NaNoMoRaLの2021年を振り返るインタビュー前編に続く後編は、ミニアルバム「ne temo same temo」の”ほぼ全曲”紹介。
梶原パセリちゃんの制作手法や歌詞に込めたメッセージ、そして雨宮未來のボーカル、その全てが大幅にアップグレードされた本作は、NaNoMoRaLが新境地を迎えるのに相応しい傑作となった。前作「macra no souji」から約1年半、着実なライブ活動で積み重ねていったグループの成長と変化が詰め込まれた「ne temo same temo」を2人にじっくり紐解いてもらった。
NaNoMoRaLの新境地 「ne temo same temo」の制作背景
――ここからはアルバム「ne temo same temo」の話をしようと思うんですが、去年4月にリリースした「macra no souji」以来のリリースということになりますが。
パセリ1年半…。
――この期間についてはどう思ってますか。
パセリ長過ぎでしょ(笑)
――この時期になったというのはなにか理由が?
パセリ単純に新曲を作るペースが遅かったっていうだけです。
未來(笑)
パセリ早く作れれば早く出すし、7曲8曲作るのに1年半かかってしまいましたっていう話ですね。
未來もしパセリさんが音楽を作るっていうだけだったらもっと早くいけるんですか?
――ライブ活動をせずにってことですか?
未來そう。本当に曲だけ作るってなったら。
パセリいや、変わんないと思うよ。忙しいふりをしているだけだから。
未來そうなんですか?
パセリ締め切りがあれば絶対作るし。アルバムこの日までに出すって決めないとペースは上がらないと思う。
――その締め切りが今年中ってことだったんですかね。
パセリはい。でも本当は夏ぐらいだったんですよ。
未來ですよね。
パセリ夏ぐらいには出すよ、って言ってて。
未來「大丈夫ですか?」ってずっと言ってました。
パセリ全然その通りにはいかないですね。やっぱり。
――その夏ぐらいに…というのは夏にリリースをしたその先に何かやることを考えてたってことですか?
パセリというよりはその時点で「ぺオプレ」と「ビューティフルデイズ」があって、この2曲を入れたアルバムを早く出したいっていうのがあったんです。あと「macra no souji」までのクオリティとは全然違うものができるっていう自信があったのが強くて”NaNoMoRaLはこういう音楽をやってますよ”っていうのを世間に早く出したいっていう。だから夏とは言わず早く作れるならもっと早くっていう感じではありました。
――そしてできあがった「ne temo same temo」でしたが、僕の感想から話してもいいですか?
未來はい。
――いやもう傑作だと思いますよ。
パセリそうですよね。
――そうですよねって(笑)
未來よかったー。
――”準備はできてますか?”って思います。これを出したら世界が変わるかもしれないですよ、って。
パセリそのつもりで作った…というかちょいちょい未來さんには言ってたんですよ。「アルバム出したら変わるから」って。
未來私はそういうのが何にもなくて。いつも通りの…って感じで。
パセリ(笑)
――その話を聞こうかなと思ってたんですけど、未來さんはアルバムや作品に対してどういう捉え方をしてるんでしょう?
未來私は全然何にも…。
――それは昔も今も変わらず?
未來変わらずずーっと。
パセリ未来さんはあんまりアルバム単位で見ないかもね。
未來そうかもしれないです。
パセリ曲単位では結構言われるので、このアルバムっていうよりはこの曲が好きっていう感じで見てるかもしれないですね。
――曲に対してはあるんですか?
