めろん畑a go go 中村ソゼさんの”超マニアック”映画解説コラム
めろん畑a go goの中村ソゼさん(@SozekgMelon )の映画コラムもついに最終回です。
過去の2回は中村さんが見たお気に入り映画を紹介していただきましたが、今回はこちらから「これとかどうです?」とお願いした映画を見てもらいました。
今、話題沸騰中の映画なので既に見ている人も多いと思いますが、中村さんのコラムは、同じ作品を見た人同士が盛り上がるコラムだと思うので、もし万が一、未見の人がいたらまずは映画館へ行ってから読むのがよいと思います。では、どうぞ!
こんにちは!(こんばんは)
めろん畑a go go 中村ソゼの映画レビューの部屋、田舎暮らし 本日最後です!
すてきな企画にお誘い頂いたmusiciteさんありがとうございました!
最後は、普段予告見ない派の自分でもめっちゃ前情報入ってきた!世界のだいたいの人が見てる映画です!
JOKER(2019)
DCコミックス『バットマン』に登場する悪役、ジョーカーが誕生する経緯が描かれてます!なんとか賞をたくさんとってます!
めろん畑a go goのモチーフであるロビンはバットマンの相棒なので、勝手にお世話になっております!
1980年代、ゴッサムシティでジョーカーが産声をあげます!
主人公のアーサーがジョーカーになった!ように見える映画です。
純粋な心を持っていたアーサーが、社会から疎外されて病んでいきジョーカーになるというあらすじをよく見かけたのですが、純粋な心、彼持ってましたか?
始まりから薬バチバチに飲んでいたが
私にはそうは見えなかったです。少なくともこの作品内では。
人を殺さないひとが人を殺すひとに変わったのを、”心が汚れたから”だけでは到底語れないと思う。私の目線だと、アーサーはこのJOKERの中では最初から最後まで変わっていない。街びとからのいじめや解雇のイベントは単に引き金であって、原因ではないと思った。原因は最初からアーサーの中にあった。
自分は性善説(ひとは生まれた時は全員善人である説)を信じているので、アーサーにおいてもやはり育った環境が良くなかったんだなというのは分かる。写真の裏にメッセージが書いてあったり、本人の反応からしてトーマス・ウェインの息子だというのは本当だと思う。
TWが本当の父親だとすると、母親の言うことはほぼほぼ合っていて、じゃあ何で一度も手紙が届かないのかと言うとアーサーが律儀に捨てている。
でも捨てているとすると、なぜ捨てていたのか?なぜこの時だけ母親にキレたのか?(それとも毎度キレていた?)謎である。
なによりアーサーはコメディアンになることこそが一番の願いで、この貧困から抜け出すことをすごく望んでいるようには見えなかった。だからトーマス・ウェインに関することでキレたのは経済面ではなくて、父親から貰えなかった愛をどうしても取り戻したかったのかなと思った。
この映画、噛み合わないように自分が感じるのかそう感じさせられてるのか、アーサーの殺しがほんとうなのかうそなのか分からないところがあります!
まず初めてアーサーが人を殺した地下鉄。
アーサーがランドルから貰った拳銃は弾が6発しか入らないのに、実際の発砲数は6回を超えています!さらに、この事件がニュースになった時犯人について『ピエロのお面をつけた』犯人だと明言されています。アーサーはもともとお面ではなくピエロのメイクをしていました。本当に殺したのでしょうか?
