”今、一番アイドルっぽいアイドルは誰か?”と聞かれたらまずは名前を挙げておきたい二丁目の魁カミングアウト(ex. 二丁ハロ)。「ゲイでもアイドルになれる」をコンセプトに6年前に活動をスタートさせた二丁ハロ(当時)は、苦節と変遷を乗り越えて2017年5月1日に開催された渋谷WWWでのワンマンライブ「二丁ハロ FINAL LIVE × 二丁魁 FIRST LIVE」を見事にソールドアウト。涙と笑いと大声援に包まれたライブを経て、二丁ハロは”研修期間”を終え、グループ名も二丁目の魁カミングアウトに改名。活動を本格化させる第一歩を踏み出した。そんな二丁魁(にちょがけ)のメンバー、ミキティー本物、ぺいにゃむにゃむ、きまるモッコリ、白鳥白鳥(しらとりはくちょう)の4人に話を聞き、二丁魁のこれまでとこれから、そしてアイドルへの真摯な思いと自らが追い求める理想のアイドル像を語ってもらった。
オリジナルメンバー・ミキティー本物が語る”二丁ハロ研修期間の6年”
二丁ハロさんのライブを初めて見た頃なんですが、当時はショーパブ?のステージがそのまま出てきたような印象があって、あまりピンと来ていなかったんですが、2016年の宇都宮のギュウ農フェスでのライブを見たらものすごく変わってて。
ミキティー本物(以下、ミキティー)えー、嬉しい。
なんでこんなにかっこよくなったんだろう?何が変わったんだろう?と思ってたんですが、何かきっかけやタイミングがあったんでしょうか?
ミキティー元々、私たちはアップアップガールズ(仮)とのテレビの企画で、その時に一回テレビ番組に出るために作ったユニットだったんですけど、そのステージに立ってみて”ちゃんとやってみようかな?”と思ったところから始まったんですよ。それで、”ゲイでもアイドルになれる”ってコンセプトでゲイアイドルを作っていこうっていうのがあったんですけど、当時ゲイで売れてる人ってマツコさんのコラムニストとか、KABA.ちゃんの振り付けとか、肩書きがあって初めて成立してるなって思ったんですよ。でも、私たちは何もなかったんで、私は最初にBiSに振付師ってウソをついて…
あれ、ウソだったんですか?(笑)
ミキティーやったことないんだけど”振付師です。いつかお願いします”って声をかけて、メジャーデビューの時にカップリングの振り付けをやらせてもらったんです。そこからやっと肩書きみたいなものがついてきたんですけど、最初は肩書きやBiSを使って知名度を広げていくことに必死で、ゲイアイドルとして自分が何を歌いたいとか、どういうものを歌ったら周りに響くかとかが全く分からない状態で、そういう中で曲を作って歌ったりするのがすごく嫌で。だからその時は自分たちが好きなハロプロとかをコピーしてゲイアイドルを作ったんです。一応その間を”研修期間”って呼んでたんですけど、その期間に基礎的なダンスとかステージに立つパフォーマンスを学びながら自分たちのやりたいことを探してました。それがBiSが解散とともに次は歌を歌うことにしたんですけど、まだ自分たちが何を歌ったらいいのか?っていうのが見えてなかったんでBiSの解散と同時に振り付けやらせてもらった縁もあるので「nerve」を歌わせてもらいました。その後、アイドルイベントに出させてもらうきっかけになったのがBiSが解散した年の@JAMの「出れんの!?@JAM!?」ってオーディション企画で、そこから色んなイベントから声がかかったりする内に徐々に自分たちの歌いたい曲とかやりたいパフォーマンスとか、逆にやりたくないこととかも見えてきて。やっぱり他人の曲とかで盛り上がっても、それこそ二丁目でやってるショーを持ってきたステージでしかなくて。オカマ口調でハチャメチャに盛り上げて…っていうステージを作ってパーッと去っていった時に徐々に悔しさみたいなものが出てきたんですよ。
僕も昔は二丁ハロさんをイロモノみたいに見てたところはありました。
ミキティーイロモノはイロモノでもよかったんですけど、そこに自分の芯となるものが出せてないのが悔しくて。そういう経験をしていく中で自分のやりたい曲とか歌いたい音楽性がやっと見えてきたのがちょうど2年前ぐらい。そこから自分が曲を書いて欲しいなって人にお願いしたり、自分で歌詞を書いてみようと思ったり。その頃もBiSの曲も歌わせてもらってたんですけど、去年の後半ぐらいからカバー曲をやらなくなったんです。でも、今も「nerve」には感謝してて。あの曲があったからステージに立てて、自分たちのやりたいことが見つかったんで。悔しい思いもしたけどすごく大事な期間ですね。
そこまで来る6年ぐらいの間にはメンバーの変遷もありましたが、一番辛かった時期はいつ頃だったんでしょう?
