IDOL CROSSING

2022年8月5日(金)から7日(日)にかけて開催されたTIF2022。新型コロナウイルス蔓延の影響で2020年は開催が中止、2021年は東京オリンピックと時期が重なったため秋開催となったため、お台場に真夏のTIFが帰ってきたのは3年ぶり。

終了後の公式発表によると3日間の来場者が3万人、配信の利用者が2.5万人。合計5.5万人が世界最大のアイドルの祭典を楽しんだ訳だが、アイドルたちのライブの様子を伝える前に、コロナ禍が収まらない中で3年ぶりの通常開催となったTIFの全体像についてレポートしたいと思う。

今年のTIF、例年とは会場のレイアウトが異なっており、まずTIF名物の一つだった”ガンダム前広場”こと「FESTIVAL STAGE」と、フジテレビ社屋内にあった「ふじさんのヨコステージ」がなくなり、フジテレビ前広場にあった「DREAM STAGE」は青海臨時駐車場O地区へ移動(&拡大)。以前、DOLL FACTORYと並んでいた屋内会場のENJOY STADIUMが青海臨時駐車場P地区で復活することとなった。

ステージ数の増減だけでいうと、ふじさんのヨコステージの一つ分だけ減った形になりますが、元々ふじさんのヨコステージが密を避けづらい会場であったことや、ふじさんのヨコステージと以前のDREAM STAGEはフジテレビ本社屋側までの移動を強いられたことを考えると、来場者にとってはコンパクトで移動がしやすいTIFになった印象。

また物販とグリーティングエリアも青海臨時駐車場内にあり、DREAM STAGEとENJOY STADIUMに挟まれるように配置。TIFの会場全体がZepp DiverCityエリアと湾岸スタジオエリアの2つに大きく分けられていたことも観覧のしやすさには寄与していたように思う。

まさかの初体験!涼しいTIF!

TIFといえば炎天下の中で汗だくになりながらライブを見るのが当たり前の景色だったが、今年は3日間を通じて終日ほぼ曇天模様。晴れ間は3日目に少し覗いた程度で常に風も吹いていて、今まで体験したことがないくらいの涼しいTIFだった。

そのせいもあってフル活用はされていなかったが、SMILE GARDEN他の屋外ステージの後方や側面には日除けのテントが並んでいたり、HOT STAGEの外にできた待機列の来場者にスタッフが飲み物を配るなど熱中症対策が随所に施されていた。この後に書く感染症対策も含め観覧時における事前のリスク対応が細かく行き届いていた。

レイアウトや人の導線設計から見えてくるTIFの感染症対策

中止になった2020年、規模を縮小して開催した2021年。その2年をはるかに超える感染状況の中で開催された2022年のTIF。

マスクの着用や手指消毒、体温検査といった基本的な対策はもちろんのこと、今年のTIFは会場あるいはイベント全体の設計段階からの感染対策が施されているように見受けられた。

TIFは元来、ステージ間を移動する際にオープンスペース(一般の人との路上共有がある)を利用するため、来場者の広範囲の移動はあまり好ましくなく、先述した今年のステージのレイアウトは人の往来を極力制限した形になっていた。
加えて、各ステージへの出入口も入り口と出口が別々に設置されていて、基本的に入場者と退場者のすれ違いが起こらず、これによって対面者からの飛沫が避けられるだけでなく、入退場の混雑も緩和されているように見えた。

プレススタッフは毎日抗原検査を実施

我々のようなプレススタッフは取材の都合で頻繁な移動、イレギュラーな移動をすることが避けられないケースがあり、そうした行動への最大限の考慮(配慮)として、取材に訪れる全ての人には受付前に毎日抗原検査を受けることが課された。そこでの陰性結果が出て初めてプレスは取材行動ができるようになる(幸い私は3日とも陰性反応でした)。また出演者への対応までは把握できなかったが、抗原検査と同等かそれとは別の検査(PCR検査?)が行われていたはずだ。

もちろん、この検査があれば100%安全、となる訳ではないがイベント運営側からの「ここまでの対策を行います。」と明確な提示は、取材する側にとっても安心材料であり、イベント運営に対する信頼材料になったのは間違いない。

こうして3日間開催されたTOKYO IDOL FESTIVAL 2022。次ページ以降ではmusiciteが注目したアイドルたちのライブの様子をお届けしたい。

衛星とカラテア、Mirror,Mirror、かすみ草とステラ、fishbowl、きのホ。…TIF初出場組の大活躍!

