すみません。色々書かなきゃいけない原稿がたまっているのですがすみません。
RAYさんの3rdアルバム「Camellia」がリリースされました。とりあえず聴いてください。
サブスクがきっかけという訳ではないと思いますが、かつては「アルバムをどう聴くか?が音楽の嗜みである」と思っていた僕も最近はアルバムをがっつり聴き込むということが少なくなってきました。
特に最近はアルバムの作り方も既発曲を集めたプチベスト、プチコンピレーション的なタイトルが増えてきたような気がしているのでアルバム全体のテーマ性を探ったり、アルバムのために書き下ろされた楽曲を聴いて作品の意義を求める的なアプローチをする機会も減ってきた気がしなくもありません。
そんな老害丸出しな僕ですが、過去の好きなアルバムや優れた(と思っている)アルバムを聴いたときの共通点みたいなものを今回のRAYさんのアルバムを聴いて思い出しました。
それは「アルバムを旅している」という感覚です。
そこには一曲目から最終曲までに至る流れや起伏、聴いている中に感情の浮き沈みがあって終着点にたどり着くというあの感じ。最後の曲を聴きながら湧き上がってくるなんとも言えないあの感覚は、長旅を終えて空港で最後のフライトを待っている時の充実感と寂寥感にも似ていいる気がしました。
今回のRAYさんのアルバム「Camellia」の最終曲「ため息をさがして」を聴いたときに、その感覚が久しぶりに(数年ぶりに)よみがえってきました。
過去のライブで見た曲たちで過去の記憶がフラッシュバックし、今回初出しになる新曲たちで耳を疑うほどの衝撃を覚え、その興奮に心揺らされながらも、静かにそして少し残酷に旅の終わりという現実を受け入れざる得ないあの感覚。
「いいものを聴かせてもらったなぁ」という余韻に酔いつつ、もう一回それを味わいたくてリピートしてしまうところも全て過去に僕が出会ってきた大切なアルバムと同じでした。
2023年にこんな感情を思い起こさせてくれるなんて予想だにしませんでした。そして「なに浸っちゃってんの(笑)」と思った方もぜひ一度「Camellia」聴いてみてください。本当にいいアルバムだと思います。