ミキティー辛かった時期だらけですけど、そもそも最初に組んだ5人のほとんどががっつりアイドル活動をしていくってことを望んでなかったというか。私がやってみせるって言っても誰も”そんなの無理でしょ”って言う子やゲイアイドルって言ってるにも関わらず人前に立つのが苦手なメンバーが多かったんです。ただ、私も”じゃあ、サヨナラ”っていうタイプじゃないんで、そのバランスを取りながら活動してくるのが一番大変だったかも。
ただ、その百恵さんは今も楽曲制作の部分で関わっていますよね。
ミキティー百恵ちゃんは最初から長くアイドルをやっていきたいタイプではなかったんですけど、二丁ハロのこともメンバーのことも大好きで仲も良かったんですよ。だから辞めるのを決めた時に今までやってきたことが全部なくなって生きていくのは無理って思ったみたいで。私たちに内緒で曲を作る勉強をしていて…。
そうなんですね。
ミキティー昔学校に行ってたらしいんですけどもう一回独学で勉強し直して、辞める話をされた時に”曲作ったから”って渡されたのが「青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ」なんです。何もなくなってしまうのは嫌だから、関わっていきたいから曲を作る勉強をしたって…それは本当に嬉しかった。それまでは私もずっと引き止めてたんですけど曲を渡された時には一切引き止めなかった。それぐらいの熱意というか、辞めたい気持ちと関わっていきたいって気持ちがその曲にすごく込められてる気がして。
サクライケンタさんや色んな方が曲を書かれてるんですが、二丁ハロさんのオリジナル楽曲というと百恵さんの曲の印象が強いですよね。
ミキティーやっぱり私たちのことや方向性も分かって書いてくれるからドンピシャな曲がくるんですよね。ワンマンで発表した「まるもうけ」って曲とかも”一曲目に披露する曲が欲しい”って言ったら今までと全然違う明るい系統の曲を書いてくれたんですけど、そういうのもウチらのことを知ってるからピッタリの曲を書いてきてくれますね。
”思っていることは一緒” -ミキティー本物が歌詞に込めた思い、伝えたいメッセージ-
あとミキティーさんの歌詞がすごく好きなんですよ。
ミキティー歌詞褒められるの超嬉しい。
お手本にしてるものや書く時に気をつけてることとかあるんでしょうか?本をよく読むとか、文章を書くのが好きだったとか…。
ミキティー私、本とかは一切読めなくて。文だけのやつとか気持ち悪くなっちゃうんですよ。コミックとかもそんなに読まないし。でも、ホントに作文は昔からすっごい得意で、小学校の時コンクールで10個以上賞を獲った。
ぺいにゃむにゃむ(以下、ぺいにゃむ)すごーい。
ミキティーそういうのは得意だったんですけど、作詞家の方みたいに上手い言い回しみたいなことはしたくなくて。例えば一見矛盾してそうな歌詞もあるんですけど、でも私自身が矛盾してるからそのまま書いちゃうんですよ。あと全部がきれいに完成されてなくてもいいのかな?っていうのもあって。だから仮で書いた歌詞が採用されることがほとんどで、後で直そうとかまとめようとか思うんですけどその時書いちゃったものが結局本当に言いたいことなんだって後から分かったり。だからあんまり時間もかけることはなくて曲ができたら15分ぐらいで書くかな。
それって曲をもらう前から”こういうことについて書きたいな”って題材やテーマがあるってことですか?
ミキティーそれがあって曲を発注する場合もあれば曲が来てから歌詞を考えることもあるけど、次に書くテーマと書きたい内容とかをメモに書いてたりしてます。次に披露する曲のがアイドルを辞めた子の歌なんですけど、最近訳も分からずアイドルが辞めちゃうことって多いじゃないですか。理由も分からずに憶測が飛び交ったりすることにモヤモヤっとした気持ちがあったんでそういうのを歌にしようかなってテーマに書いた歌なんですけど…。テーマを先に決めちゃうことが多いかな。
ミキティーさんの歌詞って日常で使われてる言葉を使って書かれているのがすごくいいなと思ってるんですが、あれで歌詞を書くのって逆に難しいことだと思うので言葉に対して敏感な人なんだろうなって思ってたんですよ。
ミキティー嬉しい。たぶん難しい言葉が分からないからだと思う。ホントに漢字とか読めないし苦手なんですよ。
他の人に歌詞を書いてみることって考えたことありますか?
