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lyrical school(リリスク)インタビュー。STUDIO COASTワンマンとその先の未来

アルバム「WORLD’S END」のリリースと、それに伴う全国ツアーを展開し、そのファイナルとして現在の体制では最大規模となる新木場STUDIO COASTでのワンマン・ライヴを成功させたlyrical school。キャリアとして新しいページを展開するに相応しい充実のライヴを見せた彼女たちは、そのワンマンをどう振り返るのだろうか。そして2018年11月7日(水)に校庭カメラガールドライとも共演するイベント「GK NITE」を控えるリリスクの心境とは。(interview by 高木”JET”晋一郎)

“5人の気持ちがひとつになった瞬間” -ツアーファイナル新木場STUDIO COASTワンマンを振り返る-

STUDIO COASTでのライヴ、お疲れ様でした。本当に充実のライヴになったと思いますが、振り返っての手応えは?

yuu平日だし、STUDIO COAST っていう大きな会場だったから、本当に埋まるのかがスゴく心配だったんですよ。でも、いざステージに出た瞬間、後ろまでお客さんがいっぱいで、その光景が本当に嬉しくて”ヤバい!”って。でもここで飲まれちゃダメだ、泣いちゃダメだって自分を奮い立たせたんだけど、中盤で披露した”シャープペンシル”ぐらいまで、めっちゃ緊張してましたね。でも、気付いたらあっという間に終わっちゃってて、ファイナルっていうのもあって、スゴく感慨深い気持ちでもあったし「まだ歌いたい!終わりたくない!」って。あと、minanちゃんがステージに出る前の円陣で、ひとりひとりに声を掛けてくれたんですよ。

それはどんな言葉?

minanえ!?あの~、表に出せなかったり、スゴくエモいことを言ったとかって訳じゃないけど、まあ、それは秘密にしておきます(笑)

risanoでも、また聴いたら感動して泣いちゃうかも。それぐらい嬉しい言葉だった。

minanやっぱりみんな緊張してるかなと思って。

himeめっちゃ緊張してたよね、みんな。

hinako楽屋でもみんなそわそわしてて。

risanoもう心臓が飛び出そうだった。

yuu落ち着かなかったよね。

risanoプロデューサーのキムさんが一番緊張してて。

hinako「緊張するわ~」って座ったり立ったりしてて。

minan誰よりも早くお弁当を食べて(笑)

himeあの日はminanさんも「私も緊張してる」って言ってて。

yuu言ってた!

hime普段はそんなこと言わないから、スゴく珍しいなと思ったし、それでもみんなに声を掛けてくれるminanさんってホントに強いなって。それで背筋がシャキッとしましたね。

hinakominanちゃんの「大丈夫だから」は誰よりも説得力があるんですよ。他の誰に言われるよりも、minanちゃんの「大丈夫」はデカい。

minanそう言った私が初っ端に間違えてますけどね(笑)

risano立ち位置でしょ?

minanそう。真っ先に間違えて「やっちまったぁ~」って(笑)

hinako「あれ、minanちゃん近くね?」って(笑)

risanoでも、それで「あ、間違えてもいいんだ!」って緊張が解れたよね(笑)

わざと間違えてみんなの緊張を解したminanさんの優しさだと思いましょう。

minanそうそう。そういう作戦です(笑)

ではhimeさんはいかがでしたか?

hime手応えはめっちゃありました。あの日はすぐ撤収しなくちゃいけなかったから、あんまりお客さんと話せなかったんですけど、それでも沢山の笑顔だったり、スタッフの充実した顔を見て、みんな楽しんでくれたんだなっていうのは伝わってきたし、そこで今日は成功だったんだって思えて。反応で嬉しかったのは「クルー感がめっちゃ出てた」って言ってもらえた時。KANDYTOWNとかBAD HOP、SIMILABのライブを見ると、クルーだから見せられるライヴ性を感じるし、それを5人組の自分たちでも出したいと思ってたから、そういうクルー感を感じてもらえたならスゴく嬉しいし、今後の動きにもそれは反映できるかなって。

次の一手を感じることができたというか。

himeツアー・ファイナルだから、このツアーの集大成を見せることも大事だけど、「その先」を見せることは、もっと大事だと思うんですよね。そうじゃないと、その先を誰も楽しみにしてもらえないと思って。だから、新しい部分が見せられたとしたら、それはスゴく手応えに繋がるなって。

hinakoさんはいかがでしたか?

hinakoん~……リズムに乗れてた!

