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“一人だけでも自分の歌を聴いてくれるのがとても嬉しかった…” 『あの場所で偶然』の背景になった渋谷でのエピソード

では次に歌のことについて聞かせて欲しいんですが、実はギターよりも歌の勉強の方が先だったんですよね?

片平地元に何ヶ所かあってそこに1年くらい通ってましたし、もっともっと学びたいと思って高校2年生あたりからは東京のボーカルスクールを見つけてそこに通ったり、専門学校の体験入学で無料で受講したり(笑)色々やってましたね。

片平さんは自分の声をどう自己評価をしてますか?

片平まず自分の声を”好き”とは自信を持って言えないです。中学生の頃はアヴリル・ラヴィーンとかマライア・キャリーを聴いてたんで、すごいハイトーン、高い声が出れば出るほどいい、みたいな先入観があって。当時の私は声域が狭くて全然高い声が全く出なかったんですけど、自分の低い声、ちょっとハスキーだけど甘い感じ?は武器になるのかな、って思ってました。

でも今、片平さんの歌を聴いてる人達ってハイトーンに惹かれてる人が多いと思うんですが。

片平私も憧れて憧れて、色んなボイトレに通って研究してやっと高い声を地声でスパーンと出せるようになりました。きれいなだけじゃなくて、ちょっとカラッとしてて地声で力強い高い声も出せる人は少ないのかな、って思ったんでどんどん出していこうと思ってます(笑)

今回のシングルの『小石は蹴飛ばして』なんですが、あの曲って歌い方がすごく特徴的じゃないですか。こぶしをきかせるような歌い方を要所々々に入ってて。

片平こぶしと言うかお腹からぐいっと出さないと出ない音域があったりしますね。

落ちサビの高いところから一度低く落として ♪さいこうのてんしょおおおおーん♪ って上げていくところが大好きで…。

片平(笑)ありがとうございます。

一回落とすのがかっこいいなぁと思うんですよ。そのすぐ前がすごく高いところで声を張ってるじゃないですか…これ、合ってます??

片平合ってます。合ってます(笑)

そこから落として下からグーッて上がってくるのが、すごく体にクるんですよね。

片平ホントですか?(笑)この歌は結構ノドにキてて…ずっと高いところで張り上げてバーッと駆け抜けて歌ってる感じなので、結構疲れちゃってるんですよ。

でも、ライブではよく歌ってますよね?

片平そうそう。2サビ、Bメロあたり…からノドがきつくなってきちゃって「これ以上張れない!」って思って一回休んで落ちサビに行く、みたいな(笑)

上に行ったり下がったり、ライド感とかグルーヴとか、個人的にはこのシングルの一番の聴きどころかな?って思ったりします。

片平良かった。

片平さんは、作る歌に求めてるテーマはありますか?先ほどは”若い時に歌いたいから…”と言う話がありましたが。

片平『女の子は泣かない』とか『Oh JANE』とかは女性の視点から曲を書いてましたけど、だんだんと問題提起とか…?「これはなんなんだろう?どうなんだろう?」的な感じの終わり方の曲が多くなってきちゃって。

具体的に言うと?

片平東北に津波が来るから防波堤を作ろうってことになってるじゃないですか。「壁を作るのはどうなんだろう?」みたいな。そんな感じの歌詞があったりとか。

提言とかそう言うことなんですかね?

片平あんまり良くないってことは分かってるんですけどね。でも無視できないところでもあったりするので、そう言う曲が最近は多いかなぁ…。でも『Hey boy!』って曲があるんですけど、ああいうチャラけ…てはないんですけど(笑)10代の子たちが好きそうな感じの曲もいっぱいありますね。

これまでリリースされた片平さんの曲を聴いてると実体験ベースの曲がそんなに多くないのかな?って思ったりしたんですが。特に恋愛の歌とかは。

片平曲にしようと思っても中々できないんですよね。自分のエゴが入っちゃうじゃないですか。客観的に見れなくなっちゃうんで、すごい盲目的な歌詞ができちゃうんですよね。なので映画を見て「あ!この気持ち分かる」とか。そこに自分を照らし合わせてそこから曲を作る、みたいな事が多いですね。

その中では今回のシングルの4曲目の『あの場所で偶然』は歌われてる人物が片平さんに近いのかな?と思ったんですが。

片平あの曲は珍しく実体験そのまま曲にしたものですね。18歳の時『夏の夜』を作って地元のライブハウスで演奏するようになったんですけど、同時期に路上ライブもするようになって。初めて渋谷で路上ライブした時に初めて足を止めて私の歌を聴いてくれたお客さんのことを歌った歌ですね。

渋谷のどの辺ですか?

片平渋谷のモヤイ像とかがある方ですね。西口と南口をつなぐちょっとした通路があるじゃないですか。その辺りの道でやってましたね。

その人は片平さんだってことは知ってたんですか?

片平いや、本当に通りすがりの方で、私の歌声がいいと思って立ち止まってくれて。私が地べたにあぐらで座って2〜3曲アンプも通さずにダァーって歌ってたら警備員さんに止められてしまって…。片付けてる時に「声きれいですね」って声をかけた男性がいて、最初は「誰だ?この人?」って怪しんでたんですけど(笑)。それからまた歌う場所を探しに行って…。

そのまま探しに行ったってんですか?

片平はい。「歌うところないかなぁ」ってフラフラ〜って。でも、結局いい場所が見つからなくて同じ場所に戻ってきて「もう一回ここでやろう」って思ったらまたその方が来てくださって。

「片平里菜です」って名乗ったりはしたんですか?

片平その時は全くの無名でしたけど、すごく初心に帰れると言うか、一人だけでも自分の歌を聴いてくれるのがとても嬉しかった…お客さん第一号の方です。

この曲を聴いて「俺のことだ!」って思ってる人がいるかもしれないですね。

片平どうですかねー(笑)

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