ミキティーそれも何回か言われたことはあったんですけど、私たちが逆に他の人に書いてもらわないのって、自分たちの言葉で伝えないと意味がないからなのかな?って思ってるからで。例えば私が他の人に頼まれて、その子をプロデュースできるぐらい身近な存在とか仲がよかったら書くことはあると思うんですけど、会ったこともない人から”書いて下さい”って言われても私はその子のことが分からないから何を書いたらいいか分からないんですよ。それだとその子が歌う意味がないなと思うのでお断りしてますね。振り付けもそうで、最近お断りすることが多いんです。振り付けを通して出会ったのに、すぐにメンバーが減ったりすると自分が削られていくような気がして一時期病んじゃったんですよ。こういう活動って”夢のかたまり”だと思ってるのでそういう出会いにしたくなくて。だから振り付けも自分が信用していて、もしその子たちがアイドルを辞めても今後の人生に持っていってくれるって信じられる人しかやらないって決めていて。歌詞もそれぐらいの気持ちになれる人じゃないと書こうとは思わないかな。
二丁魁さんはゲイアイドルとして活動されてますけど、歌詞の内容はゲイじゃない人でもが共感できるようなこと多いように思うんですが。
ミキティーゲイってテレビとかに出ているオネェの方々とまた違う人種なんですよ。男としてただ男性が好きなだけっていうのがゲイなんですよ。だからそこにはもちろん百恵ちゃんみたいにすごく地味な子もいれば口が達者な人もいるしノンケの世界と思ってることとか中身はあまり変わらないので、私は歌を通して普通のノンケの方とかと思ってる事とか感じてることは一緒なんだよっていうのを伝えたくて…。初めはゲイっぽい面白いことも歌おうと思ってた時期もあったんですけど、自分たちのキャラを決めて演じていくのはやめることにして素直に書いてます。
”キャラクターを要求しなくなって…” -二期メンバー・ぺいにゃむにゃむが開花させた”等身大の自分”-
では、次にぺいにゃむさんのお話しを聞かせてもらえますか。
ぺいにゃむはい。
僕はライブの写真撮影をすることもあるんですがぺいにゃむさんがライブをしている時の表情がすごく好きなんですよ。
ぺいにゃむホントですか!?ありがとうございます。
あんなに楽しそうにライブをやってるアイドルって女の子でもあまり見たことないです。
ぺいにゃむ特に意識したことはないですけど…その時の感情がバッと出ちゃうだけなんで。
ライブ写真撮りたいなと思う人の中で一番かもしれません。
ぺいにゃむ嬉しいです。そんなこと言われたことなかった。
ミキティー最近、神懸かってるよね。パフォーマンスが。
きまるモッコリ(以下、きまる)本当にカッコいいしかわいい。
今こうやってお話しを聞かせてもらってたり、MCしてる時の表情とライブで歌ってる時の表情が全然違うんですよ。”アイドルオーラ”が出てます。
ぺいにゃむ今まではダンスをきっちりやらなきゃっていう感じだったのが歌を歌って感情を届けられるってことが大きいのかな。
ミキティーさんから見てぺいにゃむさんの昔からの変化はありますか。
ミキティーありますあります。今言ってたように振りコピって忠実に振りをやんなきゃいけないじゃないですか。だから決まった動きしかできないんですけど、今は自由にやっていいところがあるので、その時に自分の感情がすごく出てるのが分かる。ただ振付師として見ると本当に自分の気持ちが出てる分、ちょっとマイナスな日はいつもよりやっぱり弱いんです。イベントでもそんなに人がいない日は…
ぺいにゃむ(笑)
ミキティー昔はステージに出ていってもお客さんが全然いなくて、私たちに中指立てたりする人もいたんですよ。そういう時とかは今みたいにできなかったよね。私たちって本当に泥水をすすってた時代を駆け抜けてきたから、今の対バンとかでウチらのファンが30〜50人とか来てくれる状況っていうのが奇跡に近いというか、6年間ぐらい夢見てた状況なんですよ。そういう状況を前にして感謝というか嬉しい気持ちが出てるのが私から見ててもすごく分かる。
ぺいにゃむあと楽曲もいいものを歌ってると思ってるし、いい歌詞だと思ってるし、いい振り付けだと思ってるんで自信を持ってやってるのがパフォーマンスに出てるのかな。
ファンが多くなってきたのはいつ頃からなんでしょうか?
