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アイドル第四編集室

タイトル未定さんの好きを語ろう -札幌・東京のワンマンを振り返って-

タイトル未定のZepp Sapporoでの「汽笛」、恵比寿LIQUID ROOMでの「音色」を見てきました。その前に開催された札幌でのワンマンの様子はレポートを掲載しているのでそちらもご覧ください。

「夢などなくても輝ける」タイトル未定 初のZepp Sapporoワンマン開催。”汽笛”も高らかに新たな境地へ

札幌ワンマンを見終わった後に「これは札幌と東京のワンマンの2つで一つみたいな構成なのかな?」と思ったのですが、実際には札幌は札幌、東京は東京、それぞれの見せ方でこれからのタイトル未定の可能性と未来を感じさせたワンマンでした。

僕が現行のアイドルシーンを追いかけ続けて10数年あまり。過去も現在も”これはいいぞ!””めっちゃ好きだぞ!”と思うアイドルさんはたくさんいるのですが、それぞれのアイドルさんについて具体的に”何がいいのか?”、”どこが好きなのか?”の言語化(記事化)を怠っていたように思うので、これを機に色々なアイドルさんの”好き”の整理とまとめをしていこうと思っていました。

今回はその”好きを語る”シリーズの第一弾。タイトル未定さんの”好き”を札幌と東京のワンマンを振り返りながらまとめてみたいと思います。

ライブとその作り込み&演出から滲み出るメッセージ

これは今回の2つのワンマンを見て特に強く感じたことなのですが、僕が思うタイトル未定が好きなところはライブの作り込みと演出、そしてそこから伝わってくるメッセージです。

まず札幌のワンマンについてですが、Zepp Sapporoはタイトル未定にとって目標だった場所。そのワンマンのタイトルが「汽笛」だったことに「なんでろう?」という思いが少しありました。

その答えは先のレポートにも書きましたが、冒頭での「遠い未来のことだと思っていた…」「でも、たどり着いた場所はまだ終点じゃないんだって」というメンバーさんたちの語りが全てで、「汽笛」がタイトル未定にとって新たな出発の合図であることを示していました。

また「汽笛」と同じく鉄道がモチーフとなったデビュー曲の「踏切」を披露したのがライブの後半、メンバーが今後の決意を語った挨拶の後だったことにも初心への立ち返る姿勢とそこからの再出発していく姿を連想させ、さらに本編の最後に新曲の「未完成のパレード」をお披露目したことは、この先に広がっていくタイトル未定の明るい未来を印象づけました。

東京のバンドセットのワンマンでもストリングスの”音色”が特に際立つ「最適解」と「未完成のパレード」をセトリの最初と最後に組んだり、札幌と東京のどちらも中盤に一曲カバーを挟んだり、ライブの構成そして演出の一つ一つに練り込まれた意図とメッセージが感じられるのがタイトル未定のライブです。

もしかしたら「それって大掛かりな演出を入れられるワンマンだからできるんでしょ??」と思う人もいると思いますが、決してそんなことはない僕が思う”タイトル未定の本当の魅力と好きになった理由”については次にまとめたいと思います。

楽曲の中の登場人物とメンバーのオーバーラップが浮かび上がらせるリアルな人間像

僕が見てきたタイトル未定は今の体制(冨樫さん、阿部さん、谷さん、川本さん)だけなのですが、タイトル未定の楽曲の登場人物たちと、それを歌うメンバーさんたちやグループの影が重なって見えることがしばしばあります。

最新曲の「花」のMVなんかがまさにそれで、最初に見た時の”これです!僕が思うタイトル未定はこれなんです!感”がハンパなかったです。

そうした作品と本人の一致というのは、作り手側のイメージとメンバーさんの実像が似通っている場合やメンバーさん自身が作り手の意図を汲み取ってそれを見事に表現している場合など様々なパターンがあるんだろうと思うのですが、タイトル未定の楽曲の中の登場人物たちは意外とネガティブで、当たり前のように挫折も経験しているし葛藤も抱えています。