未來主題歌っぽいなとかそういうすごくでっかい感じの印象ですかね。
パセリでも僕としては全然それで良くて。作曲家にとってそれを受ける人側が毎回「わ〜!すごいです〜!!」とかだとこっちの感覚が鈍っちゃうのでそんなことは言わなくていいと思う。感触がいい時はなんとなく分かるので。
未來「この曲は◯◯っぽくていいですね」とかは言いましたけど、CDを出せばみんな優しいから褒めてもらえるじゃないですか。言ってくれる人がいっぱいいるので2人の間で褒め合ってもね。
パセリそうそう。それはやらなくていいと思う。
未來いい曲だなとは思ってるんですけどそれをわざわざご本人にはあんまり伝えてない。
パセリ渡した瞬間に自分の曲になるからそれで全然いいと思う。
未來だからツイートとか全然できなくなっちゃって。この曲いいなって思ったりするんですけど、”でもこれ歌ってるの私だし…”とか。自分で褒めるみたいになるのはなんか恥ずかしい。
――でも、本当にいいアルバムだと思いますよ。曲単位だけじゃなくてアルバム全体を通して聴けるっていうか。曲順もめちゃめちゃ意識して作ったんだろうなっていうのを感じました。
パセリ今回のが何もなくて”ふーん”って感じだったら自分のセンスが枯れてるんだと思わないといけないと思うぐらいだったので、怖いのもあるけど僕は自信はあります。
――最初から最後まで通して聴くとNaNoMoRaLの1本のライブを見ているような感じになりました。
未來嬉しいですね。3、4曲は既にライブでずっとやってるので、私にとって新しい感じはあんまりなくて。みんなにとってはどうか分かんないけど…ワクワクしてるのかな?
パセリ「ぺオプレ」ぐらいから劇的にオケが変わってて。それがデカいかもしれないです。
――オケが変わるというのは?
パセリ今回から生音なんです。前回までは打ち込みだったんで。
――それはすごく思いました。ギターのリフとか聴いてて「これ打ち込みなの??」って。
パセリ全然打ち込みじゃないです。去年のリキッドのワンマンでやったアンプセットでのライブに向けて今までの曲を含め全部ギターを生にしました。それも元々は打ち込みでアレンジしたのを生ギターに変えてただけなんですけど、「ペオプレ」からはギターを弾きながら作ってるんでギタのフレーズが自然なんですよ。それによって”NaNoMoRaLのアレンジ”ができた感じです。それが今回は全部の曲に通じてるので統一感もあると思うし、僕の中でもギタリストがいて、ベースがいて、ドラムがいてっていう楽器隊がいるような感じで作れてるのがデカいですね。
――今までの作品の中でも一番バンド感が濃くなったなって感じました。それぞれの曲についても聞いていいですか。
パセリはい。
「ne temo same temo」”ほぼ全曲”紹介
――まず1曲目の「あいをうたえば」が本当にすごいなって。
未來えー。
パセリありがとうございます。
――あれは中々聴けないですよ。1曲目にあの曲持ってこられたら大概の人はやられちゃうだろうなって。
未來ホントですか!?
パセリフジサキさん(←所属事務所ミニマリングスタジオの代表)にも言われたんですけど、「一音目から勝ちだね」って。あれがやりたかったためのアルバムかもしれないっていうぐらい。
――言葉にするとアンセム感ってことになっちゃうんですけど、みんなでウォー!って手を上げたくなる曲じゃないですか。
未來合唱みたいな。
パセリそう。合唱をやりたかった。
未來でもレコーディングが難しかったんです。
パセリめちゃくちゃ難しいんですよ。あれ。テンポが揺れてるというかそもそもないというか。
未來一番大変だったかもしれない。
パセリそれでも今回はレコーディングがめっちゃ早かったんですよ。
未來そう。
パセリいつもはできなくて未來さんが泣くんですけど今回はノー泣きでしたね。
未來ノー泣き。でもちょっとグズグズって…
パセリああ。多少グズりはありましたけど。
未來パセリさんに「OK!」って言われたんですけど、私的にはOKじゃなくて「もう一回お願いします」って言ったら…
パセリそれに対して僕は怒るんです。
未來「いやいいよ。今ので」って。
パセリお前が決めるんじゃねぇって(笑)
未來「でも良くなかったんで…」ってグズグズ。
パセリあと自分で歌を止めたりしてもすごく怒るし。こっちがOKって言うまではミスったと思っても歌ってくださいって。
未來とにかく歌いなさい、って。
パセリそういうのは今までもずーっとあるけど今回はそこまで言うほどはなかったかな。あと今回の新曲からかな?仮歌をやめました。
――パセリさんが歌わなくなった?
