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アイドルたちの真夏の祭典が帰ってきた!-TOKYO IDOL FESTIVAL 2023レポート vol.2-

2023年8月4〜6日にお台場・青海周辺エリアで開催された「TOKYO IDOL FESTIVAL 2023」のレポート第2弾。今回は毎年TIFの門を開ける初出演組の活躍にフォーカスする。(レポート第1弾はこちら

未来のヘッドライナーはどこに?爪跡を残す初出場組の活躍

TIF2023で初出場したアイドルは70組。毎年多くのアイドルたちが自らの念願を叶え、ファンの期待を背負ってTIFデビューを果たしている。かつては非常に狭き門と言われていたTIFも近年は様々な方法で出演権を得ることができるようになったが、それでもその70組が日本全国で活動するアイドルの中から選ばれた精鋭なのは間違いない。

そしてこの中から数年後のメインステージを飾るグループも出てくるのだろう。そんな未来のヘッドライナーたちの記念すべき第一歩は??

ライブ中止の悔しさは来年のステップに!COMIQ ON!

2022年10月にデビューした5人組アイドルCOMIQ ON!(コミッキュオン)が、TIFのファーストステージに立ったのは3日目(8/6)のFESTIVAL STAGE。

活動期間10ヶ月で掴み取った大舞台をデビュー曲の「超越展開POROPOROコミッキュ」でスタートさせるとファンのリアクションも上々。大サビでは振りに合わせたヘッドバンキングが観覧エリアのあちこちで起きていた。

ステージ上のCOMIQ ON!メンバーも初めてのTIFに臆することなく初々しくも堂々としたパフォーマンスで、続く「おねがいかみさま」でははじけるキュートさ、ラストの「NEO WORLD ORDER」ではシリアスな表情も覗かせる振り幅の大きなパフォーマンスは10ヶ月の活動で積み上げてきたスキルと経験を存分に感じさせるステージだった。

続くフジテレビ前のDREAM STAGEではTIFとTikTokのコラボ企画「明日バズりたい選手権2023」の決勝戦に登場。予選の上位3組として、いちごみるく色に染まりたい。、Luce Twinkle Wink☆とともにライブを行い、夏曲の「拝啓さまざまSUMMER」とTikTokでもバズを起こした「左ききのメイビーユー」を披露。

惜しくも優勝を手にすることはできなかったCOMIQ ON!だったが、2つのライブで来場者へのアピールも果たしただけでなくメンバーも初出場のTIFを目一杯楽しんでいる様子だった。

そうして初めてのTIFで活躍の場を広げていったCOMIQ ON!だったが3回目のステージを前に不運が訪れる。突如として降り始めたゲリラ豪雨によってライブ予定だったSKY STAGEでのライブが一時中断、そして中止となってしまう。

フジテレビ湾岸スタジオ屋上のSKY STAGEはTIFを象徴するステージの一つ。COMIQ ON!メンバーも相当の気合いとともに臨んでいたはずだが、中止の知らせを聞いたメンバーたちは涙を流して悔しがったという。

それでも2つのステージでの初出演の成果は十分。COMIQ ON!の名前とそのライブは多くの来場者に知れ渡ったはずだ。今年のSKY STAGEのリベンジはぜひとも来年のTIFでの大活躍で晴らしてほしい。

噂のカイジューバイミー。TIFでその名を全国区に

TIFでは「見つかる」という言葉が使われることがある。それはTIFでの活躍をきっかけに知名度を大きく上げたグループを形容する際に使われる。「名前はあちこちで聴くが生では見たことがない」そんなグループがTIFで見つかることが多いように思うが、今年それに見事にハマったのがカイジューバイミーだろう。

コロナ禍真っ只中の2021年にデビューし、エモーショナルな楽曲とパフォーマンスで徐々にその名前を浸透させていき、「熱帯魚」のMVをきっかけにその噂に火がつき、今年ついにTIFデビューの切符を勝ち取った。

DOLL FACTORYで二度のライブを行ったカイジューバイミーだったが、とりわけ圧巻だったのは2回目のステージ。会場後方にまで観客が集まった中で披露されたカイジューバイミーのライブ、それはライブハウスで見るいつものカイジューバイミーの姿だった。「熱帯魚」「全力シルエット」「無人島カルテット」「ブラックホール」のキラーチューンを衣装を振り乱しながら全身を使って歌を届ける姿は時間を追うごとに聴衆を引き込んでいった。

