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BiSH ハグ・ミィ脱退からの再出発。3rd全国ツアー「Less than SEX TOUR」を5人でスタート

2016年6月2日にBiSHのハグ・ミィ脱退公演として開催された渋さ知らズオーケストラとの2マンライブ。そして、6月4日にスタートしたBiSHの3rd全国ツアー「Less than SEX TOUR」初日公演。激動の3日間を過ごした”6人”と”5人”のBiSHをそれぞれレポートする。(photo by 山田秀樹)

ハグ・ミィ LAST DANCE -宇宙で一番幸せな夢を見れました-

avex traxから2016年5月4日に「DEADMAN」でメジャーデビューを果たしたBiSH。3rd全国ツアー「Less than SEX TOUR」の開催、ファイナルとなる日比谷野外音楽堂ワンマンライブの開催も決定し、上昇気流のまっただ中にいるように見えた矢先に知らされたハグ・ミィの脱退の知らせ。5月半ばの突然の発表から約2週間。別れを惜しむ時間も限られた中でやってきた6月2日の渋さ知らズオーケストラとの2マンライブ「BiSH presents 〜地底からコンニチワ〜」が、ハグ・ミィにとってのラストライブとなった。

一方、本来のイベントの主旨となっているのは、BiSHと渋さ知らズオーケストラの2マン。
最近のアイドルシーンにおいては、“アイドル x ◯◯◯◯”といった異色の組み合わせは珍しくなくなってきたが、それでもその組み合わせの中に渋さ知らズオーケストラの名前が加わることを想像できた人はどれくらいいただろうか。アイデアはあったとしても実現の可能性という点で断念されてきた(に違いない)まさかの”BiSH x 渋さ”は、アイドルシーンの歴史に新たな1ページを刻むことになるはずだ。

そんな様々な背景が入り混じった2マンライブ。先に登場した渋さ知らズオーケストラはステージに30名以上のメンバーが集結、ロックフェスで演じられる”あの”スケール感そのままのライブ&パフォーマンスが赤坂ブリッツで繰り広げられた。

2曲目(という表記が正しいかは分からないが)の「諸行でムーチョ」ではBiSHも登場してのコラボレート。ステージ上を自由気ままに動きまわるBiSHメンバーを受け止める渋さ知らズオーケストラの面々を見ているとMCで語られた”結成25年目のアイドルグループ(?)”の懐の深さはやはり一筋縄ではない。「BiSHファンに渋さを見せる」という裏テーマもあったらしい今回の2マン、BiSHファンの目にはどんな風に映っただろうか。

渋さ知らズオーケストラのライブが終わり、巨大なBiSHロゴのバックドロップ(=幕)が吊るされたステージに姿を見せたBiSHの6人は、「6人最後のBiSH!始めまーす!」のハグ・ミィの掛け声でライブをスタートした。

「どんなとげとげの道も 僕らは乗り越えていくんだし」のフレーズがいつもより強く刺さる「beautifulさ」、ハグ・ミィ作詞曲の「HUG ME」、そしてアイナ・ジ・エンドとハシヤスメ・アツコがハグ・ミィをリフトアップする「DEADMAN」とハグ・ミィのためのラストライブを繰り広げるBiSH。
ライブの序盤から見られたメンバーの思いつめた表情や目に浮かぶ涙には、いつものBiSHのライブとは異なるエモーションが溢れ、フロアを埋めたBiSHファンの大きな声援もそれを増幅させているように見えた。

ライブ中盤には、5月31日のニコ生の配信で「歌割りがない」と嘆いていた「MONSTERS」やハグ・ミィのリクエストでセットリストに加えられたという「nerve」(BiSカバー)も披露。ラストダンスのステージはさらに熱量を増していったが、それと同時にハグ・ミィ最後の瞬間は徐々に迫ってきていた。ライブの終盤、それまで溢れだしそうな思いを抑えるように歌い踊ってきたBiSHメンバーたちも遂にこらえ切れず表情を崩し、「スパーク」でハグ・ミィがメンバー一人ひとりに駆け寄る姿が象徴的な光景として描き出された。

ライブ本編を「サラバかな」で終え、場内に鳴り響くハグ・ミィコールの中を一人でステージに戻ったハグ・ミィは「自分で決めたから引き返せないけど本当に寂しい」と胸の内を語り、「私はBiSHにいたこの1年間、宇宙で一番幸せな夢を見れました。」「BiSHは永久に不滅です!」とファンに向けた最後のメッセージを締めくくった。そして6人でのラストソングとなった「ALL YOU NEED IS LOVE」では、ファンが用意したハート型の風船とピンクのサイリウムが最後の餞(はなむけ)となり、歌い終えたハグ・ミィはファンに向かって黙って頭を下げステージを後にした。

そして後に残ったセントチヒロ・チッチ、アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリンの5人が「BiSH -星が瞬く夜に-」でライブに幕を引く。
ステージ袖に立つハグ・ミィに見守られながら、5人のBiSHは新体制での「BiSH -星が瞬く夜に-」を披露。拭いようのない寂しさと喪失感の中、BiSHは別れとともに新たなストーリーに向かって歩み始めた。

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