そうじゃないと困るよ(笑)

hinakoよく”リズムの取り方がおかしい”って、言われてたから、いろんな人にリズムの取り方を教えてもらって、自分でもリズムの取り方を意識して変えたんですよ。リズムを1拍ずつオンでとると可愛く、倍速とか細かくとると格好良くなるっていうことに気づいて、そういう風にバリエーションがつけられるようになったし、音を良く聴きながらライブに集中できて。それで、ライヴ終わった時にみんな笑顔で、拍手も大きかったから成功だと思いました。でも、ホントに撤収が早かったから、衣装から着替える暇もなくて、車の中で着替えたんですよ!さっきまでステージに立ってたのに(笑)

それまでスターだったはずが。

hinako5人でメッチャ狭い思いして着替えました(笑)。でも楽しかったです。

それは良かった(笑)。ではminanさん。

minan手応えって言われると……いつも通りですかね。

minanさんはライブの感想を訊くと、あまり自分からは「やったった!」的な事は言いませんよね。

minanそういう手応えって、こっちが思う事じゃなくて、お客さんや見てくれた人が感じてくれた事を通して、認識する事だと思うんですよね。うちらがスゴく良くできたと思っても、お客さんにとっては普通のライブかも知れないし、逆にちょっとイマイチだったかなってライヴでも、お客さんにはスゴく良いライブだって感じてもらえたり。だから、ライブの出来不出来っていうのは、私たちが思う事ではないのかなって。

hinakoすげ~。

ライヴという観衆がいるシステムだから、その観客の反応によって、自己認識するというか。

minanそうかも知れないですね。でも、今回で言えば、5人の気持ちがひとつになったって感じる瞬間が何度もあったんですよね。それが私的にはスゴくグッときて。

それは具体的には?

minan一つは”シャープペンシル”のパートですね。あの曲は後奏が長いんですけど、一番最後の部分で、全員が「シャープペンシル」ってラップして、曲をまとめたんですよ。でもその部分は全く打ち合わせも、リハでも決めていなくて。

hime最後の音が消えるタイミングですよね。

minanそうそう。そこでみんな同じラップをしたから、みんなの気持ちが自然に揃ったんだって、スゴくグッと来たし、全国ツアーの中でライヴを磨き上げてきたのは、この瞬間のためだったのかなって思うぐらい、スゴく感動したんですよね。

グループとしての意識が、無意識下でシンクロしたという事にも通じますね。

minanそういう部分が今回の新木場はスゴく強かったと思うし、今の体制で一年半活動してきて、生まれた事だったのかなって。

なるほど。ではrisanoさん。

risano絶対成功させたいっていう思いが強すぎて、ツアーで全国を回って、練習もたくさんしたから、成功するのは分かってたんだけど、いざとなると、楽しみと緊張で、すごくそわそわしちゃって。こう見えて、メンバーで一番緊張しいなんですよ。

yuuめっちゃ緊張するよね。

risanoだから大事って言われるイベントほど緊張しちゃって、今まで100%の自分を出した切れたことは正直なかったと思うんですね。成功したとは思っても、100%だったかってと言われるとちょっと……って。でも、今回は超楽しめたし、100%の自分が出し切れたと思いますね。

今回それができたのは?

risanoセット・リストの完成が早かったっていうのがあると思います。

ハハハ。運営に猛省を促さければ(笑)

risano先に準備しておきたいタイプなんですよ。

himerisanoは準備好きだよね(笑)

risanoホントホント。セトリが早めに決まってたから、決まった日から新木場で披露する30曲を、リストを見ないで歌えるぐらい練習してに体に染み込ませてたし、この曲ではこういうアプローチをしたいなとか、そういうイメージトレーニングができてたんですよね。そういう余裕もあったから、予定と違うことが起きても、驚かないで楽しめて。それに、ステージがとにかく広いから、色んなパフォーマンスができたのも、とにかく楽しくライヴができた理由でもあって。

そのセトリには、minanソロ、hinako/yuuコラボ、hime/risanoコラボという、普段とは違う構成でのパフォーマンスもありましたね。登場順に訊くと、まずはminanさんはソロで”baby blue”を披露されました。

minanまだそんなに反応が訊けてないんで、どうだったのかな…って。でも、歌は歌いたいなと思ってたので、それができたのも嬉しかったし、ラップの歌詞は自分の親友に向けて書いた内容で、スゴく自分の個人的な部分が反映されてるんですけど、それが形にできて、親友にも喜んでもらえたのはスゴく嬉しかったですね。

「ソロ」という形はいかがでしたか?

