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BiSH、ex.BiS、Especia、せのしすたぁ、おやホロ 「夏の魔物」でクロスしたそれぞれの歩み

2015年9月12日(土)に青森県夜越山スキー場で開催された「AOMORI ROCK FESTIVAL 夏の魔物」。今回が10回目を数える夏の魔物は、ロックアーティストやアイドルによるライブの他にプロレスの興行や映画上映なども催される音楽フェスの括りには収まらないイベントで、例年ここでしか起こりえない”事件”が勃発することでも有名だ。そんな夏の魔物の中から今回はテンテンコ、LUI FRONTEC 赤羽 JAPAN、Maison book girl、BILLIE IDLE®、せのしすたぁ、Especia、おやすみホログラム、BiSHのライブの様子をレポートする。

テンテンコ(バーリトゥード・ステージ)

2015年の夏の魔物は直前に上陸した台風17号、18号による記録的な大雨がイベントの開催を危惧させたが、その影響を最も受けたのがテンテンコだった。夏の魔物の直前のイベントが大雨の影響で会場内まで雨水が流入する事態となり開催中止。さらに夏の魔物前夜祭出演に向けて移動中にバスが川の氾濫に遭遇して立ち往生。その後駆けつけたファンの手助けもあって無事テンテンコは青森に到着したが、被災状況をリアルタイムで記したツイートがヤフーニュースに掲載され大きな注目を集めた。

そんなテンテンコの夏の魔物は、朝8時からのスタートにも関わらずバーリトゥードステージに多くの観客を集めていた。そこにドラえもんのしずかちゃん(?)のようなピンクの衣装で登場したテンテンコは「最近、水難の相が出ている気がするのでお祓いしたほうがいいかな?」とネタもMCに交えて観客を湧かしながら、サエキけんぞうのハルメンズ楽曲をカバーした「モーターハミング」などを披露。
テクノポップ〜ニューウェーブ時代のサウンドを追い求めるテンテンコのライブからはおよそBiS時代の彼女からは想像しづらいが、ソロ活動で積み重ねてきたテンコワールドはファンの間にも着実に浸透しているようだった。

最後はソロ活動後の初シングル「Good bye, Good girl」でライブを終わらせたが、テンテンコの歌声は夜越山スキー場の空気と(不思議と?)馴染み、夏の魔物の穏やかな朝を演出していた。(photo:Jumpei Yamada)

日曜の昼下がりテンテンコワンマンライブ「ひびやこうえん」
2015年10月18日(日) OPEN 12:00/START 12:30
恵比寿BATICA
前売り:1500円/当日:2000 ※2D代金別
限定50人!!
http://www.batica.jp/schedule/article-659/

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テンテンコ オフィシャルサイト http://tentenko.jimdo.com/

LUI FRONTiC 赤羽 JAPAN(ストロングステージ)

「朝勃ちしてるかーーーーー!」
夏の魔物のメインステージでもあるストロングステージにプールイの声を高らかに響かせて「リプミー」でライブをスタートしたLUI FRONTiC 赤羽JAPAN。そして「リプミー」が終わっても「男も女も心のチ◯コをしごいて!いくぞーーーーっ!!」と身振り手振りをプールイの下ネタは止まらず「ハナレバナレ」へ雪崩れ込み、プールイ、テンペスト竹内、小原just begunが次々にランウェイへ飛び出すアグレッシブなパフォーマンスを見せていく。その様子からは直前に発表された全国ツアーの中止という残念なニュースの影響は一切感じられなかった。

高々と上げる拳、クラップ、掛け声…。プールイの煽りに素早く反応する観客たち。ライブが進むごとにステージと客席の一体感は高まり、それが最高潮に達した「感じたいよソバにいたいよ新しい風と切り裂く光を」でフィニッシュ。全員による一本締めでライブを締めたルイフロのステージは、今後への期待と可能性を大きく感じさせるものだった。(photo:Jumpei Yamada)

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LUI FRONTiC 赤羽 JAPAN オフィシャルサイト https://www.lfajapan.com/

Maison book girl(バーリトゥードステージ)

夏の魔物への出演は初めてとなるMaison book girl(ブクガ)。プロデューサー・サクライケンタの世界観をそのまま現出させたような楽曲・衣装・ステージングで注目を集めているアイドルグループだ。

