今回のツアーはデビュー後自身初めての試みとして全箇所グランドピアノでの弾き語りのツアーとなったほか、全編が録音フリー、アンコールは撮影フリーという珍しい試みにも挑戦。
「きちんとバンドアレンジされたCDの音源とピアノと自分だけで奏でるLIVEの音源が、本質的には実は等質の表現なのだと、確認してほしかった」
という想いで行われたこの企画、13日の終演後以降は各動画サイトでのアップもフリーなので、見逃してしまった人たちは是非各動画サイトをチェックしてみて欲しい。
今回のツアーは5月に発表した最新アルバム「Pianism」収録曲を中心に代表曲「春夏秋冬」、「カナリア」等を交えての全17曲、約2時間を自身の声とグランドピアノだけという編成で行ったもの。
東京公演では、スペシャルゲストとしてデビュー作から最新作まで多数の楽曲アレンジを手掛けている中島ノブユキが参加。トイピアノやオルガンなど多彩な音色で彼女の音世界を拡げていく。
さらに、「Pianism」収録の「UNCONTROL」でコーラスとして参加した指田郁也を招き、「UNCONTROL」と、指田の1stアルバム「しろくろ」に収録されている「上り電車」を連弾しながらの共演。
指田が自身の「上り電車」の曲紹介をする際に、「もともと鉄道マニアで」と話し出すと、NIKIIEは「私も実は巨像マニアで街並みから突然でてくるあの違和感がたまらない、この感じわからないですか?」と自身のマニアックな嗜好を告白。指田からはあっさりと拒絶されてしょげるシーンも。「会場のみんなと僕に一体感が生まれたよ」と返されて和やかなムードへ。
元々名古屋のZIP-FMでお互いのレギュラー番組にかわるがわるゲストで参加したことが縁での今回の共演では不思議なトークのテンションで会場の笑いを誘いながら一度演奏に入れば、初めての共演とは思えない2人のハーモニーと演奏で会場のテンションをあげまくっていた。
「ハウステンボスCMソング」となった「Reborn」を客席と合唱して本編が終了後、アンコールで再び登場した以降は全編撮影OKタイムに突入。
皆が思い思いにシャッターを切り写真や動画を撮影するなか、曲中では撮影しやすいようポーズをとるなどのサービス振り。会場は最高潮の盛り上がりに。
アンコールラストにはアルバムの最後に収録されている「A White Secret」を披露。アルバムでも一発録りのヴァージョンが収録されているこの曲で、アルバムとLIVEが最終的に完全に同質化してフィナーレを迎えた。
「「Pianism」を作りきれて、NIKIIEとして作品を残すことができてよかった。これが音楽をやっている理由なんだと感じられるツアーができました。ありがとうございました。」
MCでNIKIIEが観客に伝えた。原点である弾き語りで、清涼感がありながら非常に力強く、パフォーマンスの高さが際立ったLIVEとなった。
彼女の独特の歌世界を体験してみたい方はhttp://nikiie.com/にて今後の予定をチェックしてほしい。