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「寺嶋由芙とゆふぃすとをよろしくお願いします!」寺嶋由芙がワンマンライブで刻んだアイドルシーンの新たな1ページ

奇跡の復活劇から約一年、そしてメジャーデビューへ。ソロアイドルのゆっふぃーこと寺嶋由芙が、2015年2月8日(日)に初ワンマンライブ「Yufu Terashima 1st Solo Live『#Yufu Flight』」を開催。ソールドアウト公演となった渋谷WWWで次シングルからEMI RECORDSでのメジャーデビューすることを発表した。(photo by 田中聖太郎)

 

ワンマンライブ「Yufu Terashima 1st Solo Live『#Yufu Flight』」の開催が発表されたのは2014年10月11日(土)に自主企画「#ゆっふるーむフレンズ vol.2」でのこと。ライブ会場は最大キャパ400人の渋谷WWW。

もちろんグループ時代やソロデビュー後に出演したライブやイベントではそれ以上の規模の会場にも出演してきた寺嶋由芙だが、単独出演としては過去最大規模。寺嶋由芙からワンマン開催が告げられると、ファンからは一斉に祝福の声が上がったが、「埋まる?」そんな言葉が頭に浮かんだ人も少なくなかったのではないだろうか。

しかしそんな不安に反してチケットは発売後早々にソールドアウトとなり、渋谷WWWのドアを開いた時に眼前に広がっていたのは人人人人…の光景だった。文句なしの満員埋め尽くされた中でゆふぃすと(寺嶋由芙ファンの総称)たちがライブの開始を待っていた。

場内に流れる宮城県女川町の「おながわ秋刀魚収穫祭」のテーマソング「サンマ de サンバ」が終わったのを合図に照明が暗転し、事前に呼びかけで集められたこれまでのライブやイベントでの様子が撮影されたスライドショー「ゆふぃすと写真館」からワンマンライブはスタートした。ゆふぃすとの視点で収められた寺嶋由芙の様々な表情と一年あまりを日本の各地で過ごしてきた様子はそれだけで一つのドラマと言ってもいい内容だった。

やがてスライドショーが終わり、上がっていく幕の後ろに控えていたのは、寺嶋由芙…とバンドの面々。事前の告知もそれを匂わす発言も一切なかったフルバンドをバックにした「好きがはじまる」がオープニングナンバーとなった。
嬉しいサプライズに湧くのゆふぃすとを前に、寺嶋由芙は純白のドレッシーなトップスにホットパンツの新衣装をまとって、この日から発売が始まった会場限定販売CD「好きがはじまるII」収録の新曲を次々に披露。
フロアに目を転じれば、会場を一杯のゆふぃすとたちが代わる代わるリフトされ(その中には寺嶋由芙がフリーで活動していた頃の相棒?”ちょうせい豆乳くん”も紛れ込んでいた)、ワンマンライブは序盤から大いに盛り上がった。

この日のスペシャルなバンドのメンバーが、寺嶋由芙の楽曲も多く手がけるrionosを含め全員女性だったのは、運営側からの男性ゆふぃすとへの配慮とのこと。「イケメンバンドだと、みんなが病むから!」と言う寺嶋由芙の気配りをよそにバンドメンバーの紹介で大歓声をあげる移り気なゆふぃすとたちに「もう、私引っ込んでもいいかな?」とふてくされながら釘を刺す寺嶋由芙。
初めこそ緊張からか多少声を震わせているようにも見えたが、ゆふぃすとたちとのいつもながらの丁々発止が寺嶋由芙の緊張を解いていったようで、バンド編成での最後の曲「好きがこぼれる」では、ステージ上の台に片足を乗せて歌う大胆なパフォーマンスも見せていた。

バンド編成でのライブパートを終え、寺嶋由芙とバンドメンバーがステージを中座すると、ステー上ではこれまでの活動を振り返るヒストリー映像が流され、その中には2013年12月26日の自主イベント「まじめなアイドルたちのクリスマス」で1stシングル「#ゆーふらいと」のリリースを発表した模様から、MVやジャケット撮影のオフカット映像、2014年の生誕イベントで憧れの安倍なつみからの祝福コメントに涙する姿、@JAMでのスペシャルコラボ「ユフ♬マリ」、青森ロックフェス「夏の魔物」、沖縄遠征、そして、ゆるキャラとの写真集撮影etc…が、収められていた。
フリーでの活動を経て、音楽プロデューサー加茂啓太郎の下で正式にソロ活動を始めた当初、寺嶋由芙は「去年(2013年)はみんなに会えなかったから、今年は…」と繰り返し口にしていた。そしてこの映像の中にあった2014年の目覚ましい活躍ぶりは、まさしく自らの想いを体現するものだった。