一曲目の「bath room」でライブをスタートさせると、続く「my cut」では客席側にメンバー井上唯の誕生日イヴ(9月12日)を祝福するファン自作の巨大な書割りが掲げられ、それを見つけたメンバーはステージを降りてファンに囲まれながらのパフォーマンス。
ファンからのサプライズに喜びと感謝を表していた井上唯とメンバーだったが、ブクガからもそのお返しとばかりに9月23日にリリースされたアルバム「bath room」を当日の特典会でリリースに先立って購入できる優先券をライブ中にステージ上から配布。サプライズの応酬となったMaison book girlの夏の魔物のライブは、ファンにとってもメンバーにとっても忘れられない夏の思い出になったに違いない。(photo:山田秀樹)

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Maison book girl オフィシャルサイト http://www.maisonbookgirl.com/

BILLIE IDLE®(リングの魂ステージ)

朝からの曇り空から青空が見え始めた真昼のリングの魂ステージに登場したBILLIE IDLE®。2015年4月1日の「IDLE GOSSIP」でアルバムデビューを果たし、9月16日には2ndアルバム「ROCK “N” ROLL IDLE」をリリースするなど、異例のスピードでリリースを重ねているが、その一方でライブの数が極端に少ないBILLIE IDLE®をこの夏の魔物で初めて見ると言う人も少なくなかったはずだ。

ところが実際のステージではライブ回数の少なさを感じさせないほどに高い完成度の高いパフォーマンスを見せるBILLIE IDLE®。リングを囲んだ四方のファンに気を配ったステージングで一曲目の「anarchy in the music scene」から観客を魅了し、ヒラノノゾミがヤスイユウヒにチョークスリーパーを決めるシーンで観客を湧かせたり、クールに歌い上げるモモセモモやMCでありえないぐらいにカミ倒したヤスイユウヒ(ファーストサマーウイカ曰く「あれがデフォです!」とのこと)と見どころは満載だ。その中でも時おり見られたファーストサマーウイカとヒラノノゾミの息のあったハモりはBiS時代からの積み重ねを感じさせた。
そして、2ndアルバム「ROCK “N” ROLL IDLE」のリード曲「be-pop tu-tu」を夏の魔物で初披露し、最後はBILLIE IDLE®の代表曲と言ってもいい「be my boy」で充実のライブを締めくくった。(photo:Jumpei Yamada)

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BILLIE IDLE® オフィシャルサイト http://www.billieidle.com/

せのしすたぁ(バーリトゥードステージ)

「オレらがパーティーモンスターだ!!」の掛け声とともにせのしすたぁが姿を見せると、それを待ってましたとばかりに客席では一斉にオレンジのタオルが踊った。
その意図は、この日のライブをもって活動を休止するみかのために用意されたファンからのサプライズ演出だった。活動休止が学業専念による一時的なものとは言え、節目となるライブにまおはライブの始まりから飛ばした。
「もっともっと!」「聞こえねーぞ!」「青森県にケチャだ!」「後ろ地蔵してんじゃねーぞ!」と観客に向けて叫び続ける煽りは「◯田豪さんやれよ!なに彼氏面してんの!?」と客席側の袖で見ていた超有名プロインタビュアー氏にも飛び火。

ステージを降りて「ワタシアイドル」を歌うまおに応えるファンも足元のぬかるみに構うことなくこの曲でおなじみみの土下座芸を完遂。そしてライブを締める定番曲「ラストチューン」で大団円…となるはずが、ここでNATURE DANGER GANGがステージに乱入、せのしすたぁとのコラボ曲「”ATOMIC×デンジャー×しすたぁ”」を披露した。
予定外のコラボに湧く観客の渦へNDGメンバーが次々にダイブをする中で、みかもダイブを敢行。観客の頭の上を漂いながらケチャを受けるみかは最後まで笑顔で活動休止前のライブを楽しんでいるようだった。(photo:Jumpei Yamada)

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せのしすたぁ オフィシャルサイト http://senosister.com/

Especia(バーリトゥードステージ)

夏の魔物は開放的な環境が様々なパフォーマンスを生み出すことが多いフェスだが、Especiaはそれをライブのはじめから思う存分満喫していていた。
「Good Times」でライブを始めるとEspeciaのメンバーはステージに脇田もなり一人を残して散り散りに飛び出し、次々に観客とハイタッチを交わしていく。
三ノ宮ちかと三瀬ちひろは夜越山スキー場のゲレンデを駆け上がり、ビニールシートを敷いてゆっくりくつろいでいる人たち一人ひとりとハイタッチ。その一方で森絵莉加は観客と一対一のガチンコなダンスバトルを繰り広げるなど、”なんでもアリ”な光景があちこちで見られた。

