「夢などなくても輝ける」
タイトル未定 ワンマンライブ「汽笛」
2023年2月18日（土）にZepp Sapporoで開催されたタイトル未定のワンマンライブ「汽笛」を見て最も印象的に残ったのが新曲「未完成のパレード」の中で冨樫優花が歌ったこのフレーズ。
タイトル未定の目標であり憧れの場所だったZepp Sapporo。そのステージで放つ言葉としては意外にさえ思えるほど逞しく力強いメッセージは彼女たちの現在地とその先に待つ未来を明示するようなライブだった。
「遠い未来のことだと思っていた…」
「でも、たどり着いた場所はまだ終点じゃないんだって」
メンバーの語りから始まったワンマンはファンの拍手を汽笛代わりにしてその幕が開き、「♪自分らしく進めばいい遠回りをしても」と歌う「綺麗事」がオープニングナンバー。
そして「♪夢見たい夢に見てた」で始まる「主題歌」へと続いていくライブ序盤は、まるでZepp Sapporoまでのタイトル未定の歩みを振り返っているよう。さらに3曲目は「♪君がくれた笑顔 たまに涙 何もかもが 僕にとっての道標なんだよ」と歌う「道標」。
普段当たり前に見ていたあの曲もこの曲もこの日はどこか特別な意味を持っているように感じられ、見ている側をより深くライブへと引き込んでいった。
最初のMCではメンバーそれぞれが観客として訪れたZepp Sapporoでの思い出を語り合い、川本空が「ファンサービスがもらえなかった…」と語り会場を湧かせる一幕も。
また声出しもOKだった本公演、発声練習代わりにメンバーとファンがコールアンドレスポンス。「そらちゃーん！」「ゆうかー！」「はなちゃーん！」「のあちゃーん！」と呼びかける声で会場は一層温まって再びライブパートへ。
「いつか」では電飾が流れ星を映し出し、「灯火」ではLEDパネルに灯籠が上がり、「六花」では会場内に雪が舞い降りるなど歌の世界観に合わせた多彩な演出が大舞台に華を添えていく。
そしてこの日のワンマンで特筆すべきことの一つは「前髪」のカバー。「前髪」は言わずと知れたアイドルネッサンスの代表曲だが、昨年のTIFのメインステージ争奪戦で優勝したタイトル未定は、その前哨戦で「前髪」のカバーをYouTubeで披露していた。そんな思い出深い曲をファンの前で初披露。ピアノをメインにしたオリジナルアレンジの「前髪」をタイトル未定の4人は噛みしめるように歌っていた。
また、タイトル未定の楽曲の中でもひときわ異彩を放つポエトリー楽曲「最適解」ではアイドルに憧れていた”あの頃の誰か”の物語を綴り、阿部葉菜は「ありがとうね！みんな！」とオリジナルの歌詞をアレンジして4人のこれまでの道のりを讃え合った。
ライブの後半ではサプライズの新曲「ないしょのはなし」も披露。「♪今日ここで話すことを君だけは聞いてほしい」と語りかけるように歌った内容は未来に向けた新たな決意。タイトル未定からの告白にも似たメッセージを新曲に乗せてファンに届けていた。
そして、タイトル未定の4人から会場に集ったファンへのメッセージ。
阿部葉菜
「Zepp Sapporoに立たせてもらったり、色んなことができるようになったり、人生で夢が叶う瞬間ってそう何度もないと思うので、これからも欲張りにもっともっとって思えるように、自信をつけて歌っていけたらいいなって思います。一緒に夢を叶えてください。これからもよろしくお願いします。」（阿部葉菜）
川本空
「私がタイトル未定に加入してから約10ヶ月ぐらい経とうとしてるんですけど、「ありがとう」って伝えても伝えきれないほどいつも応援してくれてるファンのみなさんのおかげで辛いことがあっても頑張れているし、このステージにも立てました。こんな私だけどこれからも温かい気持ちで見守っていて欲しいです。そしたら私は幸せです。これからも頑張れます！最後に一言、みんなありがとー。愛してるよー。ホントだよ！」（川本空）
冨樫優花