パセリそう。今まで未來さんのキーに合わせて仮歌を歌ってたんですけど、もう独り立ちできる歌を歌う人になったかな?って思うのと僕が大変なのもあってやめたんですよ。そしたらちゃんと自分の思う感じで歌ってくれるようになっていたのでそこも大きいかもしれないです。
未來聴いたら変わってるかもしれない。
パセリ自分の歌唱になってるというか今までは僕のカバーをしているような感覚があったんけどそれもなくなりましたね。
――アルバム全体を通してもそうなんですけど「あいをうたえば」みたいな曲は「唖然呆然」とかの延長線ではたぶん作れなかったんじゃないかなと思うんですね。しかも1曲目にこの曲を聴いたら”NaNoMoRaLはこれなんだぞ!”って思わざるを得ないじゃないですか。予想はしてなかったんですけどこんな曲出てくるのを待っていたような感じもして。
パセリそうですね。今までない曲なのにNaNoMoRaLっぽいという感じかもしれないですね。しかも一番人気にならなそうなのでいいですよね(笑)どっちかと言ったらオープニング曲扱いではあるんで…ライブでやるかどうかも分からないし。
――しかもこの曲を聴いた後に聴く「ですてに」がMVとは全然印象変わったんですよね。そういうところでも全体を通して聴けるアルバムだなって思いました。
パセリ1曲目から2曲目の曲間もすごく短くしてて。「あいをうたえば」と「ですてに」はセットなんですよね。続けて聴いてもらった方が両方ともしっくりくるかも。
未來へー。
――で、「ペオプレ」の後の新曲の2曲がものすごくバンド感あって…これなんて読むんですか?
パセリ”ぜろはちななよんななはち”(「087478」)ですね。
未來数字読みです。覚えなきゃね。
――これは何かの数字なんですか?
パセリこれは東京都の自殺相談ダイヤル(こころといのちのホットライン)の電話番号の下6桁なんです。
未來曲の内容とちょっとリンクしてますね。
パセリこの曲だけ歌詞の作り方が全然違ってて。メロだけあって歌詞に悩んで寝られない日があって、その寝られない中でワーッてなって一気に書いた歌詞なんですよ。いつもはすごく考えるんですけどこの曲は衝動的に歌詞を書きました。
未來歌詞が割とストレートだなって思いました。パセリさんは結構言葉を濁すことが多いイメージだったんですけど、”死にたい”とかもストレートだなって思いました。この曲に関しては。
パセリそういう衝動だったんじゃない?
未來絶対みんなにあることですもんね、この歌詞。私この曲が一番好きなんですよ。
パセリそれすごく言うね。
未來「ですてに」とかは歌いすぎて聴き慣れちゃってるからかもしれないんですけどこれが今のところ一番好き。変わるかもだけど。
――バンドの人が演奏したらすごく楽しい曲なんだろうなって思いました。あとこういう曲もNaNoMoRaLではやってなかったなって。
パセリそうですね。
――僕はその次の「カミサマボクハ」もすごくいい曲だと思ってて。これもすごくバンド感があるなと。
パセリですね。この曲は「ぺオプレ」ぐらいの時にもう作り始めてた曲で。このアルバムの方向性を決めたのはこの曲かもしれないですね。
未來ふーん。
――僕の中にあるNaNoMoRaLのイメージって主語は基本的に自分で、自分の感じたことや自分の中のことを歌っているような感じがするんですよ。
パセリそうですね。
――そのNaNoMoRaLがこの曲では自分じゃない誰かに対して語りかけるように歌っているのが新鮮に感じたし、これはNaNoMoRaL自体が何か変わりつつあるのかな?って印象を持ちました。
パセリたしかに他人に向けて書いてる曲かもしれないですね。
――「あいをうたえば」の「どこかでないてる きみにとどくまで」っていう歌詞も他者に対してのメッセージだったりするじゃないですか。「唖然呆然」が僕はすごく好きなんですけど、その時のNaNoMoRaLとは違うなっていう風に思ってました。