ミキティーたぶんきまるくん(きまるモッコリ)が入ってきたタイミングが一番大きくて。長い期間ぺいちゃんと私と百恵ちゃんの3人でやってきたんですけど、誰から見てもかわいいっていうタイプの人が二丁ハロにはいなくて。でも、きまるくんが入ってきた時に”二丁ハロってガチで応援していいんだ”っていう空気感が生まれたのが分かったよね。それプラス楽曲も改めて聴いたら”ふざけてないんだ”っていうのが分かってきて…。で、ココ(白鳥白鳥)でトドメを刺したよね。きまるくんは”希望担当”なんですけど、本当に希望だった。
二丁ハロさんのライブを見ていて、歌う時の声色と地声の使い分けが昔は違和感に聴こえたところもあったんですが今は自然に聞こえるんです。その辺りを意識したことってありますか?
ぺいにゃむ声色ですか?曲の中で変えることはあるんですけど…
ミキティー元々、私がプロデューサーとして、”ぺいにゃむにゃむでぇーす(声色)”っていうキャラをお願いしていて。歌も”そのキャラで歌って”って言ってたんですけど、オリジナル曲を歌い始めるようになってから自分たちに偽りなく歌って欲しいっていう路線に変わったんです。
ぺいにゃむオリジナル楽曲も増えて変わってきましたね。等身大のスタイル。
ミキティーキャラクターを要求してたんですけど、それをやめて自分らしくできるようになったから歌が聴きやすくなったんだと思う。
あと、ワンマンのMCでみんなが泣いてた後にぺいにゃむさんの一言で瞬間的に笑いの空気に変えられるのがすごいなと思って見てました。
ぺいにゃむ照れ隠しっていうのもありますよ。基本ふざけてる人なので。いい話でも最後は笑いに変えたいなって。
”ノンケの人がみんな…” -三期メンバー・きまるモッコリが二丁ハロに与えた変化とインパクト-
では、次にきまるさん。お話しきかせてもらってよいでしょうか。
きまるはい。心配ですが…。
今回、二丁魁さんにインタビューさせてもらおうと思ったきっかけとしてはきまるさんの存在を知ったのが大きかったんですよ。
きまるありがとうございます。
僕は普通に女性が好きな人で男性に対して”何か”を感じることはなかったんですが、きまるさんのビジュアルを見た時に”アレ??”って思ったんですよ。
ミキティーみんな言うね!
ぺいにゃむみんないいます。
きまるさんは男性でゲイなんだろうなって認識もあるんですが、それとは違う何かを感じたんですよ。オカマの方で女性みたいにきれいな顔をした方もいるじゃないですか。そういうのともまた違って…。
ミキティーみんな言うけど私たちはゲイだからそれが何なのか分かんないもんね。でも、ノンケの人はみんなきまるくんはちょっと違うって言う。
そういったことを言われたことってありませんか?
きまるゲイではあったんですけど、二丁ハロに加入するまで全然ゲイ活動をしてなくて…。
誰にも言ってなかったってことですか?
きまる家族とかには言っていたんですけどコミュニケーションを色んな方ととる人間ではなかったので…あまり言われてこなかったです。
そもそも人から何か言われることが少なかった?
きまる少なかったです…はい。
ということはゲイのお友達もいなかったんですか?
きまる全然いなくて知り合いが1人とか…その友達しかいないです。
そんなきまるさんが、なぜ人に見られるような活動をしようとか、二丁ハロに入ろうと思ったんでしょう?
きまるBiSさんとかベルハーさんがすごく好きでライブとかに行ってて、”アイドルになりたいな”って思ってたんですけど、男性アイドルよりはBiSさんベルハーさんに憧れてて。私ゲイだしどうしよう?って思ってたら「nerve」をやってる二丁ハロさんを見つけて”え!?やりたい!しかもゲイなんだ!”って。自分の中でやりたいこととメンバーみんながゲイっていう環境の良さが見つけられて応募しました。
みなさんから見てきまるさんはどんな風に見えましたか。
ミキティーきまるくんとは初めて会った瞬間にこの子は入るだろうなって思って面接からそのままライブ会場に連れて行っていったんですけど、その時のライブが史上最低のO-EASTでお客さん4人っていうイベントで…
ええっ!?
