5人組ダークポップダンスアイドルユニット・クロスノエシス。2020年2月にRISA、MAIの2名を加えて5人での活動をスタートし、コロナ禍の中にありながらも配信ライブを含めた積極的な活動を行い、12月4日には2ndワンマン「Construction」を開催。ソールドアウト公演となったライブでは自らの世界観を存分に訴えかけるステージでファンの期待に応えた。
そんなクロスノエシスに3度目のインタビューを実施。ワンマンライブでの出来事やコロナ自粛の逆風の中を切り抜けてきた今年1年の活動を振り返ってもらった。(live photo by モリカワタイヘイ)
5人のクロスノエシスを見せつけた2ndワンマン「Construction」…の知られざるエピソードトーク
――まずは2ndワンマンの話を聞きたいんですが、コロナの関係で5月と8月の2回も延期になってしまったことに関して、みなさんの心持ちはどんな感じだったんでしょうか。
FLAME練習もありましたし、配信ライブをやらせてもらったりしていたので、停滞しないように動こう、みたいな感じでずっとやってました。
――モチベーションを保つのが大変だったとかは?
FLAMEそういうことはなかったんですけど、手売りチケットを持ってる方には本当に待たせてしまったのでその罪悪感と、これだけ待たせたんだから中途半端なことはできないなっていう気持ちはありました。
AMEBA自粛期間にライブができないのはすごく嫌でしたけど、配信っていう新しい文化ができて、今回のワンマンでも、配信を観て来てくれる人がたくさんいたのですごく嬉しかったです。
――じゃあ気持ち的にしんどいとかはなかった?
AMEBAライブができない4月5月とかは辛かったですけど、配信をやるようになってからだんだん気持ち楽になりましたし、むしろ良かったなって。
FLAMEモチベーションが下がったメンバーはたぶんいなかったと思う。
LAKEこの期間でもっとより良いものにしようと思ってたので、逆にモチベーションは上がったのかな?って私は思います。
MAI延期が何回あっても万全の状態でワンマンをやらせてくれる環境をスタッフさんたちが整えてくれる信頼がありましたし、クロスノエシスもワンマンのためだけに頑張ってるというよりは、その先にあるものに向かってやっていく途中のワンマンたと思ってたから、ワンマンが延期になるってだけで気持ちが落ち込んだりするのはなかったです。5人のスキルも上がってお客さんとも一体感が生まれてきたタイミングで改めてワンマンができたのは良かったと思います。
FLAMEワンマンのタイトルの「Construction」っていう意味でも強固な感じのものを作れた気がします。
sayshineRISAとMAIが入っての初めてのワンマンだから、それは見せたいし、でもそれにしては加入してから時間が経っているし…っていうやり辛さはありましたね。
――本当だったらワンマンで5人ができあがるはずだったのに…
MAIファンの人にも「ワンマン初めてだったっけ?」って。
RISAめっちゃ言われた。
FLAMEそれこそスタッフの方には色々と動いていただいたので大変だったと思うんですけど…
sayshineでも、会場を変えたことで当初より多くチケットが売れたんですよ。それがソールドになったのも延期したおかげで、この子たちを知ってくれる人が増えたっていう良い面もありましたね。
AMEBA本当に増えましたよね。5月以降に知った人の方が多いと思う。
FLAME昔からいる方は待たせちゃったけど、その分をプラスになったことも大きかったのかな?って。
――ワンマンの中身についても聞かせてもらえたらと思うんですが、僕は「cross」から始まると思ってたんですよ。
AMEBA蛇衣装で「VISION」と「VENOM」と「VOICE」をやって、前の衣装で「cross」「薄明」「インカーネイション」をやったのがすごく良かった。衣装の切り替えのタイミングと選曲が合ってて。
FLAME普通だったら前に使ってた衣装から時系列にやったりするんだと思うんですけど、今回のシングルがメインな感じでセトリを作ってくれたので。
RISA5人体制のファーストシングルだから時系列を追うよりも”これが今の私たちですよ”みたいな。
AMEBAあと前半の「VISION」「VENOM」「in the Dark」「残夜」が夜っぽいのに対して、「ペトリコール」「previously」「VOICE」の朝っぽい感じが対照的で…
sayshine雨の映像(転換時の映像)見た?
FLAME見ました。雨が止んでいくのにつれて…っていう神々しい映像だった。
RISAでも、それすごく前の段階で言ってませんでしたっけ?夜から朝になるみたいな…
LAKEすっごい聞いた気がする。
sayshineそうだっけ?
