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アイドル第四編集室

アイドルの課金レースは罪なのか?

こちらは「WASSHOI!キーホルダー」を一つお買い上げの御礼として寄稿しているコラムです。一つ売れるごとに1記事ずつ更新していきます。

夏が近づくと盛況になる気がするアイドルの課金レース。その是非については度々議論になることがありますが、その課金レースについて個人的に思っていることを書いていこうと思います。まず、課金レースについて個人的に思うアリかナシかについては「自分ではもうやらないと思うけどアリ」という立場です。

「自分ではもうやらない」という表現に引っかかった方もいるかもしれませんが、かつて課金レース形式のイベントを主催したことがありました。その時のレギュレーションは…

  • 出演したい人は誰でも参加OK
  • 投票はイベント当日の現地のみで可能
  • 獲得票の少ない順にライブを行い、一番票が多かったアイドルがトリで出演
  • イベントは二部制(←参加希望者がめちゃめちゃ多かったため)

というものでした。
当日投票、当日集計、タイテもライブ時間もその場で決まる、というかなりタイトなレギュレーションにしてしまったばかりに手伝っていただいた方たちには相当な負担をかけてしまったのですが、このイベントがとんでもなく盛り上がったんです。

そして投票で得た売り上げも主催者側がちょっと引くぐらいの金額となり、後日売り上げを還元するフリーイベントを別途開催できるほどでした。

かくして課金レースの破壊力とポテンシャルを肌で感じた訳ですがやってみて一つ気付いたことは「課金レースを純粋に楽しんでいるお客さんもいた」ということです。

このイベントをやったのは2019年のことでしたが、その当時から課金レースの是非は議論されることが少なくなかったですし、事前の打ち合わせでも一緒に主催をした仲間と議論を重ね、お客さんが投じた票ができるだけ無駄にならないレギュレーションを模索しました(たとえ0票でもライブはできるようにしました)。

それでも課金レースに対するネガティブなイメージは消せないのでは??という懸念は残ったのですが、当日はアイドルさんたちが積極的に投票アピール活動をしてくれたことも手伝って、お祭りムードでいっぱいというか投票自体をイベントとして楽しんでいる雰囲気に溢れていたのを今でも覚えています。

元々課金レースに対しては否定的な意見だった僕ですが、自分で課金イベントをやったことでそれ以降は柔軟な考えができるようになったんじゃないかと思っています。ただ、それでももうやらないと思った理由は…

  • システムがシンプルな一方で成功した時に「儲かりすぎる」
  • ”死に票”が多すぎる

この2つでした。「◯◯争奪戦」とか「◯◯出演権獲得」という誰でも思いつくシステムの割にインセンティブは非常に高く、レースが加熱した時は青天井で売り上げが伸びていきます。そのことに対して良心が咎めると言ったらちょっといい子ぶりすぎな気はしますが、バランスが悪いシステムだなとは今でも思ってます。

あと、勝者だけが権利を全部持っていくという勝負の厳しさや残酷さは甘んじて受け入れないといけないケースもあるかと思いますが、ファンの熱意や思いやお金の大部分が”死に票”となってしまう課金レースのネガティブな側面は軽く受け止められませんでした。

だからこそ自分たちでやる時には…という想いでレギュレーションを考案したのは最初に書いた通りですが、あの時の一回だけのイベントだったから盛り上がったのであって、それが繰り返されたり定番化していった時に毎回同じように盛り上がるかどうかはかなり怪しいと思っています(正直、イベントの運用もめちゃめちゃ大変だったのでもうやりたくないというのも本音ですがw)。

なので上に挙げた2つのリスクを解消した上で、課金があっても参加した人の多くが楽しめるレギュレーションやシステムを思いついたらまたやるかもしれませんが、思いつきそうもないんでやらないんじゃないかなぁというのが現状です。

【昔の素材を掘り返したら当時の写真が出てきました】

イベント開催時の風景(ギュウ農フェス春のSP2019ジャイアントキリングステージ)

ジャイアントキリングステージで総合優勝しためろん畑a go go(当時)

 

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