パセリ今回のアルバムはテーマが”愛”なんです。愛に始まって愛に終わるんですけど「ビューティフルデイズ」の最後の言葉も”愛”なので、愛の溢れたアルバムって感じですね。
未來最初「カミサマボクハ」の題名が違ったんですよ。
パセリずーっと悩んでて。色々あってこれになりました。この「カミサマボクハ」っていうタイトルに関しては、”CD出します。曲名はこれです”って言う時に未來さんに伝えたかもしれない。
未來あと「ne temo same temo」のアルバム名も知らなかった。
パセリ言ってなかったね(笑)それは意味があった訳じゃなくて、ただ言ってなかった。
――で、次の曲が「ねてもさめても」ですが、最初聴いた時に「嘘つきかくれんぼっち」のイントロを長くしたのかな?と思ってて。
パセリあー。でもそういうことです。
未來「カミサマボクハ」からの「嘘つき〜」がしっくりこなかったって言ってて。
パセリ「ねてもさめても」がない状態の7曲を並べた時に「カミサマボクハ」と「嘘つき〜」はここに置きたいけどその流れが悪い、好きじゃないってなって1曲挟みました。
未來パセリさんが一人で全部歌ってて、この曲も「アルバム、これです」って教えてもらった時に初めて聴きました。
パセリそうそう(笑)
――こんな曲あったんだって?
未來なるほどねって。
パセリ未來さんが歌ってもよかったんですけど、単純に「嘘つきかくれんぼっち」と同じキーになってて、あのメロだと未來さんが歌うにはちょっと低すぎるっていうのがあって曲のキーを優先にしてどっちが歌うかを決めました。「嘘つきかくれんぼっち」の導入でもあるし、「カミサマボクハ」のアウトロでもあるかな?っていう感じですね。
――で、次が「嘘つきかくれんぼっち」ですが、これは最初からアルバムに入れようと思ってたんですか?
パセリはい。8月ぐらいに延期した周年ライブでお披露目したんですけど、アルバムに入れるつもりでアレンジしました。
未來良かったー。ついに。
――この曲は元々NaNoMoRaLが結成される前の曲なのと、未來さんのソロアルバム(「booboo」)に入っていたのでそっちのイメージが強かったんですが、それをNaNoMoRaLの曲にした理由は?
パセリそれは単純に”NaNoMoRaLのアレンジ”が作れるようになって、それが僕の中でしっかり固まって「嘘つきかくれんぼっち」をNaNoMoRaLアレンジでしっくりくるんだったらやろうという感じでできた曲ですね。
――ということはしっくりこない曲であればやらない?
パセリやらないですね。イントロだけ聴いてもNaNoMoRaLっぽいなってならないとやれないので。
――この曲は吉田豪さんがすごくお気に入りということですが。
未來NaNoMoRaLバージョンも好きかな?
パセリ分かんない。もしかしたら好きじゃないかもしれないけどそれはそれでいいと思います。NaNoMoRaLの「嘘つきかくれんぼっち」ですよって。未來さんがソロでライブをしてないからあのアレンジでやれないだけで。
未來そうですね。私、1人でライブは無理ですよ。
パセリまあ、なんとかするとは思うけど。
未來誘われても出られないですね。
パセリそもそも受けないと思います。未來さんまで話がいかないかも(笑)
――でも未來さん自身の曲が増えたら可能性はあるんじゃないですか?「乳酸菌のうた」とかあるじゃないですか。
(編集部註:「乳酸菌のうた」は配信サービスEDGEの「シブヤデタクティクス」内で視聴可能。有料500円)
未來あれはやってもいいかな?って思うけど…。
パセリどこでやるの?それ。
未來普通の対バンライブでやったら引かれちゃう(笑)
パセリだいぶお客さんに甘えたステージになるよね。
――でも、「乳酸菌のうた」のギターのイントロは「あいをうたえば」っぽいですよ?
