音楽プロデューサーチームagehaspringsが全面プロデュースし、解散後にアイドルシーンでその楽曲的評価が伝説的に語り継がれるユニット”Tomato’n Pine”の元メンバーHINA、そしてファッションモデル経験もあるYURIAからなる二人組ユニットFaint⋆Star(フェイントスター)。完成度の高いコンセプト、洗練されたサウンドとアートワークに注目が集まるFaint⋆Starの二人にデビューからこれまで、そしてこれからを語ってもらいました。
“90年代渋谷系”「なんだろう?それ」Faint⋆Starのグループコンセプト
初めに「Faint⋆Starってどんなグループ?」って言うところから聞かせてください。デビューすると言う話を聞いた時にものすごい強くコンセプトを感じたんですが、始めるにあたってスタッフの方にどんなことを言われましたか?
YURIA曲とかをもらった時に…北欧の感じ?歌詞に「スウェディッシュ・ポップ」とか入ってたりとか…
HINA90年代渋谷系って言うのはすごく最初から言われてますね。
YURIAあとはファッションアイコンとしてもなれるように頑張りたいね、ってことも言われましたね。
中でも特に覚えてることってありますか?
HINA振りがHINAとYURIAちゃんで同じじゃないですか、ヴォーギングとかで。ぴっちり揃える様に意識しようって言われてた気がする。
YURIAそうだね。
HINA直接言われると言うよりは空気感で伝わるものがありましたね。
二人はその時、どんな風に感じてました?
YURIA“90年代渋谷系”って言われた時は最初は何か分からなかった、と言うか知らなかったんですよ。渋谷系を。調べてみても「なんだろう?それ」って言うぐらいだったんですけど日が経つにつれてしっくり来たというか、そんな印象はありましたね。
HINAトマパイ(Tomato’n Pine。HINAが以前所属していたアイドルユニット)の時も渋谷系ってことは結構言われてて。ピチカートファイブさんとかは結構聴いたりした時期はあるんですけど、Faint⋆Starの方がもっと盛り込まれてる感じがしましたね。
“90年代渋谷系”って言っても二人は小学校入るとか、生まれてるのか?ぐらいの感じですよね。
HINAちょうど生まれたぐらいじゃない?YURIAちゃん。
YURIAそうかもしれないですね。
アイドル? or アーティスト?
すごく言われることだと思うんですが、Faint⋆Starはアイドルなんですか?その質問をされた時にどう答えてますか?
HINA受け取ってくれる側にお任せしてます。どう見ていただいても…
YURIA大丈夫です。自分たちでは「ガールズユニット」と言ってますね。
個人的にはどう思ってます?アイドルなのか、アーティストなのか、それとも何か別の存在なのか?
YURIA共演する方がアイドルとかバンドの方とか、色んなジャンルの方と共演できてるのがFaint⋆Starのいいところだと思うので、私はどっちにも行けるような新しい存在になれたらいいな、って思ってます。
HINAアイドルの方とはパワフルさが違うなって思いますね。なんか私たちが一緒にしていいの?ぐらいに思っちゃいますね。逆に畏れ多い感じです。
アーティストって言葉に対してはどう言う印象がありますか?
YURIAアーティストと言われても、アイドルと言われてもどっちでも嬉しいですね。
うさぎ、コーラ、遠征…。YURIAも戸惑うHINAの!?なエピソード集
二人はプライベートの自分とFaint⋆Starの自分って使い分けてる感覚ありますか?それとも地の自分そのままでやってる感じですか?
YURIA私は特に作ってる訳ではないんですけど、HINAちゃんがおっとりしてる天然な感じなんで「しっかりしなきゃな」って言う意識はありますね。
HINAちゃんはどうですか?
HINAどんどん素の自分に近くなってきてると思います(笑)
(笑)
HINA長いじゃないですか。トマパイからの自分を見ていると。どんどん”自分”になってきてるなって言うのが分かりますね。
最初はどうだったんですか?