ミキティー私たちがトリだったんですけど出番の時に物販が始まるっていうシステムで。ウチらもまだ全然人気なかったからお客さん4人しかいなくて、スカスカどころかスタッフの方が多い状態で。そのライブを見て、それでも”やりたい”って言ってくれたので”やろう”ってことになりました。
きまるさんはそのお客さん4人のライブはどんな風に見えたんですか?
きまる楽しかったです。「nerve」とかやってて、たのしーって思ってました。
言い方は大げさかもしれないですが、きまるさんが二丁ハロに入ったのはかつてのモーニング娘。に後藤真希が加入した時とか、でんぱ組.incにもがちゃん(最上もが)が入った時ぐらいのインパクトがありました。
ミキティーホントにそうだと思う。
きまるありがとうございます。
ミキティーパフォーマンスは後藤真希じゃないけどね。
きまるそうですね。へっぽこなので(笑)
活動を始めていかがですか?見てる側からやる側になってからは。
きまる最初は二丁ハロの自分として活動してるって気持ちだけだったんですけど、ライブをしていく内におなカマ(←二丁目の魁カミングアウトファンの総称)のみんなが増えていって、来てくれて見てくれてることに対してもっと自分も良くならなきゃいけないって向上心が生まれてきました。どんどん二丁魁を良くしていきたいし、自分ももっとパフォーマンスを磨いていきたいって、すごくどんどんプラスになっていって。今すごく幸せです。はい。
”アイドルじゃなくて二丁ハロになりたい” -四期メンバー・白鳥白鳥の覚悟-
では、最後に白鳥さん。
白鳥白鳥(以下、白鳥)はい。
ミキティー邪魔しなきゃ!
(笑)お披露目のワンマンライブの時も白鳥さんは他のメンバーからたくさんいじられてましたね。
ミキティーキャラクターが見た目と違って面白いの。普通に人と接するだけじゃその面白さって絶対分からないんですけど、長く一緒にいればネタの塊だから…でもそれはあまり出さないでって言ってるんですけど。
白鳥さんが二丁ハロを知ったきっかけを教えてもらえますか。
白鳥振りコピをしてた時も見たことがあったんですけど、その時はミキちゃんとかはBiSさんの振り付けをしてたころだったので、”あ、ミキティー本物さんだ”って感じでした。でも振りコピをするゲイの人って多かったので、最初はその中の一組って印象ではありました。
その頃は入りたいという感じではなかった?
白鳥なかったですね。
芸能活動的なことをやりたい気持ちはあったんでしょうか?
白鳥それは小さい頃からあって。モーニング娘。さんが流行ってたので”アイドルになりたいな”とは思ってたんですけど、やっぱり自分はゲイと言うよりは男性なのでアイドルにはなれないんだな、とは思ってました。
その後、二丁魁のオーディションを受けようと思ったきっかけはなんだったんでしょう?
白鳥応募した時には居ても立ってもいられないぐらいなりたい気持ちが大きくなってて。その頃の二丁ハロはオリジナル曲も始めていて、3人のパフォーマンスがカッコいいなって思ったし自分の思うアイドル像にすごく近くて。ゲイで男性でもこういう風にアイドルって名乗っていいんだなっていうところがすごくカッコいいなって思いました。
他の3人から見て白鳥さんはどんな印象でしたか?
ミキティー最初はきまるくんと同じオーディションだったんですけど、その時と全然キャラクターが違うんですよ。服装とか髪型とかメイクとか何もかも。この子が受かったきっかけは一度落ちたけど何回も諦めなかったことなんです。大阪出身なんですけど二丁ハロにまだ受かってないのに…というか、きまるくんが受かったのに東京に引っ越してきてちょこちょこ会いに来てくれて、”自分がなんで落ちたのか?”っていうのを聞くので、そのたびに私は、そのメイク、その服装、その髪型、そのキャラ…って全部言っていったら一つずつ全部クリアしていったんですよ。私はその時「それって自分のやりたいことと違うんじゃないの?」って言ったんですけど、”アイドルはプロデューサーありきで、プロデューサーがやりたいことを実現するものだと思ってる。自分はアイドルになりたいんじゃなくて二丁ハロになりたいから、ミキティーさんがプロデューサーならミキティーさんのやりたいと思うことをやりたい”ってはっきり言ってくれて。その時に”この子は必要だな”と思って。ホントにこういう人が4人目として欲しかったんですよ。
ぺいにゃむホントに。すぐ変わりました。言ったらすぐ。
ミキティー一瞬だよね。
ぺいにゃむそこに覚悟を感じたっていうか。
ミキティー本当にすごい覚悟だなっていうのを感じて。だから踊りとか見てないもんね。最初はそこに行く前に落としたんで。それで受かって踊ってみたら…ビックリみたいな。
どっちのビックリですか?