パセリ(笑)
未來たしかに!つなげていけないですかね?
パセリあれはNaNoMoRaLの曲にはしない(笑)
――まあそれは冗談として…で、「ビューティフルデイズ」でアルバムを締めるわけですが、この曲が一番最後にくることでライブを見たっていう感覚がより強まったので、アルバム全体を一つの作品として評価ができるんじゃないかな?と思いました。素晴らしいアルバムだと思います。
パセリありがとうございます。
――先ほども話したんですけど、「唖然呆然」は今もNaNoMoRaLを代表する曲だと思うんですけど、その時のマインドでは「ne temo same temo」は作れてないんじゃないか?前作の「macra no souji」の時よりもさらに一皮むけたんじゃないか?と思うんですがそういう部分で意識や気持ちの変化はあったんでしょうか?
パセリたぶん全然違うと思いますね。その時のことはあんまり覚えてないんですけど、それこそさっきやまーさんが言ったように他人に向けての言葉になってきてるんですよ。「ビューティフルデイズ」からなんですけど。
未來それは思いました。
パセリ歌詞の面ではそれだと思うし、音の面ではアレンジの仕方が変わりました。メロの癖は変わってないと思うんですけどその辺が大きいかな。鍵盤とか全然少なくなりましたし、使ってるトラック数が全然違うというか。
――未來さん的にはそのあたりはどうなんでしょう?
未來思うこと?
――あまりないんでしたっけ?
未來(笑)でも、難しくはなってる気がします。
パセリああ、曲の難易度は上がってますね。
未來もう死ぬんじゃないかな?って思う時があって。ライブやってる時に”何でこんな息吸えないのよ!?”ってなったりとか。
パセリまあそこは頑張ってください、っていう。
未來それがエモいにつながってるのかな?
パセリいや、それは単に息つぎが難しいだけ(笑)
――「ですてに」では初めてラップもやりましたしね。
未來そうなんです。ラップのところは少しやり方を教えてくれました。
パセリ今回ちゃんと指導したのはそこぐらいですかね。
未來じゃあ何にも思ってないね。私。
パセリ(笑)
――でも、それでいいんですよね?パセリさんとしては。
パセリ時間を解釈していってもらえればいいかな?っていう感じですかね。その時々によっても違うと思うし。
――パセリさんから客観的に見て未来さんが変わっていった部分とかを感じたりすることはあるんですか?
パセリレコーディングしやすくはなりましたね。ボーカルレコーディングしたものの修正時間は1/10ぐらいになりました。最初の「nisan ka tanso」の時と比べても全然違うし、ミックスの作業のときの声の乗り方も違うからエフェクトしやすいし、素のまま出してもそれなりに聴けるぐらいにはなってるなあって感じがしますね。歌い手としてはすごく成長してると思います。ステージングに関しては僕よりもプロ意識を持ってやってるんで僕から言うことは特にないです。
未來嬉しいですね。
パセリそこは信頼してるというか、フロントマンとしてすごく優秀だと思います。
未來本当ですか。
パセリそこに関してはなるべく勝手に成長していって欲しいっていうか。いろんな人を見て影響を受けて…。
――それこそパセリさんが言うことじゃない?