そこにいるのは(タイトル未定を見た多くの人が感じているであろう)理想化されたアイドルの姿ではなく、自分たちと何も変わらない生身の人の姿です。

そんなごく当たり前な人間の姿や感情を、歌とパフォーマンスで表現している4人に気づいた時、それまで「なんか好きだな」ぐらいの気持ちで見ていたタイトル未定が実は自分と同じ世界線の話、地続きでどこかにいる誰かの話を物語っているように感じられました。

たぶん僕がタイトル未定に”ハマった”のはこの瞬間です。

しかも4人がライブする姿からは、タイトル未定のプロデュースワーク、楽曲やビジュアルや衣装、メンバーさんたちの歌唱やパフォーマンスの中にある一貫した信念(コンセプト)や、それを一身に磨き上げてきた確固たる自信すら感じさせます。

タイトル未定を見始めた最初の頃、場所がどこであっても対バン相手が誰であっても自分たちのパフォーマンスをやり切る逞しさ(?)に驚いたことがあったのですが、その理由はこんなところにあるんじゃないかと思っています。

そしてさらに僕がタイトル未定を見ていて(聴いていて)好きだなと思うところがもう一つあります。

MARVEL真っ青の楽曲ユニバース感

僕は元々歌詞を読むのがとても好きな人なのですが、タイトル未定の歌詞を読んでいて気になったことがありました。

それはある曲のタイトルが別の曲の歌詞の中に使われていることです。

「青春群像」の歌詞の中には”道標”や”主題歌”や”綺麗事”や”鼓動”という言葉がありますし、”鼓動”というフレーズは「綺麗事」にも「踏切」の中にも出てきます。

いくつかはただの偶然でいくつかは明確な意図があった上での創作なんだろうと思いますが、全く別の曲だと思って聴いていた曲同士の”つながり”が垣間見えた時、「あの曲とこの曲は実は同じ世界線の中での出来事だったんだ!」とイメージしていた楽曲の世界観が一気に広がったのを感じました。

MARVELでいうところのシネマティックユニバース(MCU)というやつですし、「3月のライオン」にハチクロメンバーが出てきた時のあの高まりです。あれと同じワクワク感を楽曲を通じて感じさせてくれるタイトル未定。やっぱり好きすぎます。

…ってもやっぱりメンバーさんが一番すごい

タイトル未定の制作チームのモノづくりへのこだわりについて多くを語ってきましたが、なんだかんだでやっぱり一番すごいのはやっぱりメンバーさんたちだと思っています。

たくさんの人達からの様々なオーダーと期待を一身に受け止め、鍛錬を重ね、ステージに立ち、それらを”表現という形”にして見ている人たちに届けているのは他の誰でもないメンバーさんたち。その歌う姿や立ち居振る舞いを見て僕らは笑顔になり、心を動かされ、時に涙してしまう訳です。

先日のワンマンでも「こうしてライブができるのは色んな人の支えがあってのこと。それは決して当たり前のことではない」という話を谷 乃愛さんがされていました。それはたしかにその通りかもしれませんが、見ているこちらにとってはあの日ステージに4人こそが一番当たり前じゃない存在でした

きっとそんな4人と未定さんチームがあくなき未来を見続けている限り、タイトル未定はこの先もずっと成長の道を辿っていくんだろうと思います。

先に紹介した新曲「花」のMVは札幌ドームを4人が見上げるシーンで締めくくられていましたが、実は僕がリキッドルームのワンマンを見ながら頭に浮かんでいたのは武道館でした。

今回、札幌と東京の2つのワンマンを見させてもらって、タイトル未定はたくさんの人、幅広い人に向けた活動していくのが似合ってると感じたんだと思います。

札幌ドームも武道館もとんでもなく大きな場所ですが不思議とそこに立っている4人の姿は違和感なく想像できましたし、先日のZepp Sapporoのようにどんな大舞台も通過点に変えて進んでいくタイトル未定の姿をこれからも見続けていきたいと思いました。

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