ミキティーヤバすぎて(笑)
(笑)
ミキティーでも、やっぱりアイドルになりたかった人だから成長もすごく早くて。だってまだ入って一ヶ月経ってないんだよ?ステージもまだ5〜6回目とかじゃん。でも超うまくなったよね。
きまるすごいです。ホントに。
ミキティー私たちも結構いじって”脱退すんだよね”みたいな話もするんですけど、いなくなったら無理だもんね。精神的にいてくれるのがすごく大きい…ってあんまり言いたくないけど(笑)
ぺいにゃむあんまりそうは見られないんですけど、私たちも明るいとか強い方ではないのでいてくれると基盤があるというか。
ミキティーきまるくんはあんまり気にしないんだけど、私たちは過去のトラウマがあるから人が少なかったりするとちょっと怖いんだけど、そういうのを全然気にしないで”よし頑張ろう!”って引っ張ってくれる部分もあるんで。新メンバーだけどいてくれると気持ち的に安心するかな。
ぺいにゃむ折れない翼って感じ。
ミキティーいいこと言うね。
白鳥さん、ベタ褒めですが。
白鳥ありがたいです。
ミキティーメンバーはホントに仲がいいし。みんな目指してるところがホントに一緒だから一切揉めないもんね。私が怒るぐらいで。
ぺいにゃむホントに揉めない。
ミキティー私たちって年功序列がすごくはっきりしてて。普通に仲はいいんですけど、すごく厳しいんですよ。普通のアイドルとは比較にならないぐらい決まり事も多くて。例えば”二丁目に行っちゃダメ”とか、”人前でお酒飲んじゃダメ”とか、”アイドルとの連絡先交換はもちろんダメ”とか。50個ぐらい決まりがあって、それを結成当初からずっと守ってやってるんで。
白鳥さんは二丁魁に入ってみていかがでしたか?
白鳥まだ一ヶ月経ってないぐらいなんですけど、ずっとアイドルになりたかったんで今がこれまでの人生の中で一番楽しい毎日を過ごしてます。決まり事が多いのもゾクゾクしました。
ぺいにゃむゾクゾク?(笑)
M的なことですか?
白鳥本当にアイドルをやってるんだなって。
なるほど。でも、そこまでアイドルになりたくて自分の全部を注ごうと思ってる人って珍しいかもしれないですよね。
ミキティーそうだよね。私たち本当にプライベートなんてないもんね。今年とか遊んだ?っていうぐらい。でもそれが嫌なんじゃなくて。私たちは空いてる時間を全部二丁魁に使いたいぐらい今は全部使っていて。二丁魁のことを考えない瞬間ないよね。
きまるずっとここにある(頭に手を置きながら)
二丁魁さんは今、世にいるアイドルグループの中で一番アイドルらしいアイドルだと思ってますよ。
ミキティーうれじぃー。超嬉しい。ホントに嬉しい。
この間の渋谷WWWでのワンマンライブを見た時に思ったんですけど、ライブが始まる前にお客さんたちのワクワクした空気が伝わってくるんですよ。ああいう空気って最近のアイドル現場で感じたことなくて。
ミキティーウチらのファンが本当にいい人すぎて、誰一人ヤバい人がいないもんね。だから私たちも会いたいもんね。
一同会いたい。
ミキティーこの間、10日ぐらいライブが空いたんですけど会えなくて悲しくなった。
きまる苦しかった。辛い。
”カミングアウト”に込めた意味。そして二丁魁が追い求めるアイドル像とは?
では、二丁魁さんのこれからについて聞かせて欲しいんですが、改名した名前に”魁”や”カミングアウト”っていう言葉を入れた理由は?
ミキティー“二丁目”は私たちが育った場所というかゲイが集まる街で、”魁”は”先駆け”とかけてるんですよ。だから二丁目から先駆けて新しい形としてゲイアイドルとして自分たちのことを世間に”カミングアウト”していこうっていうが意味が込められてます。
「言いたいことも言えないこんな世の中じゃん」という曲を作ったのもそれと絡んでるんでしょうか?