パセリ僕よりもいいですからね。確実に。自分より悪い人に言われたくないというか言われてもあんまり意味がないかな?っていうのはありますね。
未來私はパセリさんのステージングが悪いと思ったことはないですし、下だなんて思ってないですよ?(笑)
パセリでも、そういうものであって欲しいし…だからステージングに関しては特にないかな。
――という訳でそんなアルバム「ne temo same temo」がもうすぐ出ますよ。
パセリ楽しみですね。
未來出るまでが長いですね。
パセリ出しますって言ったらもう早く出したいんですよね。
――楽しみですね。どんな感じになるかなぁ。
パセリこれがウンともスンともだったら…次のアルバムのタイトルが「un tomo sun tomo」になるかもしれない(笑)
未來やだぁ(笑)
――アルバムを聴いてもらった他の人の感想はどうだったんですか?フジサキさんとか。
パセリフジサキさんは褒めてくれましたね。
未來豪さんも褒めてくれた。
パセリあとは…。本当にやまーさんぐらいですよ。ちゃんと感想を送ってくれたのは。
――(笑)
パセリ僕も「聴いてください」って言われてCDをもらった時にあんまり感想を言わないんですけど…あれは言った方がいいですね。めっちゃ不安になるんですよ。フジサキさんにはたまたま会って「どうでした?」って聞いたから答えてくれたけど、他は誰も言ってくれないから駄作なのかなこれ?って思ってきちゃうし。もし、やまーさんが言ってくれなかったら「これ出して大丈夫かな?」ってなってたぐらい。
未來私も言わないっていうのもありますもんね。
パセリそうそう。これはマジで井の中の蛙パターンあるなって思って。毎回自信がなければ出さないんですけど、自信があるだけにやっぱりちょっと怖いですよね。
「2022年は…フェスに出たいです!」-NaNoMoRaLの2022年-
――では最後に来年の話ができたらと思うんですが何か予定していることはあるんですか?
パセリ今のところ特になくて…
未來5年目を迎える…ぐらいですかね。
パセリ5年か…。ただ、単純に世間に触れられるようになりたいとは思ってきてて。ライブにしても音源にしても世に出しても恥ずかしくない状態にはなってるんじゃないかな?って。なのでもう少し積極的にメディアだったり、現場に来ないような人に向けても自分たちの曲を知ってもらえるような状況にはしていきたいと思ってます。
――オーディション(「Go To STARDOM 2」)も受けてたりしますが、そういうことも含めて?
パセリそうですね。ちゃんとそういうのに勝ち残れるようになりたいですね。で、”自分たちの界隈”でやってることがちゃんと評価されるようになるといいなって。
――自分たちの界隈というと?
パセリいつも対バンをしているような人たち?僕らが一般的なオーディションとかで評価されるようになった時に「僕ら対バンしてる人たちに全然負けますよ」って言いたい。そしたら僕らの周りの人たちもちゃんと評価されるし、僕らが異質なんじゃなくて他の人達もすごいところでちゃんとやってるんだっていうのを一般の人にも分かってもらいたい。だって周りに素敵な人たちいっぱいいるじゃないですか。
――未来さんは何かありますか?
未來2022年は…フェスに出たいです!アイドルっていう肩書きでやってるからバンドさんとかが多いオーディションだとアイドルっていう名前だけで落とされちゃうこともあるし、アイドルさんがいっぱい出るイベントではアイドルじゃない風?に見られちゃう。
――NaNoMoRaLはそこはすごく微妙なところですよね。
未來そう。だからそういうイベントに呼ばれないとか、どっちにも行けないっていうのを取っ払っていきたいです。来年こそ。
パセリそれについては自分たちがハッキリしないからなんじゃないか?って思う人もいるかもしれないですけど、自分たち的にはどっちもやりたいんですよね。
未來全部やりたい。
パセリ同じ音楽だし。僕らがイベントに出るとすぐアイドルなのかアイドルじゃないのか問題みたいな話になるんですけど…
――この間のギュウ農フェスもまさにそれでしたね。
パセリ僕はニコ生のコメントもアベマのコメントも全部見たし、やっぱりそういう話になっちゃうんですよね。でもそんな中ででも”これ、いいじゃん”って言ってくれる人がいるのでその数を増やしたい。
未來そこですね。
パセリだって今はアイドルのオタクじゃなくてもBiSHとか聴くじゃんって思ったり。あんまり関係なくなって欲しいよね。
未來それもそうだし、私はパセリさんを男だと思って活動してないですよ。
パセリ???僕は男だと思ってるけど?
未來私はステージに立つと男っぽい感じの感情になるんですよ。
パセリそうなの?