3年ぶりの本格開催となったTIF2022。今年は初出場組のフレッシュかつ堂々たるライブがよく目立った。2021年デビュー組の衛星とカラテア、fishbowl、きのホ。。Mirror,Mirrorに至っては2022年1月が活動開始、わずか半年あまりのキャリアで見事にTIFの出演枠を手に入れたことになる。

そんなフレッシュな面々に共通して見られたのは、初出場を疑いたくなるぐらいの堂々としたパフォーマンス。TIFの大舞台に物怖じする様子もなく日頃のライブで鍛えられた成果を遺憾なく発揮していた。

Mirror,Mirror

2022年1月に活動を開始した6人組アイドルMirror,Mirrorは、初日の8月5日に出演。当初は2ステージだけの出演予定だったが、キャンセルになったグループの代役としてさらに1ステージを追加され、初出場のグループとしてはラッキーな3ステージのライブを行った。

中でも特に印象的だったのは最後のSKY STAGEでのライブ。「流星」「スパークリングフライト」「セスナ」というライブでもキラーチューンの3曲を披露。太陽の薄明かりが残る中でのライブはとても幻想的でMirror,Mirrorの名前を印象づけるのにふさわしいステージとなった。

衛星とカラテア

TIF3日目の夕方、DREAM STAGEに登場した衛星とカラテア。このライブはTIFとDDDのコラボステージとして3組が選出。その中の1組として衛星とカラテアがステージに立つことになった。

開始直前にメンバーたちの「おー!!」という掛け声がDREAM STAGEに響き渡る。衛星とカラテアにとって初めてのTIFはこの1回限りのステージだった。純白の衣装に身を包んだ5人は大勢の観客を前に若干緊張した面持ちだったが、ライブが始まればその緊張を吹き飛ばすようなパフォーマンスで来場者を魅了。「Stardust Story」「Hello World」「ヒーロー」というフェスならではのアッパーな3曲は衛星とカラテアの魅力を見せつけるのに十分なライブだった。

かすみ草とステラ

6人組グループのかすみ草とステラも今回が初めてのTIF。ENJOY STADIUMでのライブは「青春」の二文字を15分に凝縮したようなライブ。最後に披露した「青より青く」では、曲中に流れる打ち上げ花火のサウンドがENJOY STADIUMの空にも響き渡り、それを見守ったファン、そしてかすみ草とステラのメンバーにとってもかけがえのない夏の思い出になったに違いない。

fishbowl

静岡出身の4人組fishbowlは3日目に出演。fishbowlにとって初めてのTIFは午前中、午後、夜と3回のライブで一日中を駆け抜ける形となった。

太陽のように鮮やかなオレンジの衣装でTIFの初ステージとなるENJOY STADIUMに立ったfishbowlは「熱波」を含む文字通りの熱いライブを披露し、夜は夜で星空にこそ恵まれなかったものの”お台場あたりで一番星が綺麗に見える”SKY STAGEで「観察」を披露。その光景はTIF最終日の終わりを惜しむ少しだけセンチメンタルな気分にさせるライブだった。

きのホ。

「桃源京」を筆者が個人的な大のお気に入りなきのホ。。DREAM STAGEでの「桃源京」があまりにも素晴らしくSKY STAGEでのライブも鑑賞。

振り袖(浴衣?)を模した衣装、扇子を使ったパフォーマンス、言葉には言い表しづらいワチャワチャバタバタしたステージングを見るにつけ、「こんなにも”祭り(フェス)”と相性がいいグループだったのか!」と感心。今後も各地で活躍する姿が目に浮かぶようなきのホ。のTIFのステージだった。

リンワン、SANDAL TELEPHONE、アプガ(仮)、NUANCE。次のメインステージを担うグループも群雄割拠

コロナ禍においてもライブ活動の手を緩めることなくライブを重ねてきたグループがじわじわ頭角を表してきた2022年。TIF2022においても次世代の主役となるべきアイドルたちの洗練されたパフォーマンスが存在感を発揮していた。そんな実力派ライブアイドルたちのステージを紹介する。

Ringwanderung

「本当にTIF初出場?」と疑いたくなるぐらいに貫禄のあるライブを見せつけていたのがRingwanderung。メインステージ争奪戦こそタイトル未定に譲ったものの、その他のステージでの堂々たるパフォーマンスに注目したアイドルファンは少なくなかっただろう。

