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AZUMA HITOMI ミニアルバム「CHIRALITY」インタビュー

2014年6月25日に1stミニアルバム「CHIRALITY」をリリースするAZUMA HITOMIのインタビュー。アルバムタイトルと楽曲に込めたメッセージを紐解いていく。そして宅録女子と言う言葉に隠されたAZUMA HITOMIの真の姿に迫る「AZUMA HITOMIとは何なのか?問題」は意外な結論に!?さらに立花ハジメをゲストに招いて開催される6月27日の誕生日ワンマンライブへの抱負も語ってもらった。

 

「CHIRALITY」-AZUMA HITOMIにとっての音楽と世界との関わり方-

ミニアルバムの制作は順調でしたか?

AZUMAリリース日を先に決めてそこに向かってスピーディーに作業していったのでちょっと慌ただしかったけど、でも曲がかけないとか言うこともなく最後の最後に新曲を書いたりとかもして、いい感じに進んだんじゃないかなと思います。

前回「食わずぎらい」のインタビューでミニアルバム制作の話をした時はまだぼんやりしてたと思うんですが。

AZUMAあれいつ頃でしたっけ?

3月の終わりごろですね。

AZUMAそれでぼんやりしてたらヤバいですね(笑)始めたらやるしかないって感じなんですが、その前の果たして今、頭に思い浮かべてるものが形にできるのだろうか?って時が一番焦るじゃないですか。なのでその時期だったんだと思います(笑)

ミニアルバムのタイトルが「CHIRALITY」(キラリティ)。まず言葉の意味合いを教えてもらえますか?

AZUMA物理とか化学とかで出てくる単語で、例えば右手と左手の関係って鏡に写った形ですけど二次元だと形を重ねることができないですよね。こう言う鏡写しの状態でしか重ならない状態のことを「キラルである」とか「CHIRALITY(キラリティ)」って言うんです。例えばタンパク質とか糖分はこの右手と左手のような構造分子になってて、分子式は同じなんですけど、片方は甘みを感じるけどもう片方は苦味を感じたりする対称的な性質を持ちながらも、一つのものとして存在しているって言うことがあるんですよね。

なるほど。

AZUMAそれって自分がいる世界や自分の感情についても同じような事が言えるんじゃないかな?と思って。一見ひとつの事柄でしかないんだけど、それをよく考えていったら相反する2つの物を孕んでいたりとか。「嬉しい」と言う感情だけでも、その反対の「悲しい」っていうものを含んでいるんじゃないか?とか。そういうバランスがあってこそこの世界が成り立っているのでは?っていうことを考えながらアルバムを作ったのでタイトルを「CHIRALITY」にしました。

「CHIRALITY」の考え方は元々AZUMAさんの中にあったものなんですか?

AZUMA最初はCHIRALITYと言う言葉はなかったんですけど、私は「自分がどういう風に世界と関わっていくのか」って言うことを分かりたいから音楽をやってる、っていうことを自覚していったんですね。でもそれは善悪とかの二元論では語れなくて。自分にとっての正義でも誰かにとっては違うかもしれない。不謹慎って言われるようなことでも、正しさと不謹慎な部分を全部くるんだ美しさとして私の目の前にあるかもしれない。そう言うことをひとつずつ分かりたいって思ったんですよね。

今回のミニアルバムを聴きながら「CHIRALITY」が曲の中にどう落とし込まれていってるのかを僕なりに掘ってみたんですよ。

AZUMA出た(笑)

「free」の歌詞にある右手と左手はCHIRALITYのことを言ってるんではないか?とか。「137」と言う曲が収録曲の中で唯一記号なので、この「137」の中にCHIRALITY的な何かが含まれてるんではないか?とか。

AZUMAおおーー!(笑)

でも、最終的に「これ」と言う答えは出せなかったんですが、収録されてる一曲々々の根底にはCHIRALITYのコンセプトが含まれてるってことですよね。

AZUMAそうですね。例えば「スイマー」と言う曲で”私は私と離れられない”って言う歌詞が出てくるんですけど、それはさっき言った右手と左手のような鏡に映ったもう一人の私と言う意味をちらつかせてます。でもそれは自分と向き合うってことではなくて、自分に起きている事は世界でも起きていて、世界で起きていることは私の中でも起きてる、みたいな感覚で。そういう何か対峙してるものとしてCHIRALITYのイメージはあります。

「スイマー」の他に、象徴的にCHIRALITYのコンセプトが反映されてる曲はありますか?

AZUMA曲や歌詞もそうなんですけど、今回のアルバムが(1stアルバムの)「フォトン」の縮小版になったら嫌だな、ということもちょっと意識したんですね。でも「CHIRALITY」ができていくうちに一曲々々突き抜けて書くことができたって言う意味で「フォトン」を超えたと思っているので、「フォトン」対「CHIRALITY」という向き合わせの意味でも自分の中でとても納得がいきました。

では、収録曲について聞かせて欲しいんですが、割と夏について歌ってる曲が多いですよね。

AZUMAそれはちょっと意識しました。夏には絶対出したい、と思っていたから出たんだと思います。

歌の内容だけじゃなく、サウンドを夏に寄せることは考えなかったですか?