未來かっこつけちゃったりとか。だから私が男になってるみたいな感じで。
――パセリさんが女になってるってことですか?
未來仲間だ!みたいな?バンド仲間みたいな感じだから私の中で性別がないんですよ。みんなそうなったらいいのに。
パセリ僕は男でいいし、その上で認めてくれれば全然いいと思う。
未來ライブ中だったら全然肩を組みに行けるぐらいの感覚なんですよ。でもそういうのダサいと思ってますよね?
パセリ(笑)
未來パセリさんはそういうのダサいって思ってるからやらないんです。
パセリ男とか女とかじゃないんだよ。それは。
――この間のギュウ農フェスの「唖然呆然」の時に2人でお立ち台に足を掛けて歌ってたじゃないですか。僕はそれがすごくいい光景だなと思ったんですけどそれって肩を組むって話に近いですか?
パセリあれはいいけど肩はダサい(笑)
未來ホントですか?
――しかも未來さんが促してやったじゃないですか。
未來ああいうの好きなんですよ(笑)
パセリでもそこら辺の抵抗は昔より全然ないですね。
未來だいぶなくなりましたよね。
パセリだから肩を組むのがかっこいいのであれば全然やると思う。かっこ悪いからやらないだけで。
未來だから私はいかないようにしてます。テンション上がった時って”仲間だぜ!”みたいになるじゃないですか。YEAH!!って。東京ドームぐらいだったら…
パセリそれがかっこいいと思える場所だったらやるかもしれない。よくあるじゃん一つのマイクでギターとボーカルが背中合わせでみたいな。
未來あー。好きですよ、そういうの。
――ライブが終わった後に2人で肩を組んで帰っていくみたいな?
未來そういうのいいですね。
パセリでも、そういうのは嫌いじゃないのよ。結構熱い男だから。
未來そうなんですか!?それはまだ感じれないけど…
パセリ意味があればやりますけどね。
未來意味ありますよね?
パセリ肩組むのに意味なんかないよ!(笑)
――(笑)
パセリでも男女だからっていう感覚はないですね。
未來やってる方はね。
パセリそういうことを意識させてしまうかも?っていう気持ちもなくなりました。慣れたというか”まだそんなこと言ってます?”っていう気持ちにもなるし…でもまだめっちゃ言われますけどね。
未來芸人さんでも男女だと言われてますよね。
パセリそれよりも厳しいのよ。未來さんが女性アイドルとしてやってるから。でも、ライブして見た人が感動して認めざるを得ない状況になればいいかなって。
――アイドルかどうか、というのも含めて取っ掛かりがあるってことはいいことだと思うんですけどね。
未來最初にそういうギャップ?はない方がいいのかな??あると微妙だなーっていうところから始まるじゃないですか。
パセリそれがあるから見ないっていう人が一定数いたら悲しいけど…そこはこっちのいいところであり悪いところにもなり得るから。”そういうグループがあってもいいんじゃない?”とは思うけど。
――たぶん、いきものがかりとかDreams come trueとかですら最初はそういうことを言われてたと思いますよ。
パセリそう。ホントに男と女がグループ内にいたら絶対そういう話が出ますからね。
未來そうなんですか?私、何も考えないで始めたんですけど…
パセリそれは一生ついてきますよね。
――それでいいと思いますけどね。僕だって最初はそこから入りましたから。”なんだあのステージに立ってる男は!?”みたいな(笑)
未來そっか。
パセリ最初はそう思っていても聴く耳を持って評価してもらえる人を来年はもっとたくさんの人でやりたいですね。
4th ミニアルバム「ne temo same temo」
2021年12月20日リリース
2,000円(税込)
▼ 収録曲
1.あいをうたえば
2.ですてに
3.ペオプレ
4.087478
5.カミサマボクハ
6.ねてもさめても
7.嘘つきかくれんぼっち
8.ビューティフルデイズ
配信サイト一覧 https://linkco.re/1XEt6ZCx
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梶原パセリちゃん twitter https://twitter.com/K_PaseliChan