目立ちたい陰キャ、”アイドルよりアーティスト”、マリアボイス… -コモレビ ヒヨリの人物像を探る-
ーー今回のインタビューはメンバーさんのことをもっと良く知ることも目的なんですがヒヨリさんはどういう経歴でSOMOSOMOに辿り着いたんですか?
ヒヨリ本当に何にもないSOMOSOMOが初めてのスタートでした。一度は表に立つことをしてみたいとずっと思ってたけどなかなか踏み出せずという中でサカイさんからインスタ宛てに「新メンバー募集してるんですけど…」みたいにお誘いをいただいて。でも、それも怪しくて一ヶ月くらい無視してて。
ーー(笑)
ヒヨリでも、これを逃したら自分はやりたいって言っても何も挑戦しないんだろうなって思って。ちょっと返信してみようかな?くらいの気持ちで飛び込んだ感じでした。
ーーということはサカイさんのような人の目に届くようなことはやってた?
ヒヨリInstagramで自分の写真を載せてたのが最初ですかね。そういうことをやりたいって気持ちがあったから”載せてみようかな”みたいな感じで。本当に数枚しか載せてなかったと思うんですけど。
ーーどうして見つけられたんですかね。
ヒヨリハッシュタグをつけてたので。「黒髪」とか。サカイさんはその時色んな人を探してたと思うのでその中の一人だったんじゃないかなって。
ーーそういう人前に出る活動、例えばアイドルとかをやりたいと思ったきっかけはなんだったんですか?
ヒヨリ小さい頃から歌うのは好きで。ダンスはめちゃくちゃ下手なんですけど家の中では常に椅子とかソファの上で歌って踊ってるキャラではあって。小学生の時とかも目立ちたがり屋みたいな感じで六年生を送る会の劇の司会に立候補したり、たぶん目立ちたい人間ではあったと思います。
ーーなるほど。そのことを周りから評価されたり面白いねみたいなこと言われたことは?
ヒヨリでも自分は目立ちたがり屋のくせに恥ずかしがり屋で。そこはちょっと矛盾してて。変に前に出ようとするけど陰キャみたいな(笑)
ーーその感じだと学校生活はどうだったんですか?
ヒヨリ中学は剣道をしてたので目立つとかではなくて。
ーー強い学校だった?
ヒヨリ強くはなかったんですけどスパルタなめちゃくちゃ厳しい環境にいたので、中学は本当に真面目に剣道だけしてました。でも、高校生になった時に軽音楽部に入って文化祭で歌ったり人前に立つ経験をして。小さな世界だけどそこでちやほやされたのが楽しかったからもっとやりたくなったのがきっかけなのかな?
ーーその頃はアイドルとか見てたんですか?
ヒヨリアイドルは全然聴いてなかったんですけど、かわいい女の子を見るみたいなのは好きだったから自撮りとかを見て存在は知ってました。でもアイドルの音楽とかライブには全然興味なくて。それよりはバンドとかの方がかっこいいなって思って。
ーーアイドルを意識するようになったのはサカイさんに声をかけられてから?
ヒヨリそこからですね、
ーーそれ以降はどうでしたか?
ヒヨリ地下アイドルをただビジュアルでしか見てなかったから「地下アイドルね。ふーん」みたいに思ってた側だったんですけど、実際入ってみたらロックなアイドルもいるし、SOMOSOMOを初めて見た時もめちゃくちゃ一生懸命やってる姿に「こんなに頑張ってるんだ!」って舐めちゃいけないって思いました。具体的に言うとAKIARIMさんが最初の頃から仲良くやってきたグループなんですけど、めちゃめちゃかっこよくて!ロックで歌が上手くて「こんなグループもいるのか!?」ってすごく好きになってからアイドルへのリスペクトが生まれてました。バンドとか地下アイドルとかは関係なく音楽をやってる人たちなんだな、ステージ上で何かを見せることに一生懸命な人たちなんだなって。
ーー今のヒヨリさんにとっての理想とするアイドル像ってありますか?具体的なグループでも、”アイドルとしてのあり方”みたいなことでもいいんですが。
ヒヨリ”アイドルってよりアーティストでいたい”っていうのはめちゃくちゃあって。自分はたぶんアイドルでいたいとは思ってない、アイドルから抜け出したいってちょっと思ってるみたいな。Perfumeさんとかも元々アイドルだったんですかね?
ーーそうですね。
ヒヨリでも、今はもうアーティストっていう感じなのでそっちに行きたいみたいな。アイドルはやっぱり年齢のこと考えちゃったりするし、かわいくいることが正義みたいなことは自分の中で目指してるのとは違うと思ってて。パフォーマーとして思いを伝えることを重視してるのでアイドルというよりパフォーマーと思って欲しい。それも自分たちの努力次第なんですけど。
ーー僕にとってはアイドルもアーティストの中の一つだと思っているんですよ。バンドとか歌手とかの並びの中にアイドルもいると思っているんですが、そう考えたことはなかったですか?
ヒヨリうーん。もちろん本気でやってるグループに対してはやっぱリスペクトがあるからそう思えるんですけど、地下アイドルってしょうもないことも多いから、そういう人たちと一括りにされたくなくてパフォーマーになりたいって感じなんですかね。
ーー考え方次第では”地下アイドル”の中に入ってた方が得もあるような気がするんですが。「地下アイドルの中にいるのにこんなにすごい!本物だ!!」って思われた方がギャップも出るし、もしアーティストの枠に入ってしまうと戦わなきゃいけない相手も急に強くなって、見る人の目もめちゃめちゃ厳しくなるしって考えるとどっちがいいかっていうのは…。
ヒヨリ確かに、それはそうですね。
ーー今回、ヒヨリさんにインタビューする際にしたい話があったんですけど、リキッドでのワンマンの感想でヒヨリさんの歌を「マリアボイス」ってツイートしたの覚えてますか。
ヒヨリはい。
ーー正直に言うとこれまであまりヒヨリさんのパフォーマンスを注目して見たことがなかったんですけど、そのリキッドの時の歌声を聴いた時に”慈愛”みたいなものを感じてマリア様みたいだなって思ったんです。ヒヨリさんの中に他人に対する”慈しみ”みたいなものを持つような背景があるのかな?と思ったんですが。
ヒヨリ自分は、他人から色々言われやすいタイプだと思うんですよ。みんなからはどう映ってるか分からないんですけどこれまでの人生は割といじられキャラで、それでいい方向に進んでたこともあるんですけど内心はめっちゃ傷ついてたみたいな…。
ーー傷ついてないフリはしていたけれども…。
ヒヨリファンの人から受ける言葉とかも割とがっつり受け止めちゃう?それで落ち込んじゃってメンタル面がめちゃくちゃブレた時期があって。それでやる気というか自分の生きる気力みたいなのが一回本当に…。
ーーそれはいつ頃のことですか?前の事務所を出る頃?
ヒヨリそうです。活動休止前に全然動けないみたいな状態になっちゃったことがあって。でも、それを経験してから人の痛みを分かる人間でいたいみたいな。人の弱い部分とかダメな部分を受け入れたり愛せる人間でありたいと思うようになって。それが歌に繋がってたのかは分からないんですけど。
ーーなるほど。でもそれはヒヨリさんならではの特徴だと思いました。
ーー嬉しいです。ありがとうございます。