minanいろんなアプローチの一つの形として、ソロがあるんだろうなと思うし、ソロだったりコラボだったり、色んな形で曲を作れれば、リリスクの動きを広げる事ができるのかなって。

hinakoあのソロを見て、minanちゃんみたいになりたい!って思いましたね。立ってるだけでオーラがあるし、歌はスゴいし、ラップは格好いいし。ああいう風になりたい!って憧れましたね、数十年かかるかもしれないけど(笑)

hinako/yuu組は、普段のリリスクとは全く違う、ザ・アイドル的な”ブランニューガール”を披露しましたね。

hinakoお客さんも目が点になってて。

yuuその反応も面白かったし、歌ってて楽しかった~。

hinakoザ・アイドルみたいな曲もずっとやってみたかったし、ここで失敗したら次はもうこういう事をやらせてもらえなくなる……と思ったから、絶対失敗できない!ってめっちゃ練習して。

himeリリスクの他の曲よりも練習してたんじゃない?こんな練習するんだ!って思ったもん(笑)

yuu二人で電話しながら練習したりしたもんね。「一緒に歌おう!」って。

hinako一日一回は踊ってたし。授業中とか(笑)

minan全部の曲をそれくらいやってくれ~(笑)でも本番が最高の出来だったよ。

hinako&

yuuやった!

そして、hime/risano組は“I SHOT YA”を披露しましたが、これはLL COOL Jにも同名曲があるように、ゴリゴリのハード・ラップ曲で。hinako/yuu組のような可愛らしいアイドル曲を羨ましいとかは思わなかった?

risano全然!

全然…(笑)

risano私達はそういうのは大丈夫ですって(笑)。でもゴリゴリのラップをやると、厳しく見られるだろうなっていう緊張はあったし、だからこそちゃんと仕上げないとなって。

それは「ラップ・アイドル」だからこそのプレッシャーですね。

himeminanさんは超きれいでパフォーマンスも完璧、hinakoとyuuも超可愛かったから、最後に私達が出て、ガチガチのラップをやるのに、そこで失敗したら、これまでの流れが台無しになっちゃうって。そういうプレッシャーはスゴくありましたね。

でも二人ともスゴくタイトなラップを聴かせましたね。

risano良かった!。ありがとうございます、ラップ師匠(hime)のお陰です。

himeちょっと!ラップ師匠って表で言わないでよ!私が言わせてるみたいになるじゃん。risanoが勝手に言ってるだけですから(笑)

risano今回はラップの練習はしたけど、ステージングの練習はしてないんですよ。

hime動きは完全にフリー・スタイルだもんね。参考にしたのはBAD HOPのライブで、risanoにライブの映像を見せて「この時のYZERRとT-PABLOWみたいな感じでいくから」って(笑)

2WINのステージングが参考だったと(笑)

himeゆるふわギャングも、NENEとRYUGO ISHIDAがフリーに動くんだけど、時々、途中で見つめ合ったりするんですよね。そういう動きはバラバラなんだけど、気持ちが通じ合ってるように感じるパフォーマンスにしたくて。今回のパフォーマンスではそれはできたと思うし、そういうパートナーに恵まれて本当に嬉しかったですね。

 

「ラップ・アイドル界のSMAPさんみたいになりたい!」-STUDIO COASTを追えたリリスクのこれからは…-

今回のライヴを経て見えた「これからのリリスク」はありますか?

himeどんなステージにも似合う存在になりたいって思いました。私達のいまの目標は、日比谷野音でのワンマンなんですけど、今回のステージングはSTUDIO COASTのようなステージでは良いけど、野音のようなステージでは、ちょっと違うのかなって。だから、どんなステージにもフィットさせられるステージングがしたいし、どんな会場にも似合うことのできるグループになりたい。それが今回のツアーを終えて見えた目標ですね。

risano今回のツアー、特にSTUDIO COASTの評判が良かったから、それを聞いて遊びに来てくれる人も増えると思うんですね。だから、いつも見に来てくれる人も、これから見に来てくれる人にも、常に「良かったよ」って思ってもらえるライヴがしたい。STUDIO COASTでの満足感をどのライヴでも味わってもらいたいし、そのために自分たちも色んなライヴを見たり、音楽を知ったりして、もっと勉強したいって思いましたね。

yuuラジオ(FMおだわら「アイドル放送局」)で、「ライヴを見た帰りの電車でもう次のチケットを取って、その次のライヴでも、帰りにチケットを取った」っていうメールを頂いたんですね。そういう風に「リリスク中毒」じゃないけど(笑)、夢中になってくれる人をもっともっと増やしたいですね。この1年半の中で、5人の中で自分はどんなアピールができるんだろう、って悩んだ時期もあったんですけど、このツアーとファイナルを通して、自分の魅せ方だったり、パフォーマンスに自信を持つことができたし、「5人でステージに立つこと」にも、自信が持てたんですよね。その気持ちをしっかり持って活動したいですね。

hinakoやっぱり自信が無くなる時があるんですよ。私だったら、ラップもできんし、ダンスもできんし……足を引っ張らんようにしないとな、って思う時もあって。でも、これからは足を引っ張る心配じゃなくて、もっと貢献できるようになりたいって思いました。自分の得意分野をもっとアピールして、グループに貢献できるようになりたいなって。

