定刻が過ぎ、客席の熱量がじりじりと高まる中、場内が暗転。夢アドのライブではおなじみのOVERTUREが、いつもよりビートの効いたダンスver.で流れると会場は一気にボルテージが上がっていく。
トラックが鳴り響く中、フロアとステージの間に張られた幕越しに京佳、志田友美、荻野可鈴と1人ずつメンバーが現れ、少し間をおいて最後に小林れいが登場。小林のシルエットが映ると、会場は割れんばかりの大歓声に包まれる。
この歓喜の中、「アイドルレース」でライブが幕を開ける。ヤバイTシャツ屋さん・こやまたくやが提供したバキバキのハードロックサウンドに乗って、超高速の歌が畳み掛ける夢アド最速ナンバーでのスタートに、
1曲目から本編ラストのような盛り上がりが起こり、今日のライブがいつもとは明らかに違う空気に包まれている事を感じさせる。
メンバーそれぞれの自己紹介に続き、小林がステージセンターに出て来ると口元を指で押さえて客席を静かにさせてから、「ただいまー!」と叫ぶと、他のメンバーと会場が「おかえりー!」と叫び返し、復帰をお祝いした。
「今日は、心の底から楽しませます!みんなで一緒に伝説を作ろうぜー!」と荻野が叫び、「Bye Bye My Days」へ。2013年のメジャーデビュー曲ながら、この日は4人メンバーでの新体制がスタートした事を改めて感じさせるノスタルジックなパフォーマンスだった。
その後は、惜しげもなくアップテンポなナンバーを立て続けに披露。メンバーが楽しさ一杯にライブを盛り上げると、ユメトモ(夢みるアドレセンスのファンの総称)も
、負けじとそれに応え、ものすごい熱量に包まれていく。この日の東京の天気は7月上旬並みの夏日だったが、会場は間違いなくそれ以上に熱を帯び、灼熱と化していた。
ライブ中盤では、小林が1人ステージに残り、
「今日、このステージで、『ただいま』って言えた事を、本当に嬉しく思います。病気療養は与えられた試練だと思って、絶対乗り越えてやろうと思って、
ファンの皆さんが待っていてくれたので、前向きでいられたし、頑張れました。みなさんが一緒に戦ってくれている気持ちでいました。お休みする時に私が書いた手紙の言葉を信じてくれて、想いを受け取ってくれて、本当に本当に心の底から感謝しています。
これからは心配させるような事はしないので、信じてついて来て下さい!」
と、復帰を待っていてくれたファンへの感謝を気持ちを真摯に伝え、
「私が休んでいる間、メンバーは色んな事があって、本当に大変だったと思います。
でも、3人が活動を続けてくれていたおかげで、戻って来る事が出来ました。これからは、私が3人を支えれる様に頑張ります。」
と感極りながらメンバーへの想いを伝えると、改めて「おかえり!」と祝福の声が上がった。
メンバーがステージに戻り、「曲を通じて、皆さんに感謝の気持ちを伝えたいと思います。」と、バラード曲「小さなストーリー」を熱唱。
メンバーがステージから一旦退くと、ステージのスクリーンに「7月19日ニューシングル リリース大決定!今からカップリング曲、生披露!」と、の突然のアナウンスが行われ会場が沸き立つ中、衣装を着替えたメンバーが再びステージに登場。
そこで披露されたのは、なんと「夢見る少女じゃいられない」!1995年にリリースされた相川七瀬の名曲を、その年に生まれたメンバーもいるアイドルグループがカバーすると言うサプライズも会場は騒然となった。
オリジナルよりもアップテンポで、よりヘヴィーにギターやドラムが躍動するアレンジが施され、スタンドマイクで普段よりもアグレッシブに歌う姿は、これまでの夢アドにない凛とした大人の艶を感じさせた。
そこからライブは後半戦に突入。今年デビュー5周年のアニバーサリーイヤーでもある彼女たちの、インディーズ時代からメジャーまでの楽曲を網羅したベストセットと呼べる楽曲で一気に駆け抜けると、
「あらためて、ユメトモのみんな、れいが戻る場所を、私たちの大事な場所を守ってくれて、そして信じて待っててくれて、ホントにありがとう!」という荻野の感謝の言葉から、「舞いジェネ!」を披露して本編を締めくくった。
アンコールではライブTシャツに身を包み、志田も出演中のドラマ「君はペット」オープニングテーマとしてもオンエア中の「Rainbow Rain」を歌うと、7月からデビュー5周年を記念した全国ツアー
“真夏の夜のYUME LAND”を開催する事を発表。グループ史上最大規模となるツアーで、単独公演としてはグループ初となる札幌も含む全国5大都市で開催される。
さらに、7月19日にリリースされるニューシングルのタイトルが、「ララララ・ライフ」に決定した事がメンバーから直接発表された。メンバーがテーマカラーのドレスを纏った新ビジュアルも公開され、次なるシングルがどんな楽曲に仕上がっているのか、ファンの間でも憶測が飛び交う事が必至だ。
アンコールラストは、「メンバーとユメトモが必死に守ってくれたこの場所は、これからは私が守ります!」と小林が高らかに宣言し、「ファンタスティックパレード」で復活公演を締めくくった。
いつまでも鳴りやまない拍手が、このライブが間違いなく夢みるアドレセンスにとってファンと一緒に作り上げた新しいスタートであり、同時にターニングポイントとなった事を物語っていた。彼女たちが駆け抜けるアイドルレースが今後どんなものになっていくのか、本当に見逃せない。