ミキティーそうですね。あの曲は元々歌う予定はなかったんですけど、ちょうどファンが増えてきたタイミングだったので自信を持って歌えるかな?と思って歌った歌です。私たちのファンにゲイがいないからあの歌に共感できるかが分からなくて。歌っていいのかも分からなかったんですよ。ただ、私たちが今までどういう風にカミングアウトをしてきて、その時どう思ったか、どういう経験をしたかっていうのを知りたいってファンの人がすごく増えてきたから、やっと自分のことをゲイっていう部分を歌にできたなって。
それまではそういうことをやるのに抵抗があった?
ミキティー怖かった。”なんでお前らのそんな話聞かなきゃいけないんだよ!”って感じになるんじゃないのかな?っていうのが。
ウチのスタッフに女の子が一人いるんですけど、その子が昔自分が好きだった男の人が実はゲイで、告白したんだけど受け入れてもらえなかったんだけど、それが分かってから今は友達になってるって…。
ミキティー二番の歌詞だね。
そうなんです。あの歌詞まんまの話を聞いたので”実際にそんな話あるんだ!?”って。
ミキティー超リアルだもんね。あの歌詞。
ぺいにゃむ一番から三番までの歌詞それぞれに当てはまる人がいるよね。男友達だったり、女友達だったり、親だったり…。
ミキティーでも、あの歌詞の内容はいい方の結末で、実際は”気持ち悪い”って言われたり、親に泣かれたりすることも全然あると思うから、私たちは恵まれててあの歌が歌えてるんだなって。自分たちの恵まれた状況への感謝も見直せる曲でもありますね。
「言いたいことも言えないこんな世の中じゃん」では身近な人たちにカミングアウトしていく話を歌われてるんですけど、これから先はそれをより外側の人たちに伝えていくことが二丁魁が色んな人たちに知られていくためのステップなんじゃないかと思うんですが。
ミキティーそうですね。私たちは名前の通りゲイアイドルを”カミングアウト”していくのがコンセプトなんですけど、でもそこには歌や歌詞を通して”ゲイも普通の人なんだよ”っていうことを伝えたいのが一番で。最初は”ゲイでもアイドルになれる”って、ゲイが少しでも生きやすい世の中を…ということを思ってたんですけど、今はそんな大きいことが言ってられないぐらい目の前のことを一つ一つこなしていかなきゃいけなくて。だからあんまりゲイのシーンがどうのこうのとか、自分たちがゲイだからとか、そいういう大きいことってのはまだずっと先なんだなって考えてます。今はまずゲイアイドルの”アイドル”っていう部分に対して色々変えていきたいなと思ってこの一年ぐらいは活動していこうかなって。
他のメンバーさんはどんな風に思ってますか?
ぺいにゃむまさにその通りだと思います。普通の人なんだよって。世に出てるオネェの方はイメージがちょっと強すぎたりするんですけど、それを変えようとかじゃなくて自分たちの等身大で進んでいって、ゲイもただの人間なんだよっていうのを知っていってもらいたいです。
LGBTとか外国の人とか価値観が違うとされてる人たちに対する向き合い方って、いわゆる”ストレート”とか”普通”と言われる人たちの方こそ歩み寄ったていかなきゃいけない時代になると思ってるんです。そうなった時に二丁魁さんみたいな人たちの活動は理解の助けになると思うので、今回のインタビューもそういうきっかけになったら…と思ってオファーさせていただきました。
ミキティー嬉しい。でも、私たち自信がLGBT的な活動をしている人たちじゃないから自然とそういう風になっていってくれたらいいよね。そこに関して声を大にして訴えかけることは一生やらないだろうし。私たちの歌を通して自然に周りがゲイっていう人たちもいるって自然と理解が広まっていくのが私たちの狙いかな?って思ってます。
白鳥押し付けられない形でね。
ミキティーでも、私たちこれからはアイドル界に干されるかもしれない。
え?なんでですか?