FLAME本人、絶対記憶ないよ(笑)
AMEBA「in the Dark」と「残夜」が深夜みたいな感じで、転換の映像で夜が明けて雨も止んで「ペトリコール」っていうのがすごく良かった。
――そこまで気づけてなかったです。ごめんなさい…
一同(笑)
FLAME初期の「残夜」とか「薄明」とか、あの辺りの曲は時間経過の名前がついてるみたいで、「ペトリコール」も雨が降り始めた時の土から上がってくる匂いからついてるんです。
LAKE結構深いんだよね。
FLAME生活というか日常の中にある要所要所のことを曲にしているから、解釈を深めた時にすごく納得がいく流れを作れるというか。
AMEBAあと「cross」前のSEの「skit」については照明要望(会場の照明スタッフに提出する指示書)をちらっと見たことがあって。そこには「夕焼けっぽい感じで」って書いてあったから、あそこは夕焼けらしいから夜〜朝〜昼〜夕方みたいな感じの流れになってるんだなって思いました。
――素敵だ…
一同(笑)
――もう少しワンマンの話を聞きたいんですが、ステージに立ってた時のことで覚えてることはありますか?
FLAMEお客さんがすごく前向きな表情だったというか。前回の1stワンマンは見る人によっては暗い感じで終わってしまったかもしれないけど、今回は5人で初めてのワンマンでもあるしプラスの意味合いを持たせたいワンマンでした。最後に「SEED」をやったんですけど、全部やり切った後に”この5人のクロスノエシスでやっていきます”っていう終わり方ができたと思います。
MAI今のご時世ってアイドルグループの解散とかが多いじゃないですか。私のファンの人は私が入ってからクロスノエシスを知った人が多いから、大きいライブってなるとそういう発表があるんじゃないか?みたいなのがどうしても心にあるみたいなんです。
――今のクロスノエシスにその不安を感じる人がいるんですね。
AMEBAでも、MAIちゃんはそれの経験者だから(笑)
MAIシーッ!(笑)前回のワンマンもワンマンと言いつつ卒業ライブみたいなものだったと思うので、トラウマを抱いてるお客さんもいたんじゃないかのかな?”改めて全力で応援していきたいって思った”ってことを言ってくれる人がすごく多かったので、それがすごく安心しました。私たちが思ってることもちゃんと伝わったんだな、って。
――RISAさんはその点に関しては?
RISA5月の時点でワンマンをやってたら、”このワンマンで5人体制を認めてもらわなきゃ”っていう必死感がある中でワンマンをやることになったと思うんです。でも、延期になってその間も配信ライブでずっと経験を積んできて、クロスノエシスのメンバーとしての立ち位置やあり方が確立された状態でのワンマンライブだったので自信を持ってステージに立てました。だから5月と12月にやるのとじゃ捉え方が違ったなって思ったし、私のお客さんはみんなお祭りみたいな気分で来てたので…
――お祭り??
RISA私のファンの人は不安とかはなくて、”これからも頑張ってくれるよね?”みたいな感じで、”やったー!お祭りだ!いぇーい!”みたいな感じの人が多くて。
FLAME卒業の不安を抱えてたのは割とこっちの3人(AMEBA、FLAME、LAKE)のファンの人で…
AMEBAそう。言ってた言ってた。
LAKEたぶん私がワンマンの前に更新したブログがあまりにも怪しかったんですよ。(https://lineblog.me/crossnoesis/archives/2544478.html)
MAIえ?そうなの!?
FLAME全然思わなかった!
LAKEそう。私も全然そんなつもりなくって前向きに、”これからもよろしくね!”って書いたつもりがそれを不安に思っちゃったのか…
MAI新しい人が入ると前のメンバーが抜けてしまうっていうのが多いから…
LAKEそういうことを数名の人に言われて。「そうだったんかー」ってちょっと申し訳ない気持ちになりました。
FLAMEれーちゃん(LAKE)は、”今ある全てをワンマンにぶつけます!”みたいな思いだったのに、不安がある人からは”ここで燃え尽きます!”みたいに捉えられちゃったんだと思う。
RISA”感謝の気持ちを伝えられるライブ…”とか…曲解すればね。(ブログを読み返しながら)
MAIなるほどね。
――でも、ワンマンのLAKEさんはめちゃめちゃ良く見えましたよ。
LAKEありがとうございます。でも、ずっとソワソワしてて…
RISAワンマンが初めての人みたいだった。
LAKE楽しみだったし、やっと来たワンマンだったんですけど、ちょっとパニックだったというか。コンビニに行って全然欲しいものがないのに、取っては返して取っては返してっていうのをやってて。そしたら音響の方に会って「どうしたの??」って声をかけられて…。でも、だからこそ本番始まった時はすごく嬉しかったし…私は涙腺が弱い方で。
MAI泣いてた。
LAKE最初のSEが流れた瞬間から高揚感がすごすぎて、始まって前見てお客さんを見た時にもうダメだった。自分はクロスノエシスと一緒に成長するじゃないけど、クロスノエシスで経験することが全部初めてだからこそ、一個一個が全部新鮮?こんなに大きなところでやれるまでの過程が嬉しかったりで初っ端から多幸感に包まれてました。
FLAME逆にMAIちゃんはすごく落ち着いてたよね。
MAI私は基本的にライブは練習したことをやるだけだと思ってるし、自信がないものを見せる気も更々ないっていうスタンスの人なので緊張とかは全くしないんですけど、でも今回のワンマンはめっちゃ身体を壊しちゃってて…
――えっ!?そうだったんですか?