それは例えば。

hinakoSNSとか、アップする画像の加工とか。

minanそう!みんなで写真を撮った時、自分だけキレイに加工せんで!

hinakoごめ~ん(笑)

こすい!(笑)

hinakoだって可愛く見せたいもん!

minan正しい。だからみんなの分もキレイにして(笑)でも、hinakoの言ったことに繋がると思うんですけど、個人での活動をもっと伸ばしていきたいですね。グループでできる事もあるけど、それぞれソロだったり個人の活動を増やすことで、明確になることも多いと思うんですよね。それによって広がりを生むことができればいいなって。

risanoグループでもいいし、個人でも動ける……だから、ラップ・アイドル界のSMAPさんみたいになりたい!

himeいいじゃん。

yuuそれぐらい目指したいよね。

risanoいずれ世界も目指したい!

 

「いいライヴをしたい」は、負けたくないじゃなくて、対バンするグループへのリスペクト -GK NITEへ向けて-

そして11月7日に行われる「GK NIGHT」では校庭カメラガールドライと対バンされます。

hime対バンで一緒になるのは初めてなんですよね。

15年9月にリリースされたコンピレーションCD「G.I.R.L.S RAP」のイヴェントで、最初期の校庭カメラガールと、前体制のリリスクという組み合わせはあったけど、対バンでは無かったですね。

minanだから、どんなステージになるのかがスゴく楽しみですね。ラップ・アイドル同士だけど、やってる事は全然違うと思うから。

risanoうん。今回はどんな本番になるのか、本当に楽しみ。コウテカさんがどんなステージをするかで、私たちもそこに反応したライヴをしたい 。

hime対バンの時とかって、お客さんに「絶対に勝とう!」とか言われたりするんですけど、あんまりそういう感覚がないんですよね。対バンで「いいライヴをしたい」っていうのは、負けたくないじゃなくて、対バンするグループへのリスペクトの気持ちなんですよ。だから一緒にいいライヴを見せて、みんな優勝!みたいなイベントにできたらなって。見せて頂くライブで吸収することもスゴく多いと思うし、この貴重な機会を大事にしたいですね。

そして12月と1月には、両A面のニューシングルがリリースされますね。

minan12月には「パジャマパーティー / シャープペンシル feat. SUSHIBOYS」 、1月には「Tokyo Burning / Cookin’ feat. Young Hastle」 がリリースされます。

hime今回のSTUDIO COASTは、開場からスタートまでの1時間のBGMを、私が決めたんですね。その最後の曲はSALUさんの”IN MY LIFE”のオリジナルかリミックスに迷ったんだけど、PESさんが参加したリミックスの方にしたんですね。そうしたら、新曲の発表でPESさんの参加を聞いて、「これは運命じゃ!」って。そういう運命も感じて欲しいですね(笑)

 


GK NITE(ジーケーナイト)
2018年11月7日(水)OPEN 18:30/START 19:30
渋谷 SOUND MUSEUM VISION
チケット:前売り 3500円/当日 4000円(+1d:600円)
チケット販売:2018年9月22日(土)10:00〜
イープラス http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002273652P0030001
【訂正】プレイガイドおよびチケットのイベント開始時間の記載に誤りがありました。
(誤)19:00 開演
(正)19:30 開演
上記、記載通り開演は19:30からとなります。お詫びして訂正いたします。

▼ 出演者
lyrical school/校庭カメラガールドライ/彼女のサーブ&レシーブ/WB
主催:MUSIC INISIGHT


ダブルA面シングル第一弾
パジャマパーティー / シャープペンシル feat. SUSHIBOYS
2018年12月25日リリース
BRTW-1062/1,000円+税
▼ 収録曲
1.パジャマパーティー
作詞:大久保潤也(アナ) 作曲:上田修平
編曲:上田修平・大久保潤也(アナ)
2.シャープペンシル feat. SUSHIBOYS
作詞:SUSHIBOYS 作編曲:タイプライター
他 inst2曲収録予定
ダブルA面シングル第二弾
Tokyo Burning / Cookin’ feat. Young Hastle
2019年1月22日リリース
BRTW-1063/1,000円+税
▼ 収録曲
1.Tokyo Burning
作詞:PES 作編曲:PES
2.Cookin’ feat. Young Hastle
作詞:Young Hastle,SUEKKO LIONS© 作編曲:ZOT on the WAVE
他 inst2曲収録予定

リンク
lyrical school オフィシャルサイト http://lyricalschool.com/
lyrical school 公式twitter https://twitter.com/lyri_sch

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