AZUMATUBE…みたいなことですか?

分かりやすく言うとそういうことですね(笑)

AZUMAいや、全然。夏と言っても♪常夏の楽園ベイベー、みたいな感じではないので(笑) 季節は夏ですけど「free」は8月と9月の間(はざま)の何かの終わりと何かの始まりで、それが続いて行くのか行かないのか?っていう時間や記憶の概念だったり…。夏そのものの景色が見えるのは「ユーアーライダー」と「プリズム」だと思います。「ユーアーライダー」は自転車で坂を登っていくので、ちょっと爽やかな初夏の風が吹いたジブリっぽい景色をイメージして書きました。

今AZUMAさんが言ったみたいに夏の中でも「儚さ」を歌ってるのが多いなと思ったんですが、夏はイメージはそっちの方が強いですか?

AZUMA基本的に夏好きじゃないんですけど(笑) 思い出すとすごいキラキラしてるじゃないですか、夏って。あんなに蒸し暑くて夏バテとかしてたのに、出会った人だったり、夏に起きた楽しい事とか辛い事とかって、夏の独特のかげろう的なものとか、眩しい日差しとか、薄着だったりする自分とか…匂いを伴った記憶が思い出されることが多くて。なので「プリズム」は、それぞれの夏の光を重ねていけば自分なりの虹色の世界になっていて…っていう。そんな振り返るような気持ちが私の夏のイメージの中にあるんですよね。

AZUMAさんにとっての強烈な夏の思い出はありますか?

AZUMA好きな人に出会うのは夏が多い…。

ほう。アバンチュール的なことですか?

AZUMAアバンチュール的なこと…ですかね?わっかんないけど(笑)

ただ、あまりAZUMAさんからアウトドアなイメージはしないんですが。

AZUMA全然アウトドアはしません。だから夏フェスで出会うとかじゃないです。

海に行ったりとか…。

AZUMAあー、ないないない。ないです。もしかした冬にも好きな人に出会ってるかもしれないですけど、夏の方が何故か記憶に残るんですよね。

「プリズム」の最初のピアノの音色はグランドピアノを弾いたらしいですが。

AZUMAそうです。初めての生ピアノで。

それまで生のピアノは?

AZUMA全然弾いたことなかったです。

それを音源にしようと思ったのは?

AZUMAこの曲自体ピアノの音色でキーボードで弾き語りで作った曲だったんで自然な流れというか。それと四つ打ちのキラキラしたテクノなサウンドとピアノを合わせるのは新しいかな?と思ってやってみました。

昔から生のピアノを曲に入れるイメージはあったんですか?

AZUMA前からやりたかったっていう感じではないですね。でも生の楽器に対する憧れはずっとあるので、チャンスがあれば入れていきたいです。

「137」の話もききたかったんですが、今回収録されてる7曲の中で一番謎が深かったのはこの曲なんです。

AZUMAそうですよね。ただ「137」は聴いた人に色々想像して欲しいと思って作った曲なので…うーん。

あまりネタばらし的なことはしない方が…?

AZUMAそうですね。一度137で検索かけてみてください。最初の方に出てくる億単位の長い時間のことや、5~6番めに出て来る物質の質量数のことから、いろいろと考えをめぐらしてもらえるとうれしいです。

分かりました。では、最終曲の「スイマー」について聞かせてもらえますか。

AZUMAはい。

アルバムの最後の曲を短いバラードで締めるのがきれいだな、って。この曲を最後に持ってきた理由は?

AZUMA実は最後の曲は別のものを考えてたんですけど…。

“別のもの”と言うのはこのアルバムにはない全く別の曲ということ?

AZUMAはい。でも6曲完成した後で「最後の曲はそれじゃない」と思って新しく「最後にふさわしい曲を」と思って書いた曲です。

言い方が難しいんですが、この曲が最後にあることで「CHIRALITYはシンガーソングライターのアルバムっぽくなったな」って思ったんです。

AZUMA作ってる私としては一番アグレッシブと言うか、挑戦している曲と言うか。リズムもないし、盛り上がるところが分かりやすく準備されてる訳でもないので、ちょっと珍しい曲として位置づけてはいたんですけど。でもそう言っていただけるのは、たぶんメロディーと詞が一番前に出てるというか、それぐらいシンプルだからシンガーソングライターらしいって言われるのかな?って思いますね。

1枚のアルバムとして始まりがあって最後に終りがある。「これでアルバムが終わったんだなぁ」って思える曲だな、と。

AZUMA7曲だとまとまりと言うか物語性や流れも重要になってくるので、最後まで聴いて一息ついてもう一回「ユーアーライダー」に戻りたい、みたいなものは目指しました。

リリースを目の前にした今の段階で、今回のミニアルバムはどんな作品になったと思いますか?

AZUMA(前作の「食わずぎらい」で)顔を出したって言うのもあるんですけど、自分で歌うべきことを自分の言葉で責任を持って書くということをすごく意識して、結果それができた曲達だと思います。

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