2010年代のアイドルラップユニットの草分け的存在だったlyrical school(リリスク)が全オリジナルメンバーの卒業とともにその活動が一つの節目を迎えることになったのが、2017年2月。その後、minanとhimeに3人の新メンバーを加えた新体制として活動を再開。そのわずか7ヶ月後の12月16日には恵比寿リキッドルームでのワンマンライブを大成功に終わらせるなど、目覚ましい成長を遂げている。
今回、新旧を通じてのグループ最年少ながら抜群のラップスキルでライブの牽引役となっているhimeに単独インタビューを実施。前体制の終わりから現在にいたるまでのリリスクについて大いに語ってもらった。
“ヒップホップアイドルだからこそ”のワンマンライブを -ワンマンライブ「lyrical school one man live 2017 “TAKE ME OUT”」を振り返る-
2017年12月のリキッドルームでのワンマンライブ。大成功だったと思うんですが率直な感想を伺えますか?
himeインタビューで”ワンマンに向けての意気込みは?”って結構聞かれることが多くて、その度に言ってたのが”ワンマンだから頑張るみたいには思ってない”、というかインストアイベントとかも同じ気持ちで立ってるつもりだったので”ワンマンだけいつもより気合いを入れてやります”みたいなことはないと思ってたんですけど、やっぱりお客さんのワンマンの期待度が高くて。あと関係者の方も集まってくださるのでプレッシャーで間違えちゃいけないとか普段のライブよりも気持ち的に焦ってる部分が大きくて。終わった後は特に大きいミスもせずにメンバーもみんないい顔してたし自分の中でもやれるラインではできたかなって思いました。
リリスクさんのリキッドというと前の体制でのワンマンがとてもいいライブだった印象があるんですが、実際に始まってあれだけたくさんのお客さんを目の前にした時はいかがでしたか?
hime私も2014年のリキッドのDVDを持ってたのでワンマンの前に見てから挑んだんですよ。その時は普通にファンだったからお客さん側にいる人の気持ちを思い出して自分もステージに立とうと思ったんですけど。でもやる側の方が楽しいなって思って。あの時自分が感動した気持ちを今日は出せてるのかな?とかライブ中に思ったりして。でもお客さんもすごく楽しそうにしてたから自分もリリスクとしてちゃんとできてるのかな?とか思ったりしました。
全部で20曲やられてその内の半分くらいがもう新体制になってからの曲でしたよね。
himeそうなんです。そうなんです。
その辺りに不安はなかったんでしょうか?
hime不安というか逆に私は過去曲を一切やりたくなくて。
それは、もう昔のlyrical schoolとは違うという意識から?
hime新体制になる段階でキムさんminanさんと全部新曲でいきたいねって話をしてたんですけど、やっぱり現実的に時間が足りなかったりしてそれが叶わなかったので、リキッドでは全部新曲でいけたらいいなって私は思ってて。でもお客さんは過去の曲を聴きたい人もいるし、私たちも過去の曲はもちろん好きでやりたい気持ちもあるので振り返ってみると今回のセトリはいいセトリだったかなって思いますね。
普通アイドルのワンマンライブってまずライブをやって途中のMCで一人ひとりワンマンへの気持ちを語るみたいな流れがあるじゃないですか。
himeありますね。
それをこの間のリリスクさんのワンマンではやらなかったのがすごく新鮮だった…というかもうMCとかなくてもいいのかな?と思えてしまうぐらいだったんですが。
hime自己紹介もブレイクビーツだけかけて私が名前だけ振ってみんなに自由に喋ってもらって私が8小節ラップして次の曲振りもしちゃうみたいにしたんですけど、それも普通のアイドルだったらやらないというか”ヒップホップアイドル”だからこその差別化をどこかで図りたいと思って。ヒップホップ色を強く出せるところはどこかな?って考えた時にMCを削ってラップとかに変えちゃうっていうのが持っていきやすいかな?って。自主企画のライブでもちょこちょこそういう形でやっててお客さんの受けも良かったのでワンマンでもやれたらなって。今は振り付けも省略して結構自由に動いているし、そういうところで個性が出せてるからかしこまって喋らなくても、って。
ワンマンでは新曲も披露されましたよね。「PIZZA」とあと…
hime「GIRLS QUEST」です。
「PIZZA」がお客さんにえらくハマったみたいで。
himeですよね(笑)
初見なのにすごく盛り上がってましたがやっててどうでしたか?
hime「PIZZA」はリリスク史上一番マイクリレーが細かくつながってる曲で、最初に歌割りをもらった時にできないんじゃないか?って思ったんですよ。たぶん新体制になったばかりの頃にもらってたらホントにできなかったと思うんですけど、今はライブ中の息も合ってきたり、数ヶ月で築き上げてきたからこそできるようになった曲だと思います。もう一曲の「GIRLS QUEST」は新体制になってずっとリリスクを見てきてくれた方が新体制になってからの出来事を曲に盛り込んで作ってくれた曲だったので、歌詞を聴いて泣いちゃうお客さんも結構いて。この曲も集大成を見せる場に披露できてよかったなって。
新体制をお披露目したのが2017年5月なので7ヶ月ぐらいですよね。
hime7ヶ月か…みじか(笑)
半年ちょいであのワンマンですよ。それはすごいなと。
himeすごいですよね。…あ、新メンバーが(笑)ホントに。
点数をつけるとしたら何点ぐらいでしょう?
himeリキッドですか?そうですねぇ…リキッドは100点ですかね。でもラップは全然リハの方が良くて、あの場に飲まれたというか気持ちが昂ぶっちゃってラップがブレた部分もあって。ラップの面で見たら全然100点じゃないんですけど、あの5人で7ヶ月でやるステージと思ったら100点かな?って思いますね。