ミキティー今のアイドルシーンがあんまり好きじゃなくて…。他の人たちは会社を背負ってやってることだから仕方ないと思うんですけど、会社の利益を出さなきゃいけないがために同じCDを何枚も買ってもらうことをしたくない、っていうのが一番にあって。振り付けでもそうなんですけど、私が振り付けをした曲のCDが”100枚買ったらバーベキューに行けます”って売り方をされているのが本当に嫌すぎて。私たちもCDは出してるんですけどそういう特典はつけてないんですよ。塩チェキっていうチェキを撮れるチケットは付いてるんですけど、それは単にCDを買ってくれた人に直接お礼を言いたいから付けてるだけで。ライブのチケットも一人で二枚買うのにも理由が必要で”誰に渡すの?”って直接聞いて売ってるんですよ。私は「Good As Yesterday」っていうアルバムの価値は2,000円以上でも以下でもないと思ってて。それって2,000円のお金を払ってその人がCDを手にして聴いた時に初めてその人の中で価値が生まれるものだと思ってるので、それを2,000円以上の値段で売ることは今後も一切したくないんです。私が夢見たアイドルっていうのは特典とかなしに150万枚売ったモーニング娘。なので、今活躍してるアイドルが私の目指してる”ゲイアイドル”ではないんですよ。それを過ちって言っていいのか分からないですけど同じことを繰り返さないために、ゲイアイドルの道は私が昔夢見たアイドルを作っていけるように一歩一歩を踏んでいこうと思ってます。
ぺいにゃむワンマンの時にミキティーも言ってたけど、10,000枚売りたいんじゃなくて10,000人の人に聴いて欲しい。
ミキティーそう。だって一人に何十枚もCDを売って、開いてないCDがあること自体に私は全然想像がつかなくて。よく価値があるものには”お一人様一点限り”って書いてるじゃないですか。私はどっちかっていうとそっちなんですよ。作曲した人とか色んな人の気持ちが詰まってるからこそお一人様一枚しか買わないで欲しいところがあるんです。これまでずっとフリーでやってきて、曲を作ってくれる人もレコーディングする人も全員顔が分かる人としかやってないし、みんなの顔が浮かぶからそういう気持ちになれたし、これからもそのやり方を変えるつもりはないです。そのせいでそんなに大きくなれないかもしれないんですけど、複数枚商法とかやって大きくなるぐらいならずっとこの規模でいいと思っちゃう。
”ALL LOVE(笑)” -二丁魁からのメッセージ-
では、最後にみなさんからファンの方や、このインタビューで二丁魁を知った人にメッセージをいただけますでしょうか。
白鳥自分たちでこういうことを言うのは少し安っぽくなってしまうし、価値がないものに聞こえるかもしれないですけど、本当に今あるアイドルの中でも自信を持って”自分たちがアイドルなんだ”って思える活動をするために努力をしています。そういう気持ちはこの4人は負けないんじゃないかなと思います。なのでこれからにも期待してほしいです。
きまるみなさん、いつもありがとうございます…
白鳥そういう形式?(笑)
きまるあれ?
全然いいですよ(笑)
きまる本当にいつもいつもずっと感謝してますし、これからもずっと大好きです。あと、これから好きになってくれる人たちへ。…待ってます。
ミキティー私たちって女の子が一人で行くの怖いとかっていうイメージがすごく多いと思うんだけど、想像する何倍も私たちの現場って本当に暖かい現場だと思うから見に来て欲しいよね。最近、他のアイドル現場に行ってた人が逃げてきたかのようにウチらのところに来るんです。事務所がこうしたから…とか、ファン同士のいざこざで…とか。そういうのって本当に意味がない他界だと思うし、私はファンを辞める理由っていうのはメンバーが原因であって欲しいんですよ。私たちはそういう環境はこれからも絶対作らないからそれを信じて来て欲しいなって思う。
ぺいにゃむみんな言ってるようにおなカマさんは愛に溢れて。ウチらもその分、おなカマのことが大好きで愛に溢れてる現場だと思ってます。メンバーも関わってくれるスタッフさんも。なので皆さん来てください。ALL LOVE(笑)
校庭二丁目シェルター
2017年6月30日(金)OPEN 19:30/START 20:00
町田Nutty’s
当日:¥2,000(+D)
▼ 出演
校庭カメラアクトレス
MIGMA SHELTER
二丁目の魁カミングアウト
二丁目の魁カミングアウトの絶対に埋まらないワンマンライブ
2017年11月4日(土)OPEN 16:30/START 17:00
新宿BLAZE
▼ チケット
3,000円(スタンディング)
ローソンチケット http://l-tike.com/order/?gLcode=72175
e+ http://eplus.jp/2chome/
リンク
二丁目の魁カミングアウト オフィシャルサイト http://www.gayidol.jp/
二丁目の魁カミングアウト twitter https://twitter.com/sakigake_gay