HINAYURIAちゃんからの第一印象を聞くと「お姉さんっぽい」とか言ってくれたりするんですけど、最初はやっぱりしっかりしなきゃなって意識はありましたね。だけど、ライブとか一緒に活動していくうちに自然とツッコミとボケみたいになってきちゃったのが面白いなって思ってます。
インストアイベントのMCで”うさぎの話”をしてたじゃないですか。「地方遠征から帰ってきたら家にうさぎが一杯いた」って言う。あれ、ちょっと怖かったです。
HINA(笑)
最初は「HINAちゃん、うさぎ飼ってるのかぁ」って思って聞いてたんですけど、餓死して床に転がってるのをイメージしてしまって…
HINA・YURIA(笑)
HINA飼ってないんですよ。ある時、ほこりが動いてたのがうさぎに見えちゃった時があって。それが地方から帰ってきたら結構発生してたんで。
でも、ほこりってすごい…全くどうでもいい話なんですけど(笑)すごい積もるとダマみたいになるじゃないですか。ああいう状態になってるってことですか?
HINA部屋の端っこの方とか、コンセントの裏とかにあって暖房の風とかに揺れてたりすると「うさぎちゃんみたいだな」って。
…と言う話を聞いた時、YURIAちゃんはどう思いました?
YURIA最初、何言ってるか分からなかったですね(笑)「ん?どした?」みたいな。
最近のうさぎ以外のびっくり話はありますか?
YURIA遠征先でお好み焼きを食べに行った時にHINAちゃんがコーラを頼んでて、ビンのコーラとちっちゃいコップが出てきたんですよ。で、そのビンのコーラをコップに注いで…ビンの方を飲むって言う。
(笑)
YURIA意味分かんない行動をとってましたね。「ちょいちょいちょい。何で注いだの?」みたいな。
HINAどっちも自分のじゃないですか。
まあそうですね。
YURIA確かに迷惑はかけてないんですけど。ん?みたいな感じですよね。
普段から色々突っ込まれたりしません?
HINA突っ込まれますね。でも、やっぱりFaint⋆Starの現場が一番多いと思います。
YURIA謎な行動が多いんですよね。ホテルで部屋が別々なんですけど、結構YURIAの部屋に遊びにくるんですね。それはいいんですけどノックがめっちゃ長かったり。”ドドドドドドドン”みたいな。「何かあったのか!?」と思って…
HINAびっくりして出てきました。
YURIAそうすると「おはよー」みたいな。
HINA(笑)
YURIA「おはよー。じゃないよ!ノック長いし!」みたいな。
HINAちゃんとしては普通のことなんですよね?
HINAでもやっぱ遠征とか行くとテンションが変になってきますよね。
YURIA帰りの電車とかかなりテンションおかしくなりますからね。疲れ切ってるのかハイになるんですよね。
HINAずっと気を張ってたりするのが解けるとちょっとおかしくなっちゃうんですよね。
でも、遠征は楽しいですよね。
YURIA場所によって全然空気感が違ったりとかお客さんの反応もそうですし。面白いですね。
この前、名古屋行ってたじゃないですか(「アイドルバンチ Vol.6」2015年1月31日開催)。あのイベントは楽しそうだな、と思ってたんですが。
YURIAあのイベントはすごい盛り上がりましたね。持ち時間も過去最長だったんですけど。
全員40分ずつぐらいでしたっけ?