ふたつめはアーサーが仲良くなった同じビルにすむ女性。
エレベーターですれちがってから気になるようになり、しだいに仲良くなってアーサーのショーも見に来てくれたり、母親のお見舞いにもついてきてくれました。しかしアーサーがトーマスに殴られた後にソフィーの家に勝手に入ってしょんぼりしてたら、ペニーワイズ見たみたいな反応が返ってきて、そこでその女性との想い出はすべてアーサーの妄想だと分かりました。殺したかどうかは分かりません。
みっつめはマレーフランクリン・ショー。
アーサーは、
観客としてショーの観覧に行ったらステージに上げられたとき、
自分のショーの映像がマレーにいじられたとき、
最後ゲストで呼ばれてマレーを殺したとき、
の全3回出演したように見えますが、最後に出演したときのマレーは明らかに初めましての言動でした。最後に呼ばれたときだけが現実だとすると1、2回目は嘘?だとすると母親を殺したのも本当かどうか分からなくなります!全部が本当とすると、マレーの反応が冷たすぎる。
個人的にはマレーは殺してたらいいなとは思います!
さらに映画内に出てくる時計がすべて”11時11分”を指していたり、ジョーカーになった!後に精神病棟で、なぜか黒髪になっていたりするのは、映画内のできごとが全て嘘または妄想であるとも捉えられます。
ジョーカーの真実なんてなくて、この映画がジョーカーを表してるものなのかも分かりません。
練習では自分が死んで笑わせようとしてたのに、最終的にマレーを殺したのは結局自分が大事なんだねって思う反面、自分をまもる心があるんだって安心もしました。あと優しくしてくれてた人は殺さなかったところが身勝手すぎて結構好きです。
人を殺したいと思うなら、目は刺さないと思います。ただ目を刺すのってめちゃくちゃ映えるので、映えを目指している人はやるんだと思います。目を刺すのと、腹を裂く(回るノコギリとかで)のはたいそう映えるのでおすすめです!
私は、映画は一つの作品であって、そこから先の”なにか”はいらないと思う方なのですが、この映画はその”なにか”がたくさんありすぎてそのうちの何個かは無理やり自分の中に入ってくるので気持ち悪くなりました!人類の脳の構造を大きく変えようという大義名分のもとどっかの新興団体が作ったと言われたら信じるレベル。
自分の人生における嫌なことや、自分の嫌いなところに重なる部分が結構あって、このレビューを書き出すまでに心の準備が必要でした。この映画と向き合うことは自分と向き合うことと同義です。
『タクシードライバー』や『ミーンストリート』とか大好きだから、これがジョーカーの話じゃなかったらすごく好きだったかもしれないのですが、この映画はこれがジョーカーだ!という額縁で飾られているので、あらあらあらという心持ちです。
このアーサーが本物のジョーカーでは無いことを願っています。
【映画顔マネのコーナー】
今回は、ジャパニーズホラーの金字塔『呪怨』です!
小学生のときに、なかなか友達ができなくて悩んでいたのですが、家が近くの子と帰ったときに遊びに行って二人で呪怨を見てからその子と仲良くなれました!あの時はありがとうございました。
みんなも体調が悪いときにやってみてね☆
【あとがき】
このたびは三回に渡り、私の大好きな映画に関する記事を書かせていただきました!お仕事としてやらせて頂ける日が来るなんて、本当にやってて良かったと思いました!
お誘い頂いた編集長!そしてここまで読んでくださった皆さま本当にありがとうございました!
この連載は終わってしまいますが、この世には最高の映画や最低の映画がこれからも生まれ続けます。そのひとつひとつに感謝しながら明日からも生きていきたいと思います!
そして私中村ソゼは、めろん畑a go goというアイドルグループとして日々ライブ活動をしておりますので、映画について話したくなったらいつでも話しに来てください!ライブも見てくれたら嬉しいです!
長寿と繁栄を!それではまた!!
中村画伯の絵がグッズになりました!
初回の、「ゴーストランドの惨劇」のコラムにあった”前の座席がサンドバッグだったら7回殴っていた”というエピソードを中村さんに絵に描いていただきましたが、その絵がグッズになりました!
グッズはTシャツ2種とジップアップパーカーの3種類。
「GK! WEB SHOP」で販売中です!
※尚、利益の2/3は執筆者に還元されます。
リンク
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めろん畑a go go 公式 twitter https://twitter.com/MELONBATAKEAGO2
中村ソゼ twitter https://twitter.com/SozekgMelon