地下アイドルから地上まで。楽曲派アイドル情報サイト

特集

寺嶋由芙(ゆっふぃー)ファンと過ごした2014年夏の集大成。自主企画「真面目なアイドルたちの夏本番!」レポート

2ndシングル「カンパニュラの憂鬱」がオリコンウィークリーチャート34位を記録したゆっふぃーこと寺嶋由芙が自主企画「真面目なアイドルたちの夏本番!」を2014年8月10日に渋谷TSUTAYA O-nestで開催。ゲストのBELLRING少女ハート、じゅじゅ、TAKENOKO、アイドルカレッジ、GCB47、ゆり花とシングルリリースを盛大に祝った。(photo by 山田秀樹)

 

グループからの脱退、フリーでの活動を経て、前作「#ゆーふらいと」での復活ストーリーを飾った寺嶋由芙が、所属事務所を発表して新たなスタートを切ったのは前回の自主企画「真面目なアイドルたちの春うらら」でのこと。その後も積極的にライブイベント出演などの活動を続け、寺嶋由芙が訪れた各地では「ゆっふぃー、おかえり」「ゆっふぃーがあの場所に!?」の声が湧き上がった。そんな中、2014年4月にはDorothy Little Happyの髙橋麻里とのコラボユニット”ユフ♬マリ”としての活動が報じられ、そのユフ♬マリお披露目のステージになった5月31日のイベント「@JAM 2014」で寺嶋由芙は2ndシングル「カンパニュラの憂鬱」のリリースを発表。その夜のイベント、下北沢サウンドクルージングで「カンパニュラの憂鬱」を初披露。実質、寺嶋由芙の2014年夏はここから始まったと言っていい。6月、ソロとしては初めての北海道からインストアイベントをスタートし、誕生日の7月8日にもタワーレコード川崎店でインストアイベントを開催、7月21日は青森のフェス「夏の魔物」、さらに「東京アイドルフェスティバル」「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」と大型夏フェスにも出演、「カンパニュラの憂鬱」リリース前後には怒涛の16日連続でのイベント出演と言うスケジュールを経て、8月10日の自主企画の日を迎えた。

今回が3度めとなる自主企画「真面目なアイドルたちの夏本番!」が行われたのは前回と同じ渋谷O-nest。しかし現場に入って最初に感じたのは「#ゆーふらいと」時とは明らかに違う会場と観客の雰囲気だった。前回の”復活祭”的なムードとは違い、純粋にリリースパーティーを楽しみにしている空気がつつみ込む場内。ソロデビュー以降の活躍で寺嶋由芙を知ったと思われるファンの姿も目立つ。「カンパニュラの憂鬱」のインタビューでも「いつも支えてくれてるコアの人以外のライトな層にどれだけ響いてるか次第かな?」と語っていた通り”ソロアイドル=寺嶋由芙”として認知も着実に広まっているようだ。

イベントの共演者たちも寺嶋由芙と縁のある出演者も目立つ。中でも目を引いたのはGCB47(ご当地・キャラバンド・よんじゅうなな)。寺嶋由芙のライブには千葉県成田市の”うなりくん”、埼玉県深谷市の”ふっかちゃん”、佐賀県有明海の”有明ガタゴロウ”などのゆるキャラたちがゲスト出演することはあるが、演者でかつバンドとしての共演は珍しい(5月の”船橋市場だヨ!全員集合 船橋市場開設45周年記念大会”以来)。しかもGCB47がライブハウスへ出演するのは初めて。この日はバンマスの石田洋介が戸越銀座商店街マスコットキャラクターの”戸越銀次郎”(key)と百反坂(品川区)のキャラクター”スパンキー”(G)を率いてのライブ。当て振りではない生演奏に客席から驚きの声も上がる中、寺嶋由芙もライブに途中参加。戸越銀次郎が見事なイントロを奏でる「ぜんぜん」のGCB47バージョンを披露し、GCB47のデビュー曲「きゃらきゃら天国」では”踊りのおねえさん”もやってみせた。

そして、1部のライブのトリを務めた寺嶋由芙は、この夏各地で大活躍をしたひまわりの衣装で登場。
リリースパーティーらしいアットホームな雰囲気とゆふぃすと(寺嶋由芙ファンの総称)たちのリミットオーバーな応援ぶりに歌いながら何度も吹き出してしまう寺嶋由芙。中でも「カンパニュラの憂鬱」では沖縄のローカルアイドル「RYUKYU IDOL」のオリジナルヲタ芸”らいおん。ブレード”がフロアを埋め尽くさんばかりの大発生。
自主企画と言う背景も大いにあるだろうが、ライブならではのノリやおふざけが許されるのはアイドルとファンの間に強い信頼関係があってのこと。さすがにこの”らいおん。ブレード”には驚いたが、そんな光景にも寺嶋由芙がソロデビューからファンと築き上げてきた新たな関係の一端を見た気がした。