初日と3日目に出演したRingwanderungはどのステージでもダンサブルな楽曲とストイックに削ぎ落とされたステージングで観客を魅了。その一方で最後のSKY STAGEでメンバーたちが見せていた晴れやかな笑顔からは今年のTIFを思う存分にやり切ったという満足感が見ているこちらにも伝わってきた。

SANDAL TELEPHONE

2019年から3度目のTIF出演となるSANDAL TELEPHONE。より大人っぽさを感じさせるようになった3人は2日目の8月6日に登場。ENJOY STADIUMでのライブでは「コーリング」「Step by Step」「Magic All Night」と定番キラーチューンでTIFに集まったファンにごあいさつ。

そしてSKY STAGEへ場所を移した2本目のライブでは私服衣装でファンの前に姿を表した。眩しいぐらいに爽やかな出で立ちにファンも大喜びの様子。夏空にベストマッチな「真夏の匂い」のほか、新曲のダンスナンバー「恋の魔法使い(マジシャン)にはなれない」を披露して観客たちを大いに盛り上げた。

アップアップガールズ(仮)

TIFにおいてはレギュラーグループ?という存在でいながら今年もフレッシュなステージを見せてくれたアップアップガールズ(仮)。新体制でのTIFは去年に続いて2度目となるがオリジナルメンバーの関根梓は不在。それでも持ち前のエネルギッシュなライブは変わらない。

初日の8月5日は午前中からSMILE GARDEN、午後はSKY STAGEでライブを行い、ライブの前後も各種企画やTGIF、コラボステージなどにメンバーたちは飛び回っていた。

そしてアプガ(仮)にとって今年のラストステージとなったのは2日目のDOLL FACTORYでのトリのライブ。「アッパーカット!」で始まったライブはアプガ(仮)にとっての今年のTIF総決算を思わせるパフォーマンス。ステージ上からほとばしる溢れんばかりの熱量に集まったファンも即座に反応。有終と大盛りあがりなライブでの2022年のTIFを打ち上げた。

NUANCE

TIFには2021年に続いて2回目の出演となるNUANCE。昨年は台風の直撃で出演予定日の1日が中止になるという不運に見舞われたが今年は予定通りの8月6日と7日に出演し、4つのステージでライブを披露した。

2022年4月から5人体制に刷新し、新体制で初のTIFに臨んだNUANCEだったがそんなプレッシャーは一切感じさせず、1本目のENJOY STADIUMでは5人体制での最初のオリジナル曲「きみのてのひら」から2020年のTIFをスタートすると、圧巻のライブを見せたのがその日の夜のSKY STAGE。

最後に披露した「sky balloon」ではフジテレビ湾岸スタジオの屋上いっぱいに集まった観客たちがNUANCEと一緒に大きな風船を模した振りでTIFでしか味わえないお台場の夜の空間を共有していた。

翌日のDREAM STAGEでも前日の盛り上がりを追体験すべく多くのファンが集まり、最後のDOLL FACTORYでもカメラワークも秀逸なスタジオライブでTIFの2日間を締めくった。

初出演からメインステージへ!タイトル未定が辿ったTIF2022の軌跡

 

「今年のTIFで見つかったグループは?」と質問されて多くの人が返答するのが北海道からやってきたタイトル未定ではないだろうか。それぐらい今年のTIFでのタイトル未定の活躍ぶりは目覚ましいものだった。

快進撃が始まったのは初日のDREAM STAGEから。北海道の夏をそのままお台場に運んできたようなライブはファンならず心を打ったに違いない。その勢いはそのままSMILE GARDENでも再現されていた。そして夕方のメインステージ争奪戦の決勝戦を見事に勝利を収め、北海道出身のアイドルとしては初となるHOT STAGEでのライブを手にした。

そしてTIF最終日の8月7日にHOT STAGEでのライブを成功させたタイトル未定だったが、タイトル未定がTIFに残した軌跡はこのHOT STAGE後が本番だったかもしれない。

夕方のENJOY STADIUMでのライブ。予定通り3曲を歌い終え、メンバーの締めのMC中にステージの運営から「一曲目の「鼓動」が機材トラブルで配信できていなかったのでもう一回やってください」というアナウンスが…。

数多くのアイドルが出演するTIFでは非常にタイトなタイムテーブルにならざるを得ないのは周知の事実。そのTIFのライブで予定外の曲が披露できるのはほぼ起こり得ない出来事。理由が機材トラブルによるものとは言え、そのアナウンスを聞いた瞬間ファンもタイトル未定のメンバーも大喜び。アクシデントさえも味方につけてしまうタイトル未定の強運。「これはタイトル未定に何かが起きてる」という感覚を持った人も少なくないはずだ。