最後の曲を前にしたMCではスタンド・バイ・菜月が「見たことない顔いっぱいあるし、たぶん初めて来た人もいっぱいいて。私たちがTIF初出演ってのは別に関係ない人もいっぱいいるし、でも今日をすごく楽しみにしてきてくれた人もたくさんいて。TIFだからとかじゃないけど…なんか今日はこんだけ知らない人ばっかなんだけど、なんかこうライブしてるとなんか今日起こるんじゃないか。今日誰か私たちのこと分かってくれるんじゃないかとか。初めましてだけどそういうライブなんじゃないかって思うよ。」と声を震わせながら語りかける。

そうして、初出演のTIFを締め括った曲は「フリージア」。ミディアムバラードのは本曲はTIFの初出演を華々しく打ち上げる選曲ではなかったものの、メンバーの4人が訴えかけるように歌うその姿はむしろ余計にカイジューバイミーの名前を観客の心に深く刻み込ませたのではないだろうか。

1ステージに投じた衝撃。BELLRING少女ハートのTIF2ndデビュー。

東雲こずゑ(BELLRING少女ハート)

BELLRING少女ハートのTIF出演は正確に言うと今回が初めてではないが、2016年以来の出演でかつメンバーも一新されたBELLRING少女ハートにとって今年のTIFは2ndデビューと言ってもいいだろう。

ただ、そんなBELLRING少女ハートも3日目の雨の不運に見舞われてしまう。SKY STAGEでのライブが中止になってしまったのだ。しかもちょうど自分たちのライブの直前に中断が決まりそのまま中止になる現実を受け入れなければならず、その悔しさはことさらに大きかったに違いない。

そんな憂き目を見たBELLRING少女ハートに残されたリベンジの場はFESTIVAL STAGEの一本15分のみ。

メンバーはもちろんファンにとってもここに懸けるしかなかった場に「SKY STAGEの雪辱を晴らしにきた!」の一声をきっかけに「c.a.n.d.y」でライブスタート。冒頭から目を見開いて歌う東雲こずゑからは常軌を逸したかと思うほどの気迫が感じられた。2曲目の「the Edge of Goodbye」では通常の「エンドレスエッジ」と呼ばれるアウトロが延々と繰り返される特別バージョンで披露された。いつ終わるともないアウトロのリピートに「もしやこのまま終わるのか?」という雰囲気も漂う中に鳴り響いたのは「asthma」のイントロ。ベルハーのアンセムとも言うべきこの曲も現行体制ではこの日がお披露目。観客の間からはどよめきとも叫び声ともつかない声が上がっていた。

この「asthma」を象徴する光景に大サビ前の観客たちが作るフロアいっぱいに広がるサークルがある。例年のTIFであればその後に起きる”騒動”は規制されておかしくないレベルなのだが、今回はお咎め的なこともなくライブは終了となった。

このパフォーマンスが、直前のライブが雨で中止になったことへの配慮の上で黙認されたものなのか、ルールの範囲内のものだったのかは確認できなかったが、BELLRING少女ハートがライブを終えた後のFESTIVAL STAGEに漂っていた満ち足りた空気は、「開放と解放」をコンセプトに掲げる今年のTIFを象徴するシーンだったように思う。

【まとめ】初めてのTIFで何が残ったか

冒頭にも書いた通り決して広いとは言えないTIF出演の門。ただ、その門を開けられたとしてもTIFで活躍できるか?見つかることができるか?は別の話。初出演のグループにとって初めてのTIFで何を残すことができたのか。

TIFのような大舞台ではよく”爪跡”という言葉が使われる。それはライブやパフォーマンスがどれだけ話題になったか?という観客側が受けた記憶やインパクトの意味が一般的だが、その一方で手応えや満足、緊張や課題といったアイドル側が感じる結果や成果が爪跡として残る場合もあるだろう。

最後に紹介したBELLING少女ハートはライブ後のMCで「SKY STAGEができなくてゲロ吐くぐらい悔しい」と気持ちを吐き出していたが、そうした無念さを残したグループもいたはずだ。

”TIFに残した何か”の形は様々あったとして、残したものの強さ大きさ深さがその後のグループをも変えていくケースも少なくない。「TIFで見てくれた人がファンになった」という話をアイドル本人から聞くことはよくあるし、やはりTIFはそれだけ大きなフェスなのだ。

そうした意味で今回レポートした3組はいずれも初出演ながらTIFに”爪跡”を残していったグループに見えた。そう考えると今後の活動はもちろん、来年のTIFでの活躍にも期待せざるを得ない。

実際、TIF2023では昨年の初出演から大きく飛躍したアイドルたちの活躍を目の当たりにした。次回はそうしたTIF2回目組のグループに注目してレポートをする。

(TOKYO IDOL FESTIVAL 2023レポート vol.3へ続く)

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