ヒストリー映像の終了後、衣装をペールグリーンのドレスに着替えてステージに再登場した寺嶋由芙は、オリコンウィークリーチャート16位を獲得したシングル「猫になりたい!」でライブを再開すると、アルコール好きゆふぃすとには耳が痛い初披露曲「お願いバッカス」、シンガーソングライターSAWAが作曲したダンサブルな「ジュリエットのパラドックス」とフレッシュな楽曲を披露。
そして2014年夏にリリースした2ndシングル「カンパニュラの憂鬱」では、昨年のROCK IN JAPAN FESでロックファンを驚かせた”日本一ゆるいサークルモッシュ”こと「ラテンサークルモッシュ」や「らいおん。ブレード」と言ったユニークなヲタ芸が次々に発生。ライブの盛り上がりやファンとの一体感も十分ありながら、そこに漂っているゆるさはある種の安心感と言えるかもしれないが、そんなほのぼのとした空気が味わえるのも寺嶋由芙のライブならではのことだろう。

その一方で、ライブ序盤で披露した新曲の「恋人だったの」やスピッツのカバー「楓」(どちらも「好きが始まるII」に収録)のようなミディアムバラードもしっかりと歌いこなし、中でもこの日歌った「80デニールの恋」(シンガーソングライターゆり花のカバー)の情感のあふれた歌いまわしは特に印象的で、歌い手としてもスキルアップしている姿も見せていた。

そしてライブの中盤を迎えたMCで、この日最初の発表として、普段から交流が深いバンドふぇのたすとのコラボレートCD「君が笑えば恋なのです」を2015年2月25日にリリースすることが告げられた。アーティストクレジット”ゆふぃたす”としてリリースされるそのCDには、ふぇのたすが寺嶋由芙のオリジナル楽曲「ぜんぜん」を、寺嶋由芙がふぇのたすのオリジナル楽曲「ヘッドホンガール」を互いにカバーしあい、さらにゆふぃたすとしての楽曲「さよならまでが恋愛です」が収録されると言う。
そしてそのMCを終えた後に「ヘッドホンガール」を初披露した。ふぇのたすのみきひこがリアレンジした”寺嶋由芙版ヘッドホンガール”は変則的なリズムパターンが印象的なミニマルなサウンドで、ふぇのたす版とは異なる新たな側面が見られた。きっとこの先の寺嶋由芙のライブでも歌われるはずなので、ふぇのたすファンの人も寺嶋由芙のライブにぜひ足を運んでみてほしい。さらに、ファッションブランド「西麻布サーカス団」の2015年春夏のイメージモデルを寺嶋由芙が務めることも発表され、3月にはコラボパーカーの販売、さらに店舗でもイベントが開催されるとのことなのでこちらも楽しみにしたい。

ライブの終盤は振りコピがいつも謎かつ異常な盛り上がりを見せる「contrast」や「みんな踊れる(笑)」と寺嶋由芙が曲中に思わず口にした「ゆる恋」、そしてタオルを回ながら全員が左右へ大移動する「ヒロインになりたい」を立て続けに披露すると会場の一体感はぐんぐん上昇し、さらにBPM190オーバーの”湧き曲”「ねらいうち」がその盛り上がりにトドメを刺した。

ひとしきり盛り上がった後の本編最後のMCで、寺嶋由芙から4thシングルをリリースすることが発表され、それを聴いた客席では万歳三唱が起こった。前述したヒストリー映像の「#ゆーふらいと」のリリース発表時も同様に万歳三唱が見られたが、寺嶋由芙現場では何かお祝いごとがあるとよく万歳が起こる。若干馬鹿馬鹿しくも、喜びと祝福したい気持ちをストレートに表したその様子は、周囲からの笑いを誘うこともあるが、これも一つの”らしさ”が表れていた瞬間だったように思う。

そして本編の最後はソロデビュー曲「#ゆーふらいと」。「大事に歌いたいので泣かさないでください!」と言うコメントもあったが、イントロが流れ始めると客席からは一斉にサイリウムを割られる”パキパキパキ”と言う音が鳴り、渋谷WWWは「#ゆーふらいと」の衣装と同じブルーに染まった。サイリウムの海を独り占めしながら歌う寺嶋由芙は、内心こみ上げるものもあったかもしれないが、笑顔で歌いきった。

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