そして、タイトル未定にとって今年のTIFのラストステージになるSKY STAGEでのライブ。例年TIFでは夕方から夜にかけてSKY STAGEは後の語り草になるライブが数々生み出されているが、その限られたプライムな時間にタイムテーブルを割り当てられた数少ないグループの中の一つがタイトル未定だった。

しかもそれまでのタイトル未定のステージでライブの定番曲のはずの曲が一曲だけ披露されていなかったことに多くのファンは気づいていたはず。その曲のタイトルは「薄明光線」。曲名の由来となっている薄明光線は太陽の光が作り出す自然現象の一つ。その稀有な現象は見ている人の心を打つ光景ですが、夕刻のSKY STAGEの空に浮かぶ薄暮の中、この場所この時間のために用意していたとばかりに「薄明光線」を披露するタイトル未定。

終日厚い雲が空に漂っていた今年のTIFの3日間の中で、SKY STAGEのその時間に限って雲は薄く、夕焼けが遠くの空に浮かんでいました。そんなタイトル未定のために用意されたような中で披露された「薄明光線」は今年のTIFをを象徴するかような光景で、それを見ていた多くのファンの心にもTIFで見せたタイトル未定の奇跡、「薄明光線」の奇跡を感じていたのではないだろうか。

「今年のTIFはタイトル未定のTIFだった」

そう言っておかしくないタイトル未定の活躍。これからの活動がますます気になるところだ。

アイドルシーンは次の10年へ。TIF2022の成功がもたらした確かな一歩

度々繰り返すことになるが、2020年から始まったコロナ禍の2年半あまりはエンタメ業界に多大な悪影響を及ぼした。アイドルシーンもその例に漏れず大きな停滞を強いられることになり、(理由はコロナ禍だけには限らないが)いくつかのグループは活動休止や解散の道を選ぶことになった。

こうした逆風はアイドルシーン全体の衰退すらも反映しているように思えたが、今年のTIFはその印象を変えるのに十分な3日間だった。取材を通じて見てきたアイドルたちは全てこのコロナ禍をサバイブしてきたグループがばかりで、初出場組においては2020年以降のコロナ禍が始まってからにデビューしたアイドルがほとんどだ。

また、かつては若手グループとして多くのステージを盛り上げてきたTask have FunやDevil ANTHEM.といったグループは、今やTIFのメインステージであるHOT STAGEの中核を担う存在に成長しており、このレポートで紹介したグループのいくつかは次のTIFの主役となるべくTIFが終わった今も各々のパフォーマンスに磨きをかけている。

かつてのようにファンからの声援を得られないライブのスタイルとなってから2年半あまり。むしろそれが当たり前の状況の中で育ってきたアイドルたちのライブをTIFで目の当たりにして感じたのは、コロナ禍以前は一部のグループにしか備わっていなかったステージ上での自信や存在感、そしてそのパフォーマンスだけで見る側を満足させられる”ライブの力”だった。

もしかしたらコロナ禍がもたらしたライブにおける感染対策は、アイドルにとって純粋なライブ力を高めていく訓練場として機能していたのかもしれない。

”この先の状況がどうなるかは分からない”というフレーズはここ2年の間に何度言葉にしてきたか分からないが、今年のTIFを見る限りアイドルシーンは新しい10年に向けて力強い一歩を踏み出したと言っていい。そのことはここまでレポートしたアイドルたちのライブの素晴らしさだけに留まらず、冒頭に記したTIFというイベント自体のオーガナイズや運営体制からもうかがうことができた。

(実は)日本屈指の都市型音楽イベントであるTIFが、過去最悪の感染状況下においても成功を残したことは音楽エンタメにとっても決して小さなニュースではない。今年の成功を糧に、この先のTIFとアイドルがどんな未来のシーンを築いていくのか…。そんな期待感が最後に残ったTOKYO IDOL FESTIVAL 2022だった。


リンク
TOKYO IDOL FESTIVAL 2022 オフィシャルサイト https://official.idolfes.com/s/tif2022/?ima=3344
TIP&TIF 公式twitter https://twitter.com/TIP_TIF_staff
TIP&TIF オフィシャルサイト https://official.idolfes.com/

Devil ANTHEM.ってこんなグループ「ナンダッテ」

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