「夢のステージに今立てています。本当に幸せ者です。今日の日に向けてリハーサルを重ねたり、準備をたくさん重ねたりしている中で、すごく愛おしくてかけがえのない時間だなって思いました。そう思わせてくれたのはメンバーだったり、スタッフさん、そしてファンのみなさんが支えてくださってるからです。みなさんの人生の一部というか心の片隅にでも存在していることがすごく幸せです。みなさんとならもっともっと大きい場所、見たことのない景色を見ることができると思うので、これからもタイトル未定の応援をよろしくお願いいたします。」（冨樫優花）
谷 乃愛
「このZepp Sapproのワンマンは去年のツアーファイナルで発表されて約半年経ちました。この半年間すごい濃い期間だったしあっという間だったなって感じてます。私にとってZepp Sapporoは本当に目標であって憧れであって、お客さんとしてでも来てた場所だったので、5年間北海道でアイドルをやってきてまさか立てるなんて思ってなかったので本当にすごく嬉しいし、今日みなさんとこの日を迎えられたことがすごく幸せに思います。私は2月11日でタイトル未定に加入して2年が経ちました。貢献できてるかな？って不安に思ったりすることもあるんですけど、これからも私らしくみんなと一緒に頑張っていけたらいいなって思ってます。Zepp Sapporoがゴールじゃなくてまだまだ通過点だと思ってます。もっともっとタイトル未定は上を目指してみなさんと一緒に夢を叶えていきたいなと思います。これからもずっとよろしくお願いします。みんなのことが大好きです。」（谷 乃愛）
4人がそれぞれの想いを伝えた後、タイトル未定が9月5日にZepp Sapporoでの2度目のワンマン開催、さらに4月18日に全国版シングルをリリースすることを発表。しかも4月にリリースする新曲は3月20日の東京でのワンマンライブでお披露目されるとのこと。
憧れだったZepp Sapporoのステージを次への目標に向けたステップに変えたタイトル未定。大発表の後にはデビュー曲の「踏切」、そして大一番には欠かすことができない「鼓動」を披露した。
ライブも終盤を迎えるこの頃になると場内のボルテージは最高潮。さらにそれに続いて披露された新曲「未完成のパレード」は、もはや空へと駆け出していきそうなほどの盛り上がりを見せる。
”未完成”であることを臆することなく堂々と歌い上げる姿、”パレード”と呼ぶにふさわしい晴れやかな楽曲、そして冒頭に記した「星などなくても輝ける」という自信に満ちたフレーズ。それら全てがタイトル未定の明るい未来を占っているようでもあり、この「未完成のパレード」こそがこの日のZepp Sapporoに最も相応しい曲に思えた。
そしてライブはいよいよフィナーレへ。記念の写真撮影を終え、川本空が「言いづらいけどホントにこれが、次が最後で最後の最後の曲です」と振った最終曲は「青春群像」。
大サビをタイトル未定とファンの全員で合唱し「また札幌で会おーーー！！」とシャウトすると場内には銀テープが打ち出され、大団円の中でライブは終了。
これ以上ないほどの満足感と終演後の余韻に浸りつつも、やがて頭に浮かんできたのは3月20日に控えている東京恵比寿リキッドルームでのワンマンのこと。
4月にリリースされる新曲のお披露目はもちろん、この日とはまた違う素敵な景色をタイトル未定が見せてくれるのでは？という贅沢な期待を残していったZepp Sapporoだった。
タイトル未定 ワンマンライブ「汽笛」セットリスト
2023年2月18日（土）＠Zepp Sapporo
１．綺麗事
２．主題歌
３．道標
４．いつか
５．溺れる
６．灯火
７．黎明
８．蜃気楼
９．前髪（アイドルネッサンスカバー）
10．六花
11．最適解
12．夏のオレンジ
13．僕ら
14．ないしょのはなし（初披露）
15．踏切
16．鼓動
17．未完成のパレード
18．青春群像
タイトル未定 ワンマン 東京「 音色 」BAND SET
2023年3月20日（月）OPEN 18:00／START 19:00
恵比寿LIQUIDROOM
優先 ¥6,000／一般 ¥2,500
チケット http://r-t.jp/miteititle
リンク
タイトル未定 オフィシャルサイト https://miteititle.com/
タイトル未定 オフィシャルtwitter https://twitter.com/MiteiTitle