「クマたちに潰されました」-risanoのハリウッド生活-
それが16才ですよね。その子を1人で海外に送り出す親御さんもすごいと思うんですが。
risano母は本当に勇気がいったらしいです。でも、行って3日後に帰りたいと思いました(笑)もう家が全部一緒に見えるし、自分の家が分からなくなるんですよ。
そういう風景、映画とかにありますね。
risano5日目に1人で一番近い99セントストアがあってそこに買い出しに行ったんですけど帰りに3時間迷って。誰にも連絡取れないし、歩いてる人もクマに見えたんです。外国の方が。大きくて怖くて何にも喋れなくて…言葉は分かっててもいざってなると全然喋れないんですよ。でも、最後に”これはダメだ”って思って勇気を振り絞って話したら教えてくれた方がいて。怖かったですね。
学校とかレッスンとかはどうしてたんですか?
risanoバスで1時間かけて朝8時から12時半まで語学学校に行って、最初はそのまま帰って寮にいたんですけど、日本人が同じ部屋にいなかったんで不安ばっかりで。で、半年後ぐらいにやっと慣れてからダンススタジオに行けるようになりました。それもバス1本、電車2本、バス1本っていう全部で2時間かけて行ってたので、行き帰りだけで疲れちゃうって感じを繰り返してました。
日本で会ったブリトニー・スピアーズのバックダンサーの先生は?
risano自力で見つけて7ヶ月後に会いました。覚えててくれれて、そこからは”Hey Common!!”って仲間に入れてくれて。
その先生にも教えてもらってた感じなんですか?
risanoそうです。
じゃあ、ダンススタジオに通うようになってからはそれが中心の生活?
risanoそうですね。で、どんどん慣れてダンススタジオの近くに住むようになって。あっちって自転車を地下鉄とかバスに担いで乗るんですよ。私も自転車を担いでエスカレーターとか乗ったりしながらやってました。
アメリカでの生活で一番ビックリしたことはなんですか?
risano語学学校で日本人が1人だったんですよ。今思うとラッキーだったんですけど。で、この性格なのでみんなと一緒に楽しみたいんですけど喋れないから本当に静かな人だと思われてて。”She is quiet.”って言われてて。ホントはみんなと笑って喋りたいしランチも行きたいし!って感じなんですけど、3ヶ月ぐらいは1人で。ランチにも誘ってもらえずで、それが苦しくて長かったですね。あと衝撃だったのが、ダンスレッスンを受けて自信をなくしたんですよ。ホントにみんなクマだから動きがダイナミックすぎて。”自分は一番上手いぞ”って思ってたのにクマの方が上手くて。クマたちに潰されました(笑)
「私がこれになりたい」-転機となったリアーナのライブと日本へ帰国-
その環境で2年間やってみていかがでしたか?
risanoもう人生10年分ぐらいの経験になりました。本当に行ってよかったと思ったんですけど、でも前より日本が大好きになりました。日本って素晴らしいなって、あっちに長期で行ったからからこそすごく分かった。
そのままずっと居続けるというのは?
risano無理無理無理無理(笑)住めない住めない。日本が好きです。住んでた場所がハリウッドっていうのがあったので、みんな”自分が一番!”って感じだから。私は意外とピュア?なので…
ピュアって言葉あってますか?
risanoあってます(笑)
競争が好きじゃないってことですか?
risano競争は好きなんですけど、人をけなす?それがすごいんですよ。自分さえ良ければいいとか時間にルーズでドタキャン当たり前とか。それがひどすぎて人としてどうなんだ?って感じでしたね。
ということは、ある程度のところまでやったら日本に戻ろうと思ってた?
risanoはい。それはホントにすごく考えてて。ケント・モリさん(マドンナやアッシャーなどの専属ダンサーを務めた日本人ダンサー)みたいなソロダンサーを目指すか??って思ってたんですけど、その時にリアーナさんのコンサートを見たら本人がかっこよすぎて”私がこれになりたい”って夢になったんですよ。元々歌もやりたかったんですけど、”あなたにかけるお金はないから踊ってなさい”って言われてたので(笑)
そんなことを言われるんですね。
risanoホントはやりたかったんですけどやらせてくれなくて。でもリアーナさんのコンサートを見て、私がメインになりたいっていうのに変わって。だったら私は日本でまず有名になりたいって思ったんですね。だから2年半で帰ることを決めて日本で歌のトレーニングを始めました。
で、日本に帰ってきてからはオーディションを受けたりしてた?
risanoはい。人前で歌ったことがないのに最後の審査までいって1人で30分ライブオーディションとかをやったりしたんですけど…
上手くいかなかった?
risano人前で歌ったことないんだから当たり前ですよね、って。最初、私はSPEEDの(上原)多香子さんや(新垣)仁絵さんみたいなグループの中のダンサー枠だと思ってたんですけど、でも歌って踊ってをやりたくて帰ってきたはずなのにもうどうすればいいの?って感じで。その時、lyrical schoolを見つけて”これだ!”って。歌もできるし、踊れるし、ラップも未知だったけど慣れてるはずだし。アイドルには抵抗?というか興味がなかったんですけど、lyrical schoolを見た時にこんなにカッコイイ感じのアイドルいるんだなぁって思って応募させていただきました。