MAI腰を壊しちゃってて…。気持ちは本当に元気だったんですけど、身体が本当に限界過ぎてしんどかった瞬間が結構あって「なんでこんなに動けないんだろう…」って心が折れかけてました。それで気持ちが落ち込んだりもしたんですけど、会場的にもお客さんの表情が見やすい会場だったので、色んな人の来てくれる人たちの顔とかを見てて、「せっかく来てくれているのにこんなんじゃダメだな」っていうので途中で持ち直せました。
FLAME本当なら寝てなきゃいけないぐらいだったんですよ。
――元々腰が悪かったんですか?
MAIいや。ちょっと前に壊れたのが治らなくて…って感じです。
FLAMEMAIちゃんってダンスがすごく好きだし、踊ってたいって想いがすごくある人だから、それができないフラストレーションというか。私もそういうタイプなのでそういう人間が踊れないのって本当に辛いだろうなって。
MAI壊れてたピークの時がワンマンで。でもあの日にやれる限界のことはできたかなと思ってるので後悔してるとかはないんですけど大変だったなぁって感じです。
――AMEBAさんはワンマンで印象的だったことはありますか?
AMEBA実は私も喉を壊していて…。リーダーという訳ではないんですけど、大切な役割を担うこと増えてきてる中でのワンマンなのにゲネプロの前ぐらいに喉がおかしくなってしまって、それでリハーサルで泣きすぎて…。MCも本当は進行を全部やる予定だったんですけどそれも周りに助けてもらって。で、いざワンマンが始まったらコンタクトが…
MAIそれは喉と関係なくない?(笑)
AMEBA喉のことで泣きすぎて…
MAIあ、そうだ!!
AMEBA涙を流し過ぎるとコンタクトってめちゃくちゃ霞むんですよ。
FLAMEタンパク質で濁っちゃうんです。
AMEBAそれでお客さんの顔が全く見えなくて…(笑)
MAI着替えで袖に行った瞬間に「目にタンパク質がぁ…」ってずっと言ってて(笑)
AMEBAお客さん一人ひとりの顔が幻みたいにしか見えないワンマンライブに…
――(笑)
LAKEよくやってたね。
AMEBA「SEED」でみんな泣いてるって言われたんですけど誰も見えなくて。たしかに泣いてる声は聞こえたりもするけど顔がホワーンって(笑)
MAI輪郭しか見えないやつでしょ。
AMEBA声はリハの時よりはでました。
FLAME持ち直したよね。
――アンコールで「SEED」をやろうって言ったのはsayshineさんなんですか?
FLAMEはい。でも、演出を考えたのはみつこ(AMEBA)です。
――そうなんですね。前にsayshineさんに「なんで最近ライブで「SEED」やらないんですか?」って聞いたことがあるんですよ。その時は「ワンマンで…」みたいに言われたんですけど、その後ワンマンが延期になっても「SEED」だけはやられてなかったので、ワンマンで見れたのは嬉しかったです。
AMEBA元々ワンマンでやるつもりだったんです。延期しても「Construction」でやるっていう意思があった曲だったのでそのタイミングでやりました。
FLAME私たちの中では「SEED」は他の曲と同じ今までやってた曲の中の一つなんですけど、お客さんにとってはやってなかった期間が長すぎたのですごく想い入れができてて…
RISAこの自粛期間の間に特別なものになってしまったのかな?
MAIワンマンの延期のせいでどんどん意味が…
AMEBA全然そんなつもりなかったのに。
RISA「SEED」はどういう意味で歌詞を書いたって言ってましたっけ?
sayshine「SEED」は曲を作った時点でタイトルを「SEED」にすることを決めていて…
RISA羽ばたいて行って欲しいとかでしたっけ?
sayshineそんな感じ。
LAKE未来に向けた曲ですよね。
RISA勝手な解釈なんですけど、メンバーに羽ばたいていって欲しいっていう気持ちで書いてる曲は何回延期されても5人体制で初のワンマンで初披露するべきだったと思うし…何言おうと思ったんだっけ??
AMEBA違うものになった。
RISAそう!違うものになったんですよっ。
MAIキレ気味じゃん(笑)
FLAMEワンマンでアンコールでやることになったので、何かしらの演出を入れたいって相談をしてる時にみつこ(AMEBA)が自主練の時に「こういうの考えたんだけど…」って言われてやってみたら結構いい感じだったのでスタッフさんに送ったら採用していただけて。衣装を変えたりしたのも相まってすごくいい感じに5人の「SEED」ができたと思います。
AMEBA5人がバラを持ってるんですけど、バラ5本で「あなたに出会えてよかった」っていう花言葉になるらしいです。
――めっちゃロマンチックじゃないですか!
一同(笑)
――色々あったにしても、ファンの人たちが待っていた分の期待に応えるアンコールだったんじゃないかな?って思います。
AMEBAそうですね。
FLAMEワンマンであの演出でやったから自分たちの中で後ろ向きじゃない感じでできたのはすごく嬉しかったから、ファンの人たちもそう捉えてくれてればいいな、って思います。