その1部のMCで新たな自主企画として2マンライブ「#ゆっふるーむ フレンズ vol.1」の開催(2014年9月6日:初回ゲストはゆり花)が発表された。前回の所属事務所の発表、そして今回は2マンライブ開催発表と着実な進歩を見せていく寺嶋由芙の姿にファンからは大きな声援が送られた。
そしてさらに大きなどよめきが起こったのはアンコールでのこと。寺嶋由芙とは親交が深いDorothy Little Happyの代表曲「デモサヨナラ」のタイトルが告げられた時だった。この選曲にどんな意図が込められていたかは分からないが、かつて寺嶋由芙はグループに所属していた時にこの「デモサヨナラ」をカバーしたことがある。集まった観客の中にはかつての”テラシマユフ”の姿が重なった人もいたのではないだろうか。ただ、そんなノスタルジーも今の寺嶋由芙にとってはもう過去の出来事なのかもしれない。この曲一番の見せ場「みんな!大好きーー!」の一声とそれに応えるゆふぃすと達の狂乱が全てを吹き飛ばして1部の公演は終了となった。

2部には「カンパニュラの憂鬱」のカップリングに収録されている「80デニールの恋」のオリジナル版を歌うゆり花(ゆりか)が出演。寺嶋由芙との2マンライブも発表されたゆり花はMCのリアクションが良すぎるゆふぃすと(寺嶋由芙ファンの総称)に対して「ホントによく躾けられてますね(笑)」と語り、ライブではゆり花による「80デニールの恋」に加えて最後には「#ゆーふらいと」を歌い出し、ゆふぃすとが「おぉ!」と身を乗り出したところで「…は、やりませーん」と茶目っ気のある一面も見せた。

そして2部のトリももちろん寺嶋由芙。「カンパニュラの憂鬱」のジャケットやミュージックビデオフルーツの衣装で登場すると、1部以上にハイテンションなゆふぃすとたちを見て「なんでそんなに元気なの?」と嬉しそうに尋ねる。特に、オフィシャルサイトでの通販も始まった限定CD「好きがはじまる」に収録されている「contrast」は客席のノリが一変。派手な動きとアグレッシブなヲタ芸を目の当たりにした寺嶋由芙も「ちょっと歌わない間に生まれ変わった(笑)」と驚きの声を上げるほどだった。
そんなゆふぃすとたちの過剰なテンションに触発されたのか、普段のライブではステージを降りるパフォーマンスはほとんど見せない寺嶋由芙が「カンパニュラの憂鬱」でオレンジのサイリウムが一面に焚かれたフロアに飛び出して”ラテンサークルモッシュ(この曲で起きるオリジナルヲタ芸)”に参加、さらに前述の”らいおん。ブレード”にもチャレンジする弾けっぷりを見せた。
ラストの「だいすき(岡村靖幸カバー)」では「”ゆふぃすと”のために今日は歌うよー」と集まったゆふぃすとたちにメッセージを送って本編を締め、アンコールでは「まだ、やってない曲がありますよね?」と「#ゆーふらいと」のリミックスバーションを初披露。Shiggy Jr.の原田茂幸によるアッパーでサイバートランス感にあふれるリミックスはイベントのラストを飾るにふさわしくリリースパーティーを華々しく打ち上げた。

この「真面目なアイドルたちの夏本番!」が2014年の夏の一区切りとなる寺嶋由芙。アンコール後にファンからお祝いの花束を受け取ると「”#ゆーふらいと”が記念盤で終わってしまうんじゃ?と恐れていたけれども”カンパニュラの憂鬱”がリリースできて、みんなに会いに行けて楽しい夏でした。」と振り返った。
思えば前作の「#ゆーふらいと」では笑顔と同じぐらい泣き顔も多かった寺嶋由芙だったが、「カンパニュラの憂鬱」のお披露目の際に「今年の夏はみんなに会いに行きたいです」と涙ながらに語ってからはほとんど涙を見せることなく笑顔でこの日の自主企画までを迎えた。
「これからも続けていきますのでついてきてください。」と言う力強いコメントを最後にステージを去ろうとした寺嶋由芙に対して送られたこの日一番の拍手。その一瞬だけ目に光るものが見えた気がしたが、すぐにいつもの”ゆっふぃースマイル”を浮かべた表情が印象的だった。

2ndシングル「カンパニュラの憂鬱」のリリース、そして寺嶋由芙がファンと一緒に過ごした2014年の夏は、”ソロアイドル=寺嶋由芙”も大きく成長させた夏になったらしい。そして9月からは新たな自主企画「#ゆっふるーむ フレンズ vol.1」もスタートする。この寺嶋由芙の動向からますます目が離せなくなるのは間違いなさそうだ。

1

2

おすすめ

RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
PAGE TOP