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BiSH x POP 初2マンライブに見た”WACK旋風”到来の予感

株式会社WACKとは、かつてBiSをマネジメント&プロデュースした渡辺淳之介氏が独立の後に発足したマネジメント会社。これまで多くのアーティストやアイドルのマネジメントやサウンドプロデュースを行っているが、現在そのWACKを代表するアイドルがBiSHとPOPだ。

今回、ライブハウス日本橋COCHLEA.のオープン記念で行われた「WACKプレゼンツ SUZUKIさんおめでとう。BiSH×POP」は文字通りWACKの主催イベント。そこで行われたBiSHとPOPによる初の2マンライブは前売り段階でソールドアウト。会場のオープンに相応しい盛り上がりとなった(ちなみに”SUZUKIさん”とはライブハウスのオーナーの名前)。

先行したのはPOP。ステージに一人で表れたシグサワアオの「お前ら!うしろ見ろ!POPの登場だぁー!!」を合図にして、新たに作られたというオープニングSEが流れる中で観客をかき分けて4人のメンバーがステージに立ち、「Happy Lucky Kirakira Lucky」「Daydream」でライブをスタート。最初から手加減なしに飛ばしまくるPOPを見た観客もファンの境なしに全力の声援を返す。フロアに立っていると床が激しく波打ち、”そのうち抜け落ちるんじゃ??”と不安になるほどの盛り上がりだった。

MCではシグサワアオが「ちょっとカミヤサキに話があるんですけど…」と突然の大説教タイム。

シグサワ 「元BiSのカミヤサキさーん。会場見てくださいよ。どこもかしこも清掃員ばっかじゃないですか!!」

カミヤ 「ごめんなさい…すいません。」

シグサワ 「元BiSのカミヤサキを信じて私たち4人は入ってきたわけ。それなのに途中でいなくなるし…」

カミヤ 「ホントに…。こればっかりは…。」

(観客、爆笑)

シグサワ 「BiSを利用して売れてるBiSHを見てムカつくって言ってたよね!」

カミヤ 「それは言ってない!言ってない!!言ってない!!!」

シグサワ 「言った!聞いたもん!!」

カミヤ 「言ってないよ〜(泣)」

シグサワ 「負けてらんないよね!元BiSとしても!POPとしてもさっ!」

カミヤ 「…と、冗談のような冗談でない感じなんですけど、私たちPOPはBiSHに勝つつもりでここに来ました!でも、一番大事なのはみんなが楽しんで帰ること!POP負けてられません。最高の楽しいライブとくと御覧ください!」

このやり取り(茶番?)はPOPも参加している「ANARCHY TOUR」でもお馴染みの光景らしいが、カミヤサキの言う「冗談のような冗談でない感じ」はこの2マンに懸けたPOPの思いが伝わってくる印象的な一幕だった。

その他にもイヌカイマアヤ作の「Plastic 2 mercy〜Alarm」のノンストップミックスを取り入れるなど新たな試みもライブに投じていくPOP。今のPOPが持っている勢いとフレッシュなパフォーマンスは、こういった小さな創意工夫が支えているのかもしれない。

その後のライブもさらにテンションを上げて一気に駆け抜け最新シングル「QUEEN OF POP」で締めくくったPOPはステージをBiSHにバトンタッチ。

メンバー6人が登場し、「BiSH!始めまーす!!」のリンリンのシャウトから「BiSH -星が瞬く夜に-」で幕を明けたBiSHのライブは「OTNK」、そしてメジャーデビューシングル「DEADMAN」とキラーチューンを連発。派手々々しいパフォーマンスが印象的なPOPとは異なるBiSHのエモーショナルなライブは良い意味で対照的だ。曲が進むごとにフロアの揺れはどんどん激しくなり、会場に充満した熱気と湿気は壁をつたう水となって滴った。

MCでは会場のオーナー”SUZUKIさん”へ「儲かってるらしいですよー ニヤニヤ」(モモコグミカンパニー)、「少しでも安く貸していだだけるように頑張りたいと思います」「SUZUKI社長に捧げる”スパーク”」(ハグ・ミィ)と下心たっぷりな私信を送るあたりは普段のBiSHらしい”ノリ”だったが、ライブに関してこの日のBiSHはいつもと違う雰囲気を感じさせた。

BiSHのライブというと客席の異様な昂ぶりが際立つ一方で、メンバーたちの「真面目さ」や「実直さ」、別の言い方をすればクールでストイックな姿勢が目につくことが多かった。ただ、この日のBiSHからはこれまであまり見たことがなかった”気合い”や”気迫”がこもったパフォーマンスを見せ、事実、「大阪のみなさん、まだまだ盛り上がっていけますかーー!?!?」と観客を激しく煽ったハシヤスメアツコも、終演後は「今日、酸素薄くなかったですか?いつもよりキツくかった…」と漏らし、セントチヒロ・チッチも疲労困憊した様子を隠せないほどに消耗していた。

BiSHをそこまで”燃えさせた”理由が、対バン相手にPOPあったのは確かだし、今やBiSHですら無視できない存在にPOPが成長してきた証拠とも言えるだろう。

BiSHとPOPが見せたライブは、それぞれが持っている勢いを象徴するようなパフォーマンスだったが、イベントの終了後最初に頭に浮かんだのは「WACK、やばいぞ」という感想だった。アイドルグループを運営する事務所は数々あるが、ここまで上り調子なグループを同時期に二組も所属している事務所というのもあまり聞いたことがない。

しかもこの先BiSHは、5月4日のメジャーデビューという大きなステップアップを控えているし、POPもここ最近のパフォーマンスを見ていればこの先さらに注目を浴びるのは間違いないだろうし、7月18日に行われる渋谷WWWワンマンへの期待は高まるばかりだ。

折しも先日、なにかと”思い入れ”が深い「TOKYO IDOL FESTIVAL 2016」への出演を発表したばかりのBiSHとPOP。昨年のネガティブな思い出を吹き飛ばし、TIFにとどまらず2016年のアイドルシーンに”WACK旋風”が吹き荒れるかも知れない。そんな予兆すら感じさせたBiSHとPOPの2マンライブだった。

「WACKプレゼンツ SUZUKIさんおめでとう。BiSH×POP」セットリスト

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