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DOCUMENTARY OF TIF 2015 -少女たちはこの先のシーンにどう立ち向かう?-

2010年、「アイドル戦国時代の元年」と言ってもいいその年に産声を上げた「東京アイドルフェスティバル」(以下、TIF)。6回目を数えた2015年のTIFは2日間でのべ5万人以上のアイドルファンをお台場に集めた。シーン自体は成長し続けながらも飽和状態も同時に囁かれるアイドルシーン。その未来を担っていくに違いないアイドル達のTIFでの活躍をレポートする。(photo by 山田秀樹)

せのしすたぁ(8月1日 ENJOY STADIUM/8月2日 SKY STAGE)

2015年のTIFの中で注目を集めたグループは数々あるが、最も大きく名前を売ったグループの一つにせのしすたぁが挙げられるのは間違いないだろう。
そのせのしすたぁにとって、TIF出演は実に3年越しの悲願だった。2013年、当時は2人組だったせのしすたぁは一般客としてTIFを観覧。「来年は出よう!」と心に決めてお台場を後にした。その後メンバーの脱退、グループ存続の危機を乗り越えて現体制となり、今に通じる衝撃的なパフォーマンスで破竹の快進撃を重ねていた2014年。熱烈なラブコールをTIFへ送り、本人たちも”出られるはず!”と2日間のスケジュールをガラ空きにしていたにも関わらずオファーは来ず、TIFの当日はお台場から遠く離れた新宿MARZで開催されたアイドルイベントに出演していた。しかもメンバーのまおは不参加の無念さを抱えながらTIFの観覧にも来ていた。
それでも腐らなかったせのしすたぁは、その後@JAM EXPO 2014の出演オーディションを見事に勝ち抜き、横浜アリーナで初めて全国区の場でデビューすることになる。そして2015年。遂に出演オファーを受け、東京アイドルフェスティバル2015のラインナップに堂々とその名前を乗せることになった。
TIFで2度目のステージとなったENJOY STADIUMに紙袋を頭に被った”キエるマキュウ”スタイルで登場したせのしすたぁ。「戦いの合図 SenoRemix」でまおが「地蔵は許さねーからな!!」と観客まくしたてながらスタートを切る。MCでは前のステージで羽目を外しすぎ「すげぇ怒られました。次は静かな曲をやります」と反省を露わにしながら次にまおが高らかに叫んだのは「ワタシアイドル!!!!!」。せのしすたぁで1、2を争うアッパーチューンに客席はさらにヒートアップ。
「お前らジャンプはダメだからな!怒られるのは俺らなんだからな!!」と自制を促しながらの煽りに観客も大いに湧き、ライブ開始前から漂っていたピリピリした空気を絶妙に和らげていた。最後の「ラストチューン」ではヲタ芸の一つ”イェッタイガー”をステージ上のまおが大連呼、昂ぶったあまりステージ上ででんぐり返しをする謎のパフォーマンスも飛び出し、カオスな盛り上がりを見せたまませのしすたぁはライブを終えた。
2日目のスカイステージでも前日同様の盛り上がりを見せたせのしすたぁだったが、客席前方への圧縮が強いケチャパートでも「押すなよ!」と柵を支えるスタッフに気を遣い、「(昨日は)スタッフさんが誰も目を合わせてくれなかった。今日は”良かったよ”って笑顔で言ってもらえるようなライブをしたい」と投げかける。そして極めつけだったのが「(TIFに)出してくれたフジテレビにケチャ!!」と湾岸スタジオの屋上から背後にあるフジテレビ本社ビルへせのしすたぁと観客もろともでケチャを送っていたシーン。それはTIFへの3年越しの思いがあったからこそできたパフォーマンスかもしれないが、まおが繰り出す煽りの数々に運営スタッフからも笑いが度々起きていたのはとても印象的だった。
今年のTIFはファンの盛り上げと観覧ルールとの摩擦について語られることが多い年だった。その観点からするとせのしすたぁは常にイエローカードが出されているようなものなのだが、せのしすたぁはどんな状況下にあっても与えられたステージに立つことに前向きであり続ける。ルールを守り、観客も盛り上げ、その上で自分たちのスタイルも失わない。むしろ厳しい制約があったことが、せのしすたぁの魅力やライブへの真摯な姿勢が浮き彫りにした今年のTIFだったのかもしれない。

リンク
せのしすたぁ オフィシャルサイト http://senosister.com/

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