観客フェスの様子はニコニコ生放送で7月4日まで、視聴回数無制限でタイムシフト視聴が可能となっているので、ぜひそちらも見てみて欲しい。
ギュウゾウの言葉の通り、いずれまた当たり前にアイドルのイベントやライブが行われる日々の中で、ギュウ農フェスが開催されることを心から願いたい。
「ギュウ農フェス春のSP2020 無観客生配信フェス “IDOL is STILL ALIVE”」フォトギャラリー
リンク
ギュウ農フェス オフィシャルサイト http://gyunoufes.com/
ギュウ農フェス twitter https://twitter.com/gyuno_fes
ギュウ農フェス will be BACK twitter https://twitter.com/gyunoufes_SP
「ギュウ農フェス春のSP2020 無観客生配信フェス “IDOL is STILL ALIVE”」ニコニコ生放送
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv325088784