YURIAあんなにお客さんと盛り上がれると思ってなかったので。
HINAアウェイになっちゃうのかな?と思ってたんですけど。アイドルさんが結構出ていたので。
YURIAあと名古屋ってこともあって、私たちを知らない人がたくさんいると思ったんで若干不安だったんですけど。
HINA前がライムベリーさんだったんですよ。すっごいアゲアゲで。
YURIA私たちの気持ち的にもFaint⋆Starでクールダウンしていただいて…みたいな雰囲気でいったんですけど、皆さんが暖かく迎えてくれて盛り上がってくださったんで私たちもやりやすかったのと、一緒に楽しめたと言うか一体感を感じられた場所でしたね。
HINA最後CD販売の時も初めましての方がたくさんいて。「今日、聴いていいなって思って買ったよ」とか言ってもらえたのですごい嬉しかったですね。
東京でもあのラインナップは中々ないですよ。(2部でlyrical school、Especia、せのしすたぁ、ライムベリー、Faint⋆Starが共演)
YURIA他のイベントでお会いしてた方もいたので、またこうやって会えるのが嬉しかったですね。
デビューから2ndシングルまでのFaint⋆Starを自己評価
そんなFaint⋆Starのデビューから2ndシングルのリリースまでを振り返るとそれぞれの自己評価はいかがでしょうか。
YURIA1stの時ってYURIAの方は音楽活動が初めてだったので、かなり手探り状態と言うかこれで本当にいいのかな?とか思ったり…。自分の中で葛藤もあったし、歌い方とかも全然わからないまま進んできたんですけど、ライブの回数も増えてきて1stの曲が自分の中に浸透してきて自分で”色”を出せるようになってきたと言うか…その時に2ndを録った感じなんですが、2ndができてみて1stと自分の中で聴き比べると客観的に歌い方も成長してるんじゃないかな?って思ったし、二人の個性も出てきたんじゃないかな?って思いましたね。
点数つけるとしたら何点ぐらいでしょうか。
YURIAまだ全然先があるので…何点だろ?(笑)
満足度、でもいいですが。
YURIA満足度…。満足度は100って言いたいです。いつも100の状態でいたいなって思いますね。
HINAHINAは、1stシングルと比べて2ndシングルは聴いた瞬間に「成長したな」って感じたんですよ。淡々と歌ってた感じがするんですよね、1stシングルの時って。でも2ndシングルは気持ちも入ってるし、歌い方が強くなったなって感じました。それが自分の課題だったりもしたんで。だから聴いた時はすごく嬉しかったです。あとライブができる回数が増えてきたので、YURIAちゃんとのコンビネーションが良くなってきたなって思いますね。最初は本当に一杯々々だったんですけど、だんだんにお客さんとどうやったら楽しめるかな?とか。自分のことだけじゃなくて、来てくれた人の事も考えられるようになってるのでもっとそれを向上していけるように楽しめたらいいなと思ってます。
ライブのやり方やお客さんとの関係は、HINAちゃんに関して言えばトマパイって言う”下地”がある訳じゃないですか。それでもFaint⋆Starとなるとやっぱり違う?
HINAたぶんトマパイでやってきたことは活かされてるんだと思うんですけど、新鮮な気持ちで一から自分の中でスタートしてるので感じるものはやっぱり違いますね。今回「Tip Tap」って言う曲が”お客さんと一緒に盛り上がれる曲”がテーマで作ってるんですけど、トマパイの時って”自由にみんなで楽しみましょう”みたいな感じだったので、一緒の振りをやるのが今回初めてで。そう言うところが楽しいなって思いますね。
では、点数をつけるとすれば?
HINAどうしようかな…もっともっとよくなれると思うので、50点。
その理由はなんでしょう?
HINA50点は自分が満足した点数で、後は聴いてくれる人とか見てくれる人がどう思ってるのか、今まだあんまり分からないのが残りの50点ですね。
ライブを見てくれたファンの人は”良かったよ”とか感想を言ってくれるじゃないですか。HINAちゃんの「聴いてくれてる人がどう思ってるか分からない」って感覚は、そう言うのとも違う感じですか?
HINAまだFaint⋆Starを知ってくれてる人とかも全然少ないと思うし、これからもっともっと自分たちの実力も上げていかないといけないし、自分の中でもうちょっと頑張れる、って言う気持ちがそこに詰まってると思います。
YURIAちゃんの方は課題を上げるとしたらどんなところでしょう?
YURIAライブに関して言うなら、対バンとかだとアーティストさんが持ってる空気感をガラッと私たちの空気に持っていけるかどうか、って言うのが課題なんじゃないかな?と思ってて。それで言ったらアイドルバンチは結構、前のアーティストさん(ライムベリー)と違う自分たちの空気に持っていけたんじゃないかな?って言うのを感じたので、それが毎回のライブにつなげていけたらいいなって思ってます。