そんな「Good Times」のお祭り騒ぎが終わってメンバーがステージに戻った後のEspeciaのライブはいつものクールさを取り戻し、ライブの定番曲「アバンチュールは銀色に」、最新シングルの「Aviator」などをいつものノンストップライブで披露していったが、その中の挟まれた「スカイタイム」が爽やかな夏の魔物の青空とマッチしていたのが印象的だった。(photo:Jumpei Yamada)

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Especia オフィシャルサイト http://especia.me/

おやすみホログラム(バーリトゥードステージ)

「東京アンダーグラウンドを青森に持ってきましたからね!みんな!青森まで来たんだから体を揺らそう!」
「おやすみホログラムこんなもんじゃねーぞー!!」
夕陽に染まり始めたバーリトゥードステージにおやすみホログラム八月ちゃんの声。かなみるの狂気とファンの荒ぶりがライブの度にカオスな光景を生み出し、最近では”アイドル界のギャングスタ”と呼ばれることもあるおやすみホログラム。その中でナチュラルボーンなキュートさを持つ八月ちゃんの存在は緩衝材的な役割も担っていたが、この日の八月ちゃんの耳慣れないぐらいに激しく観客を煽っていた。

ライブの方もオープニングの「note」でこそ静かな立ち上がりを見せていたが曲が進むごとに激しさを増し、サプライズゲストのHave a Nice dayの浅見北斗を迎えたコラボ曲「エメラルド」でライブの盛り上がりは頂点に。ステージからダイブしたかなみるは、狂気に満ちた表情をたたえながら観客の頭上を転がり回り、八月ちゃんも(かなみるに比べれば)控えめながらもアクロバティックなダイブを見せる。

「東京アンダーグラウンドを持ってきた!」その言葉通りのライブを見せたおやすみホログラムは初出演の夏の魔物に強烈なインパクトを残していった。(photo:Jumpei Yamada)

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おやすみホログラム オフィシャルサイト http://oysm-hologram.com/

BiSH(リングの魂ステージ)

「今日のイベントは何か因縁めいたものが裏テーマにあるみたいですね。」
「BiS…ですね。」
「はい。…BiSです。」
「解散した時のメンバー全員出てた見たいですね。」
「今日は!このもう終わってるBiSを封印するために!BiSHはここに来ました!」

ストロングステージに立ったBiSHメンバーがそう語った直後、夜を迎えた夏の魔物に鳴り響いたのはなんとBiSの「nerve」だった。この日一番と言っていいサプライズにステージのテンションは一気に最高潮に達し、続いてBiSHにとっての「nerve」の後継的な楽曲「ぴらぴろ」でライブはさらに加熱。リングサイドでは次々に押し寄せる観客とそれを捌くセキュリティスタッフが攻防(?)を繰り広げていたが、新メンバーを加えたばかりのBiSHもリングの四面をくまなく使って多くの観客にパフォーマンスを見せようとする姿が印象的だった。さらにステージの外側に目を移すと「BiSH 〜星が瞬く夜に〜」の終盤に上がった打ち上げ花火がライブに華を添え、さらに誕生日(9月11日)を迎えたばかりのハグ・ミィのために用意された巨大なチ◯コのオブジェがリングサイドに踊るなど、夏の魔物初登場のBiSHは最初から最後まで見どころが絶えないままでライブを終えた。

BiSHがライブの冒頭に言っていたように2015年の夏の魔物にBiSを軸にした”裏テーマ”があったのは疑いようがない。その中で元BiSのメンバーたちはそれぞれが歩み始めた現在の姿をファンや観客の前で披露し、BiSと同時代を歩んだグループやBiS解散後に登場してきたグループもそれぞれに自分たちならではのライブを見せ、それを締めくくる形でBiSHは「nerve」で答えを返した。
BiSHが歌う「nerve」を色々な人がそれぞれの立場で見届けたろうが、夏の魔物のリングで歌われる「nerve」が多くの人にとってある種のカタルシスを呼んだのは間違いないだろう。

そしてBiSHにとっても、サプライズの「nerve」、不慣れなリングのステージ、6人体制2度目のライブ…と様々なプレッシャーを跳ね返してやり切った初登場の夏の魔物は今後に向けた一つの節目となったのではないだろうか。(photo:外林健太)

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BiSH オフィシャルサイト http://www.bish.tokyo/

 

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